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【ポジティブなラルフはどっち?】マンチェスター・ユナイテッド1-1サウサンプトン

スタメンとフォーメーション

ホームチーム・マンチェスターユナイテッドはここ最近ロナウドが5試合連続ノーゴール等、兎に角点が取れない。
バーンリー戦1点、敗れたFAカップミドルズブラ戦1点、勝ちはしたウェストハム戦は92分の1点。ラングニックが来て以降、複数得点は3試合のみである。
CL争いは上3つは当確、残り1枠を争う様相だ。ウェストハム・アーセナル・トッテナム・少し離れてウルヴスがいる混戦の中、これ以上のポイントロストは許されない試合である。

スタメンはミッドウィークのバーンリー戦から1枚変更の[4-1-2-3]。
カバーニに変わってクリスティアーノ・ロナウドのストライカー同士の変更のみであった。


一方サウサンプトン・通称セインツはボトム10を行ったり来たり。しかしミッドウィークはトッテナム相手に3-2の逆転勝利。80分に同点、82分に逆転と、センセーショナルな試合をし、勢いを持って今日のゲームに挑む。

チームとしても、ラルフ・ハーゼンヒュットルが来て時間は掛かったものの、ポゼッションとプレスの両立が実現できつつあり、ここから調子を上げ、現実的目標の一桁順位フィニッシュ・シーズン勝ち越しを目指したい。
セインツはスタメンは前節から変更なしの[4-4-2]スタート。

なお両指揮官は因縁がある。
2016年、ドイツ2部を昇格に導いたRBライプツィヒSD兼監督だったラングニックは翌年ハーゼンヒュットルをインゴルシュタットから引き抜き指揮を託す。
初年度の16-17シーズン、ティモ・ヴェルナー(現チェルシー)やナビ・ケイタ(現リヴァプール)の飛躍により2位フィニッシュ。ブンデス初昇格→CL出場権と、最高の道を歩んでいたように見えた。

しかし翌シーズンの17-18シーズンはリーグ・カップ・欧州の舞台の3コンペを戦い、6位フィニッシュ。EL出場権は得たものの、前年からは順位を落とす。
そのシーズン開始前より、ハーゼンヒュットルの契約は17-18シーズン末までとなっており、延長か、今季までか、ハーゼンヒュットルはクラブ、いやラングニックの姿勢を待つこととなった。

結果は知っての通り、ハーゼンヒュットルは退任となり、ラングニックは翌18-19シーズン、再度ライプツィヒの監督兼SDとしてチームを指揮することになった。
そして時を経て21-22シーズン、21年12月よりRBと袂を分かち、マンチェスターにやって来たラングニック。18年12月にセインツに途中就任し、3年目を積み重ねたハーゼンヒュットル。試合前、笑顔で握手、談笑をしていた両指揮官だが、ハーゼンヒュットルの心は間違いなく燃えていたであろう。

スタメンとフォーメーション。

活きるポグバ、必要だった早急な処置

試合開始、ユナイテッドは[4-1-2-3]スタートとなった。事前の予想だと、リーグ公式も4-2-3-1予想だったのでここは事前と違う形になっていた。
マクトミネイがアンカーに入り、IHに左ポグバ・右Bフェルナンデスというトライアングルを形成した。セインツは予想通りの[4-4-2]でのスタートだったので、やりやすさという意味ではユナイテッドの方が気持ち優位には入れただろう。

ユナイテッドはまずポグバを起点にゲームを切り開いていく。4-4-2のセインツのハイプレス・密集の中で、相手中盤のライン間からポグバが受け、3,4,6分と3回チャンスを作っていった。

3分は密集の中からウォードプラウズ・ロメウと交わし、右で空いたBフェルナンデスへ。そこから大外のラッシュフォードがクロスを送るも合わず。

4分は体幹の強さから、右SBのウォーカー=ピーターズを押しのけ、その出てきたスペースに走り込んだサンチョへ。サンチョからのパスはロメウがカット。

6分は決定機。ゴールキックから嵌めにきたセインツをショー→ポグバ→またサンチョ。この後ロナウドまで繋がり、GKフォースターも超えたが、最後の最後でセインツの左SBぺロウがクリアした。
前2枚が2CBへ行く、マグワイアからショーに渡ったタイミングで、アームストロングがショーを徹底して潰すということもないため、ハイプレスを仕掛けるも、ここを越えられるシーン前半序盤多く目立った。
マクトミネイが展開サイドで来る分ウォードプラウズは、目の前のマクトミネイに行くのか、はたまた背後のポグバを最前線と間延びする形になっても監視をするのか。4-4-2のセインツは、立て続けに相手の裏抜けを喰らい、早急な対処が必要となった。

