マガジンのカバー画像

加速主義

237
運営しているクリエイター

#尊厳死

『安楽死を遂げた日本人』もようやく読み終わった

『安楽死を遂げた日本人』もようやく読み終わった

先日の記事の続き。

『安楽死を遂げるまで』の出版後、安楽死を希望する日本人女性から連絡を受ける著者、、、という感じで始まるのが続編の『安楽死を遂げた日本人』である。

小島ミナは長く多系統萎縮症という不治の病を患う女性である。徐々に全身の神経が変性していき、できることがどんどん無くなっていくという想像するだけで胸がとても苦しくなる病気である。

タイトルのとおり、小島は最終的にスイスで安楽死(正

もっとみる
宮下洋一『安楽死を遂げるまで』やっと読んだ

宮下洋一『安楽死を遂げるまで』やっと読んだ

先日(といっても1ヶ月いじょうたってしまったが)ふれた宮下洋一さんの安楽死の本をようやく読んだ。

安楽死・自殺幇助・尊厳死が法的に認められている国々を実際に取材した労作である。

まずスイスの著名な医師エリカ・プライシッグの活動の密着取材である。非常に生々しい描写であるが、プライシッグにとってはもはや日常であることがわかる。それについては余裕のある方はこちらの書籍を参考にされたし。

スイスでは

もっとみる
積極的安楽死を行うスイス人医師Erika Preisig著『Dad, You Are Allowed to Die』読んだ

積極的安楽死を行うスイス人医師Erika Preisig著『Dad, You Are Allowed to Die』読んだ

少し前に触れた安楽死についての本を読んだ。

著者の本職は家庭医であり、それとは別に自殺幇助も医師として行っている。自殺幇助という訳し方があっているかどうかはわからない。本書の副題では、Voluntary Assisted Suicideという表現が使われているし、またphysician assisted suicide(PAS)という言葉が彼女の行為にたいして一番使われている。他にはself-d

もっとみる
安楽死はなぜ受け入れがたいのか

安楽死はなぜ受け入れがたいのか

私は安楽死賛成派であるけど、それを法制化するとなると難しいことは理解している。お気持ちの問題は避けて通れないからだ。

自分の身体のお世話をできなくなったりぼけてしまったらもう生きていたくないし、自分の知ってる人間でもそういう人は多い。右であれ左であれ、戦後民主主義教育を内面化している人々だから、身体の自己決定権にそれなりにこだわりがあるようだ。しかし殺人と紙一重の積極的安楽死や自殺幇助はお命至上

もっとみる
安楽死のお勉強はじめました

安楽死のお勉強はじめました

先日のニー仏さんと沼田和也(ぐう聖)先生のツイキャスで安楽死が話題になっていた。

主たるテーマはマジョリティや強者の責務とはなにかみたいな話だったけど、どうしてかそういう方向に一瞬脱線していたのをたまたま聞いていたというわけである。

今年になって安楽死、尊厳死についてなんとなく考えることが多くなっていたので興味深く聴かせていただいた。そこでお二人が紹介されていた宮下洋一氏の著作のお試し版がある

もっとみる