性加害を繰り返す性依存の人を治療担当することがあるので、参考にしたくて読んだ。
本書は「子どもへの性加害」と銘打ってはあるが、性加害一般に当てはめて考えることができる部分も多々あった。特に、本人が負うべき責任、被害者と被害者予備軍の権利と本人の権利を天秤にかけたら、被害者の権利のほうが圧倒的に重いのは当たり前だ、という点には深く頷いた。

設定がやや極端だったり、小学生の思考が小学生にしてはやや大人びていたり、という違和感があったものの、そんな違和感を吹き飛ばすくらいに引き込まれる内容で、職場で読んでいるにも関わらず泣きそうになった。素晴らしい小説。

カカクコム、食べログ、クックパッド。どれも聞いたことがあるし、カカクコムはよく使っていたにもかかわらず、穐田さんについてはまったく知らなかった。穐田さんのユーザーファーストという考えを、医療、特に当院の治療に当てはめたらどう活かせるだろうか。そんなことを考えながら読んだ。

ビジネス現場での戦いかたが病院経営にどこまで参考になるか分からないものの、一般的な感覚から解離した病院経営は今後は成り立たないような気もする。というわけで、なるべくこういう本を読書に取り入れる。
内容はまぁまぁだったかな。