6分のチャンスシーン。ウォードプラウズは前2枚のCBへのプレスの後のマクトミネイ・ポグバ両方の監視に苦労する展開が続いた。

失点も、ポジティブな変更

ユナイテッドの攻勢が続く中、セインツは10分にプレーが切れたのを機に、システムを[5-3-2]に変更する。中盤センターのロメウがCBの間に下がり、3CBにし、ウォードプラウズがアンカー、ウイングポジションにいたアームストロング・エルユヌシが中に入った。

10分からのセインツの5-3-2。

セインツは重心を下げ気味にしたことにより、ハイプレスの様式が減ったものの、ゲームは落ち着きを見せ、問題であった相手IH(特にポグバ)の箇所も、中に入ったアームストロング・エルユヌシが形を合わせマークに付いたことにより、打開されることも減っていった。
ユナイテッドはユナイテッドで相手のウイングが削れ外が空いたことで両SBの前進が可能になっていった。(16分~)

20分ユナイテッドに先制点が生まれる。右SBダロットからBフェルナンデス、素晴らしいスルーパスからぺロウ・サイスの裏を取ったラッシュフォードのクロスから、サンチョが合わせ、ユナイテッドが先制した。

セインツは失点後も5-3-2で進めていたが、WBの押し上げが物足りず、中々ゴールに迫る展開が少なく前半中盤はゲームが進んでいった。
セインツは32分のエルユヌシの負傷によるインターバルから再びシステムを[4-4-2]に戻した。それぞれのポジション自体に変更はなかったものの、両ウイングのアームストロング・エルユヌシは絞り、ハーフスペースに位置取りを行う形に。
SBのウォーカー=ピーターズ・ぺロウが押し上がり大外レーンはSB、ハーフスペースにWG+ロメウ・ウォードプラウズで三角形を作り、ユナイテッドゴール前に攻め上がる形を作り、前半を終えた。(42分)

前半はビハインドで終えたものの、システムの変更により、10分までの不安定さからポジティブな形で前半を終了した。一方ユナイテッドは前半序盤こそ、個々がボール奪取できていたものの、前半終了間際からはミドルプレスの緩さから押し込まれる展開が続いた。

セインツの進行・ユナイテッドのアンバランス

ユナイテッドは後半の立ち上がりからBフェルナンデスが飛び出しプレスを掛けにいく。これにより全員が同じくして矢印を前に向けプレスを掛けに行った。

しかしそのハイプレスは後半開始すぐに崩される。
47分、GKフォースターのプレス回避から、ロメウからぺロウへ。ハーフスペースに位置取ったエルユヌシから、ぺロウがダロットをピン止めして空いたダロットのスペースからアダムスが抜け出し最後はゴールへ流し込んだ。

47分セインツのゴールシーン。ロメウ→ぺロウ→エルユヌシ→アダムスと綺麗な連携でゴールに結びつけた。

ユナイテッドは後半立ち上がりの失点から守備のバランスを崩す。
失点以降も前への突っ込みが止まらず、51分はマグワイアまでもが突っ込んでいき、ウォーカー=ピーターズが剥がしたところから最後はアームストロング。
53分はポグバのボールロストからブロヤが運び最後はミドルシュートも、でヘアが片手一本でセーブした。
その後も64分・67分とセインツのチャンス。ポグバ・ブルーノの突っ込みすぎ、マクトミネイもCBを留守にするケースが多く、中盤の三角形は完全にアンバランスな形となっていった。

ユナイテッドは75分、マクトミネイ→エランガにより、ポグバ・Bフェルナンデスをアンカーの位置に配置した[4-4-2]に変更した。中央の人間が減ったことでボールは外回りになっていった。
セインツはセインツで、70分のエルユヌシの交代による攻撃の停滞、また終盤にかけて足が重くなったのは顕著であり、70分以降ゴール前に迫る機会は減っていった。
互いにファールも増えていき、91分マグワイアがショーのFKに合わせるも、フォースターの好セーブに阻まれ試合終了。1-1のドローとなった。

感想

ユナイテッドはまたしても1点のみ。ゴール期待値「xG」は2.89だったらしいが、ほんとか?という感じであった。シュート数はほぼ同じだったセインツが0.65というのは不思議である。

セインツの3-5-2に変え守備の安定をもたらし、変更後の4-4-2の攻撃にもポジティブな面をもたらしたハーゼンヒュットルは流石の一言。
勝ち点3が欲しい展開ではあったものの、オールドトラフォードでの1は全くネガティブな内容ではないはず。

一方ラングニック・ユナイテッドは4-1-2-3での立ち上がり、ポグバからの崩しは間違いなく序盤、セインツよりアドバンテージを取っていた。以降相手のシステム変更から完全にその優位性が失われていった感。
CLは近づいている。中盤の守備のアンバランスさは間違いなく早急な改善が必要だろう。


最後に
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