見出し画像

人が辞めていく組織

1月半ばが過ぎました。

この時期は、
医療業界の紹介業者は
落ち着いている時期なのです。

ですが、
2024年はそうでもなく、
ポロポロと常勤先の
転職相談を頂いています。


■ この時期の決断

この時期に転職を決断するのは
とても勇気のいることだと思います。

時期的に、結構しんどいからです。

医療従事者だから、
職にあぶれることは基本ありませんが、
なかなかしんどい条件となる可能性があります。

しんどいと考える理由としては、
医療機関は、役所と同様
4月はじまりの翌年3月末を
年度と設定している処が多いと
お見受けします。

人材を確保する為、
職種別の予算や、
確保人数を決めて動いています。

特に、医師以外の
看護師・医療従事者の場合
今年度の人員確保が
終了している場合もあります。

自分が働きたい医療機関で
直ぐには働けないという事態に
なるかもしれません。

そこを、しんどいと表現しました。

医師の場合も、
同様のことが起きる可能性はあります。

ただ、医師を欲している医療機関は
沢山あります。

沢山ありますが、
ご自身が働きたいと思った医療機関では
もしかしたら、人員が充足している場合があり、
医療従事者と同じ様な結果になる可能性はあります。

それ位、この時期の転職は珍しい。

だからこそ、
なぜ、この時期に?という質問は
医療機関からも、紹介会社からも
求職者にさせて頂きます。

■ いる人に意識をむけないと

この時期に
転職を決断した方に
お話を伺うと、
共通する点があります。

・年度末に退職する人が多い

・人が少なくなることで
 自分の業務が増えるのが目に見えている

・この職場でなくても、自分の仕事は出来る

上記を皆さん仰います。

これは職種を問わず、
共通しています。

この職場では、
自分の働いている姿が想像できない、
自分の“これから”が見えない。

見えたとしても、
現状よりも酷くなることが
目に見えている。

この職場でなくても、
自分の仕事は出来る。

医師・看護師・医療従事者は、
国家資格がありますから、
タイミングさえあれば、
全国津々浦々
ご自身が望む処で働けます。

凄い資格をお持ちだなと、
転職支援をしていて
いつも思っております。

そして、
毎回思うことがあります。

国家資格を持った人を雇用する側の
危機感が薄い気がするのです。

人が辞める前には、兆候があります。

その段階で、手を打てなかったのかな?と。

ましてや大量に人が辞めてしまっては、
業務自体が滞り、患者さんにも迷惑が及びます。

患者さんの増減は
医療機関の収益に直結します。

人が辞めていくことで
今まで循環していたことが
止まってしまう可能性があります。

だからこそ、
もっと院内で働く人のことを考える必要が
雇用する医療機関側にあると
私は考えています。

いる人に意識をむけて下さい。

■ 人材を育てること

僭越ながら申し上げると、
医療機関は、人材を育てることにも
力を注いだ方がよろしいです。

日常の業務を滞りなく回すために
医師・看護師・医療従事者等の
人材の確保に力をいれている現状を
存じ上げています。

人材を確保することで、
今働いている人の業務量を適正にしたい。

そんな考えも存じ上げています。

存じ上げていますが、
人材を確保したら終わりではなく、
その後のフォローも
しっかりして頂きたいのです。

入ったら、人が出ていく。

この無限ループを断ち切るには、
人をマネジメントする側、もしくは
教育する側の人材を育てて欲しい。

人材は確保したら終わりではなく、
自院の戦力となる様に医療機関側でも
対応があってしかるべきだと、
エージェントとして思っております。

■ こんな話を伺います

よく聞くのは、
人をマネジメントしていた方が
異動もしくは退職してしまった。

自分はそんな気もなかったのに、
職歴の経験年数はあるので、
人を管理・マネジメントすることになった。

仕方なくやっている。

なぜ、自分がこんなことをしているのか?

そこに意識がいってしまう。

患者さんの対応もして、
一緒に働く人のことも考えなきゃならない、
なんで、自分がやらなきゃならないのか
不満を持ちながら
仕方なく対応している。

だからなのか、
後輩や同僚が退職を申し出ると
引き留めることなく
止めを刺す様な言葉を云ってしまう。

“今辞めても何もできないのにね。”
“どこにいっても同じだよ。”

いやいや、
そんなこと云わなくいて良いのに、
きっと自分は我慢しているのにという想いが
言葉にでてしまうんでしょう。

今、どの業界でも
人手不足が騒がれています。

今、企業では、
【出戻り社員】【出戻り雇用】等に
取り組んでいます。

一度会社を辞めた人が
即戦力として会社に戻ってくる
取り組みです。

企業は今取り組んでいますが、
医療業界では前々からありましたよね?

看護部で。

退職をしてから、
隣の芝生は青かったではありませんが
昔の職場が働きやすかった。。。
ということを理解した人が
再び辞めた医療機関に
働きに戻ってくる。

人出不足は騒がれている今、
この取り組みは、企業だけではなく
もともと対応していた
医療業界でも大いに
取り入れたら良いのです。

医療機関は、人を育てることに
力を注いでください。

マネジメントが出来る人を
育てて下さい。

■ 人の定着化に力をいれる

人を育てることに力を注ぐことと、
もう一つ、お願いがあります。

人の定着化にも
力を注いで頂きたいです。

人の出入りが激しい処には、
はっきりいって、人は集まりません。

どうすれば人が定着化するのか。

各医療機関によって課題は
それぞれあるかとは思います。

ただ、一つ云えるのは
人との関係性の構築を
大事にして欲しいです。

人との関係性、
縦軸・横軸あります。

縦軸は、
管理する人とされる人、
上長と部下、
先輩と後輩。

横軸は、同期同士。

人との関係性の構築が
うまくいっている組織は
人が辞めません。

万が一、
辞めたいと考えている人がいた場合
その組織に留まる理由を、
関係性が出来ている人が、
その方に説いてくれます。

そうすると、
不思議なもので冷静になって
もう一度考えてみるか
となる場合が殆どです。

人が辞めない様に
雇用する側も工夫していかないと
最新の医療機器をいれても
それを動かす人がいないとか、足りないとか
そんな事態になりかねません。

生意気な物言いになりますが、
医療機関側でマネジメントが
出来る方を育てることは、
自院の未来を明るいものにするか、
しないかに直結します。

医療は社会のインフラでもあります。

人が足りない。。。
では盛大に募集広告をだそう!
紹介会社に連絡しよう!
も、人がいない現状を考えると
必要なことだと理解しています。

ですが、今いる人が辞めない様に
今いる人にも意識をむけながら対応していく
そんな時期に来ています。

人を育てること、
人を定着化させることは、
直ぐに結果がパッとでるものではないですが、
時間をかけて取り組むべきことだと
医療業界の片隅にいる私としては
この時期の転職相談を受ける度に
考えてしまいます。

以上



この記事が参加している募集

業界あるある

仕事について話そう

医療系人材紹介エージェント。日々、医師や看護師さんとお目にかかり、思うことや、自分がお邪魔して、こちらに人材を紹介したいな~と思う、医療機関さんが募集している人材情報を掲載していきます。あとは、自分の趣味のダイビングのことも書いて参ります。医療系で海好きの人と繋がりたいです。