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定年後 562 日目 FILM FESTIVAL参加作品を作ってみた (MAGNET FILM FESTIVAL 2023)

参加しているオンラインサロンMAGNETで 10 月 28 日に「 MAGNET FILM FESTIVAL 2023 」というイベントが開かれる。

「 Happy な発見 」というテーマの映像作品コンテスト。尺は 2 分以内。参加資格は MAGNET のメンバーであること。ちなみにメンバーは 200 人ほど。

MAGNET のメンバーには映像制作を仕事にしている方が多く、作られる映像もプロクォリティ。
私の動画などとは別世界のイベントになるのはわかっているのだけど、日頃からお世話になってばかりだし、参加総数の数字をひとつ増やすぐらいの貢献ならできるかと思いエントリーしてみることにした。

オシャレな映像は無理なので、せめてみなさんとは違う世界観の作品を作ってみようとアレコレ考えた。

で、思いついたのが 40 年前に動画撮影を始めたころ使っていた 8mm フィルムの編集を再現した動画。

当時、編集機材や映写機など一通りのものを持っていたが、大半は処分してしまっていた。
それでも何か残っていないかと探してみると、押し入れ深くにエディターやスプライサーを発見。未整理の 8mm フィルムもいろいろ出てきた。
いじってみると使えそうだったので、バラせるところはバラして汚れを落としたりレンズや反射鏡を磨いたりした。

Single8 エディターをバラしてみる
60 年経っても完動するのがスゴイ

これらを使って 8mm フィルムの編集過程を映像作品にすれば、画角もフォーカスもホワイトバランスもライティングも編集もその他もろもろ含めてシロウト丸出しでも、20〜40 代が中心のサロンとしては存在意義がある動画になるハズ、たぶん。

フィルムの編集作業はそれほど難しいものではないので、サロンの若い人に演者をお願いするもの面白いと思ったが、事前に練習をする時間は取れそうになかったし、手慣れた雰囲気を出したかったので経験者にお願いするほうがいいと判断した。

そこで 30 年ほど前まで一緒に自主映画を作っていた旧友に頼んでみたら、快諾してくれた。さらに彼も機材をいくつか保管しているので、それも貸してくれるとのこと。

今回は簡潔なカット割りでありながら、情報が正確に伝わる必要があったので、マジメに絵コンテを書いた。

手書きの絵コンテから卒業できないw

カットごとの意味とイメージをあらかじめ演者に理解しておいてもらうことが重要なので、絵コンテにカット割りと同等のアングルで撮影した写真も貼りつけて、出演してくれる友人に送って予習をお願いした。

手書きの絵コンテをスキャナで取り込んで写真を貼った

撮影はサロンのメンバーが運営しているスタジオ「COLORS Dance Studio」を借りた。

(画像:COLORS HPより)

格安な上に、照明機材の貸出しがあり使い方なども教えてくれる。
当日の撮影イメージを伝えて、暗幕と照明を 1 セット使わせてもらえるようにお願いした。

スタジオに伝えたメモ

スタジオを撮影用に借りることができるのは平日の午前中 3 時間だけ。
2 分の動画だが想定するカット数を考えると時間的にタイトなのは明らか。そこでカットごとの使用レンズや被写体との距離をシミュレートして、当日参考にできるように絵コンテに書き込んだ。

使用レンズ、撮影距離、カメラアングルなどをまとめた

たぶん設置に 30 分、撤収に 30 分ぐらいはかかるので、正味の撮影時間は 2 時間。いままで経験したことのないスピードで撮影しないと撮り切れない感じ。
撮影を効率的に行うために、同じようなカメラセッティングをまとめて撮影する順番を整理したリストも作った。

似たカメラセッティングで続けて撮影するように順番を決めた

いよいよ撮影当日。
途中で演者さんをピックアップして予定通りスタジオに到着。
撮影リストに従って撮影開始。

これまでは Vlog 的な撮影を行き当たりばったりしていたので気楽なものだったが、今回はワンカットワンカットが意味のある必要なものなので、失敗ができないと思うとシロウトなりに緊張した。

余裕がなく唯一の記録写真

かなり集中して撮影したが、やはり 2 時間では撮り切ることはできなかった。再撮影の段取りをお願いして撤収した。

帰宅後、撮影できたカットだけで粗編集をしてみると、カットをだいぶ取捨選択しないと 2 分には収まりそうもないことがわかった。
また、絵コンテのとおりに並べてみたものの、変えたほうがいいところも色々と見えてきた。2 回目の撮影でそれらを補うこともできるので、結果的に撮影が 2 回になって助かった。

最近は V コン(ビデオコンテ)といって、動画でコンテを作ったりするらしい。一度、ミュージックビデオの V コンを見せてもらったことがあるが、特に時間のとり方を完成版に近い形で確認することができる。
手軽に撮影・スキャン・編集ができるからこそのことで、改めてすごい時代になったなと思う。

数日後、再度撮影を行い無事にクランクアップした。
欠けていた部分にカットをつなぎ合わせ、修正を繰り返して Ver.4 で完成。なんとか期限内に提出した。

フィルムの編集は、該当するロールから必要な部分を探し出して、切りとる作業から始まる。切り取られたフィルム片は大量になるので、ドラフティングテープで整理番号を付けて洗濯物を干すように部屋に張った紐にぶら下げていったりする。

作品「Happyな編集」より

OK カットが揃ったら時間軸の順番にフィルムを突き合わせて透明なテープで表裏を貼りつけていく。もちろん単純につなぎ合わせるだけでエフェクトなどをかけることはできない。

作品「Happyな編集」より

それでも PC 上のノンリニア編集に比べると膨大な時間と労力を必要とする作業で、今どきの人たちにそれがうまく伝わるといいなと思った。

最初から気になっていたのだけど、この作品はどこにも「 Happy 」な要素がない。で、タイトルを無理やり「 Happy な編集」にしてみた。

素朴なタイトル画面。昭和な雰囲気が出ているでしょうかw

イベントは10月28日の夕方、山梨笛吹川フルーツ公園の屋外ステージで行われる。200インチのスクリーンに上映され、優秀な作品には賞も出るという。

屋外ステージ (画像:笛吹川フルーツ公園 HP より)

審査員はMAGNET主宰のだいげんさんと、Youtuberのエムスタさん、ちーすたじおさん。
スポンサーはタムロン、富士フィルムイメージングシステムズ、PGYTECH。

写真は過去の上映会 (画像:X(旧Twitter)より)

応募多数の場合は選ばれた作品だけが上映されるらしい。
さて、はたして上映されるかな。
ちなみに作品はこちら

MAGNET FILM FESTIVAL 参加作品




2023 / 10 / 14




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