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マナーってなに?

なかなかの春の晴天、とっても花粉日和な今日、ちょっとびっくりさせられることがあったので早速note!

ここは大阪の片田舎。天気が良いのでフランスパン片手にコーヒーを青空の下で嗜んでおりました。するとこの渋い色の軽自動車が滑るようにやってきて、ピタッと目の前で止まったんです。ここは地元スーパーの入り口。まるでVIPな誰かを連れてきたかのように、そこに乗りつけたのは70歳代くらいの男性でした。
「寒いんとちゃう?」
颯爽と車から降り立って、満面の笑みで私に話しかけてきました。
大阪で見知らぬ人同士で声を掛け合うのは普通ですが、あまりにも堂々としていたのでこれには私もびっくり。そして何よりもびっくりしたのは、スーパーの入り口に迷いもなく路駐しに来たこと。まるでいつもそうしてるかのように。私がポカンとしていると、気がつけば、その男性はスーッとスーパーの中に消え去っていました。

大阪人はよくマナーが悪いと言われます。確かに私達大阪人は、車に乗ると方向指示器を出さないことも多いし、自転車でも車道の真ん中をふらふら、歩行者としても信号無視を平気でしてしまう。でもなんとなくこの街では、自分ルールを貫きながらも、人と人との間でちゃんと社会性が機能しているような気がするから、私はとても居心地がいい。しかし、点字ブロックを遮っていることに私は冷や冷やしたけれども、目の不自由な人が通れば私が助ければ良いんだし、そんなこと言ったら、欧州の都市なんか凸凹だらけでユニバーサル・デザインなんて皆無。街の特徴と美しさとを引き換えに物理的な不自由をみんなで補い合い、助け合って生きている。

そんなことを考えていると、この男性に対してそう目くじらを立てて怒るべきかどうか、頭の中で永遠とぐるぐる。そもそも英語のMannerとは、日本語でいうところの社会通念上のルールのことではなく、その人個人が装う仕草、物腰、考え方からにじみ出る対応のあり様を指します。大阪人のマナー、そもそもマナーとは、誰がマナーを決めるのか、そしてマナー違反者を誰が咎めるのか、いろいろ考えさせられました。そうこうしていると5分ともしないうちに、渦中の男性はスーパーから出てきて、それも数人の女性と楽しく会話しながら、そして満面の笑みで。この人は少なくともとてもソーシャルで人に好かれる、憎めない初老であることは確かみたいだ。

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