見出し画像

9月8日 古城の演奏会

この日訪れたのはヴァランセ宮殿。
Château de Valençay (Google map)

今回はその紹介と、
後半では宮殿で開催されたオーボエ演奏会についてお伝えします。

ヴァランセ宮殿

この宮殿は15世紀にエタンプ•ド•ヴァランセ家により建てられたもの。

現在では1803年にこの宮廷を購入した
シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール(1754 - 1838)
の宮殿として知られています。

タレーランはフランス革命のルイ16世から
ナポレオン、ルイ18世、ルイ•フィリップなどに仕え
聖職者や政治家、外務大臣として活躍した人物。

そのため、
この宮殿にはこれらの人物に関わりのある品が多数残されています。

この投稿の端々に登場する歴史の要人にも注目です!

入館料は通常大人1人13€のところ、
学割で10.50€で入れました。

受付のおば様は私が日本人だと聞くと上機嫌!
お姉さんが日本人と結婚し、横浜在住だそうな。

入場口を抜けると
そこには細やかに整備された庭園が。

深いお堀も備え、それはまるで城塞のよう

宮殿の内側にも庭園が。

宮殿内に入り、いざ施設見学。

エントランスホールでは音声ガイドを配布しています。

対応言語は8言語。
フランス語、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、オランダ語、ロシア語、日本語

ご安心ください。
ちゃんと日本語もありますよ。

でもやっぱり
中国語は無いのに日本語はあるのか、と
少し違和感を感じます。

それだけ日本人観光客が多いということでしょうか。

肖像画と石像の並ぶ廊下を抜けると

音楽室  Salon de Musique

青の部屋 Salon Bleu
(家具が青いからこのネーミング)

この部屋には当時の東洋趣味の流れを汲んでか
日本から持ち込まれたとされる家具も。

手前の2つの筒はHokkai-Bako と呼ばれ、
奥の机はルイ16世の所有だったそう。

大広間  Grand Salon

この部屋にはタレーランが仕えていたナポレオンの胸像が。

階段前には共和政ローマ期(B.C. 509 - 27)の政治家、
ユリウス•カエサルの胸像も

2階に上がる階段にもこの宮殿ならではの特徴が。

内反足で片足に障害を持っていたタレーランは、この階段をリフォーム。
階段の高さを低くし、足を高く上げずに登り降りが出来るようバリアフリーな設計に。

タレーランの所有物の展示

書斎  Cabinet de Travail

寝室の数々。

この時代は「横になって寝るのは死人だけ」という発想があり、
当時の貴族の間では腰掛けて寝るのが主流だったそう。

それゆえにベッドはかなり小さめ。
ベッドというよりソファに近いかな?

ダイニングルーム Salle à Manger

1人にグラスが4つも、、、

地下には巨大なワインセラー

ここは調理場

その隣には配膳室
作った料理を皿に盛るための部屋

以上がヴァランセ宮殿の全容でした。

これが敷地全体の地図ですが、
今回歩いて回ったのは左側の①〜⑨の部分のみ。

この宮殿がどれだけ大きいかわかりますね。

オーボエコンサート

宮殿の広場で行われた演奏会

週末に不定期で開催されています。

今回の演奏会はオーボエアンサンブル。

16:00から、1人6.50€でした。

一口に「オーボエアンサンブル」といっても
現代のオーボエとは違う古楽器を使ったコンサートでした。

具体的には、
・バロックオーボエ 2本
・オーボエ ダモーレ
・フランス式バソン
・パーカッション  の五重奏でした。

では現代楽器と古楽器、
具体的には何が違うのかというと………

右が現代の改良されたオーボエ。
左がバロック時代のオーボエ。

一目瞭然ですね!

バロック時代の楽器の最大の特徴は
音を変える穴を自分の指で塞がなければいけないという点。

この特徴と、その他諸々の理由から
古楽器は音程を合わせるのが非常に難しいと言われています。

今回はオーボエの違いだけを紹介しますが、
オーボエ ダモーレもフランス式バソンも要は同じです。

ではでは
コンサートのお話に戻りましょう。

こちらが演奏者の方々。

そしてプログラムがこちら。

フランス語が読めない皆さんのために
日本語で曲目紹介を致しましょう。

ジャン=バティスト・リュリ
アルミード組曲

ゲオルク•フリードリヒ•ヘンデル
トリオソナタ変ロ長調 HWC380

アンドレ・ダニカン・フィリドール
ジャン=バティスト・リュリ
ジャック・ペジブル

3人の作曲家による行進曲集

ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ
ソナタ Op.34 第6番 イ短調

ヘンリー・パーセル
妖精の女王組曲

コンサートの感想。

バロックオーボエやオーボエ ダモーレはもちろん、
フランス式バソンを生で聞けたのは嬉しかった!

バソンの存在を知ったのは
二ノ宮知子原作漫画の映画版「のだめカンタービレ 最終楽章」(2019)にて。

ドイツ式ファゴットとどれだけ音色が違うのか、
と興味を持っていたけれど、確かに違った。

ファゴットはハッキリとしたハリのある音なのに比べて、
バソンはくぐもった柔らかな、「木」本来の音とでもいうべき静かな響き。

バロックオーボエとオーボエ ダモーレも同様に、
あまり遠くまで響く音ではないけど
現代の改良された楽器より温かみのある優しい音色って感じでした。

パーカッションも、
もちろん曲に合わせてだろうけどシンプルな作りの楽器のみを用いて、
それを色々な技法で演奏することで
1つの楽器から様々な音色を響かせてるのがすごいなぁと感じました。

それと、オーボエ ダモーレを担当していた女性演奏者のLauraさんが個人的にツボだった…笑

バソンのNicolasさんが細かい連譜を必死に演奏してる脇で
休符中のLauraさんがものっすごい笑顔でNicolasさんを見てて
「あぁ、バソンのこのパート、難しいんだな」とか
「練習で苦労したのかな」とか思えたり、

オーボエ ダモーレのソロで
「アレ…?今の……?」って思ったら
案の定、Lauraさんが思いっきり苦笑してて
「あぁ、ミスったんだな…😅」って分かっちゃったり

そんな演者の人間性を感じられるのが生のコンサートの面白みでもあるかなぁ、
と思ったりしました ^^

以上!

広大な敷地の古城見学と
その宮殿でのオーボエ演奏会を楽しめた
優雅な1日でした。

クラシックで心が満たされて大満足!

この1年間でヨーロッパのクラシック演奏会やオペラなど
音楽文化をできるだけたくさん楽しみたいなぁと思います!

では今日はここまで。
また次回!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?