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体調不良で「チェンソーマン」を読みました。

早朝、開店前の古本屋でルソーの「人間不平等起源論」を読んでいると、眠たくなってきました。布団の上では目が覚めてしまうのに、古本屋で難しい本を読むと眠くなる。仕方ないので1時間ほど昼寝?してから古本屋を開店させました。

しかし、なぜか古本屋を開店させた直後から胃腸に不快感を感じ、眩暈が・・・。こうなってくると、なにをやっても集中力が続きません。そこで仕方なく、今日は漫画「チェンソーマン」を読んでこのピンチを乗り越えることにしました。

店主は漫画を速読しないのですが、一気に11冊も読んでしまいました。早く読めた理由は、少ないセリフと派手な格闘シーン、そしてテンポがいいストーリーのおかげです。そしてこの特徴は、そのままこの作品の魅力と感じました。そしてダークファンタジーならではの「説教臭くない感じ」がよかったです。

そこで、この「チェンソーマン」の魅力はどこにあるのかと振り返ると、やはり著者の画力に目が向きます。漫画の絵というのはアニメやパソコンの絵と違って動きません。しかし、この作品の絵は不思議と動いているように見えるのです。段違いの画力を感じました。特にバトルシーンでの表現力は素晴らしく、一コマ一コマに躍動感を感じます。

いずれ漫画も生成AIが描くだろうと巷では噂されていますが、超人的な技能を持った日本の漫画家さんたちには生成AIは勝てない。そう確信しました。それくらい、この「チェンソーマン」の画力は素晴らしいと思いました。

そしてストーリーや伏線の張り方も見事だったのですが、正直言って店主にとってはよくわからない部分もあったので、この辺は偉そうには書けません。

あと、やはりキャラクターが魅力的でしたね。天真爛漫なパワーちゃんや全能感漂うマキマさんは多くの男性に人気があると思いますし、アキくんの誠実さ、主人公のデンジの素直さに母性をくすぐられた女性は少なくないと思います。

また、「チェンソーマン」は今までの他の漫画作品と違い、海外でも人気が高いと聞きます。ググってみると2022年には米国で最も売れた単行本にもなっています。これはいったいどういうことでしょう。

そこで調べてみると、集英社では海外の読者向けに連載漫画を日本と同時進行で配信しているそうです。つまり、ネットで日本と同じように読めるのだとか。しかも無料で。このリアルタイム感が海外で日本の漫画に火をつけたようです。

このような事実から考えると、「日本の漫画は韓国や中国の漫画に敗れる」ということはなさそうです。韓国などのスマホで見る縦スクロールの漫画が主流となり、紙で読むスタイルに特化した日本の漫画はガラパゴス化し駆逐されるということを語っていた人がいましたが、そんなことはなさそうです。

ということは、日本のコンテンツが素晴らしいということがわかれば、小説や他の書籍なども、もっと海外で売れる可能性があると思いました。我々古本屋には関係ありませんが、出版社にはぜひ頑張っていただきたい。店主も体調を回復させて日本文化を底辺で支えられるように頑張ります。

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