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頭にかぶる本棚!

前からとても気になっていたこの不思議な不思議な本の居場所【スペース】。桜が咲き始めのとある小春日和な1日に、このちょっと変わった異空間を体験するため東京は渋谷へと向かう。あたかも秘密を装う路地裏のバーに並べられた魅惑の酒の瓶みたいに照明が当てられ、配置され、輝きを放つ美しい本の数々は前・後・横に広がる360度。ここは國學院大學内にある「みちのきち」という、なんというか本と自分との社交場、現在と未来が出会い交信する秘密基地のようなところだ。日頃から本のある空間や場づくりに興味があって活動している私としては、このどんぐりの帽子の形をした本棚をかぶってみることにとてもそそられた。

で、かぶってみると、正直なところ中に入った瞬間つい思い出してしまったのは、美容院でパーマしてもらう時のあのちょっと頭よりでかいヘルメットのあれですよ。でもそのあれはもしかして昭和時代に絶滅してしまったのかも?!?!っと笑ってしまいながら。。それでもメット型本棚を頭をぐうぃんと一回転させて見渡す。今度はこの本の宇宙【スペース】をゆーっくり歩いて周回してみる。雑音が遮断されてしまうここでは、なんだか空気まで薄くなる感じさえして、心臓がきゅんとなる。私なら、私が本の宇宙空間を表現するなら、異なる長さの紐で一冊一冊を天井から吊り下げてみたい。降り注ぐ星のように、飛び散る隕石のかけらのように。言葉は想像の宇宙からやってくる。宇宙と言葉の間に本がある。


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