グループラインが苦手だ。気軽なグループラインは、主に用件と写真を共有する家族のグループ、娘たちと３人だけのアイドルオタクグループくらい。

両親と姉妹で構成される実家のグループラインも、姪っ子の写真や父の近況報告に、リア充自慢のような、褒め言葉を強要されているような、かすかな圧を感じてしまうことがある。
たぶん、気にならない人はまったく気にならない。送られることで、喜ぶ人もたくさんいると思う。

素直に姪のお出かけや、父の活躍に興味がもてない私がひねくれているのだ。

そして、そんな自分を見るのも嫌なので、実家のグループラインの通知はオフにしている。

話は変わるが、母から娘の誕生日が近いので、プレゼントと一緒に地元のお菓子や特産品が送られてきた。
そのなかに、大きなさつまいもがいくつか入っていて、母のメッセージによると、それはどうやら父がいただいたさつまいもをおすそわけしてくれたらしい。

娘も小学校で芋掘りをして、さつまいもを持って帰ってきていたので、合わせてスイートポテトを作ることに。

父にもお礼を言った方がいいだろうと、実家のグループラインに作ったスイートポテトと、お礼の言葉を送った。

数分後、父からきた返事は「🥵」の絵文字のみ。

初め、「うげっ」と吐いている絵文字が送られてきたのかと思い、嫌な気分になって、私は送った写真とメッセージを送信取消にした。幸い、既読数は1で、父以外読んでいない。
後から読んだ母に、下手に「おいしそうにできてるよ」なんてフォローされたら、恥ずかしさで余計落ち込む。

本当は「いくら親だからって、そんな失礼な反応をされる謂われはない」って、啖呵を切ってグループから退出してしまいたい。

だけど、それは大人気ない気がする。
というのは建前で、ただ面倒臭い。
わざわざファイティングポーズをとって闘うのが。
父と向き合って、本音を言って傷つけたり、傷つけられたりするのが面倒臭いし、怖い。
たぶん、正しくないけれど、直接対決するのではなく、「こういう人だから」という諦めと、同時にちょっと見下すような気持ちで、ずっときつづけてきてしまったように思う。

それに、あった気がする。私のなかの虚栄心。
純粋なお礼の気持ちよりも

「おやつを手作りするいい母」

両親に対してそんな風に自分を見せたくて、送った気がする。

だから、思った反応が返ってこなくて傷ついたのかも。
なんだ。私もとりたかったのか。
しあわせマウント。
よくやってる。そう誉められたかったのか。
あんまり父のこと責められないや。

それに、父が送ってきた謎の絵文字、自分が探して入力してみたら、吐いているんじゃなくて、ベロを出して焦ってる感じの絵であった。

もしかしたら、お芋、私のところに送ってほしくなかったの？
何かまずい事態なの？

ここまで色々考えているうちに、怒りの気持ちは収まった。
だけど、父にその意図を尋ねることも、きっと私はしない。

私も娘たちに「どうせ闘っても面倒臭いだけだし」と諦められる日がくるのだろうか？
それとも、すでに諦められてる？

話し合っても、わかりあえることばかりではないだろう。
親子でも、どうしても理解できない感覚や、相容れない思いもある。
だけど、「ひとまず伝えてみよう」
そう思われる親であれるように、本当に難しいけど、いったん自分を外において、子どもを評価せずに、ただ聞くことができるように心がけようと思う。