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#6 植物の進化と花の誕生③


#6 植物の進化と花の誕生③

前回は、植物にとっての種の発明と、マツやスギなどの裸子植物の戦略をお話しました。

しかし植物はこれに満足せず、さらに考えます。「もっと効率よく、短期間で種を作るにはどうしたらいいか」と。

例えば、スギの花が咲く季節、つまりスギ花粉の季節は早春ですが、種が完成する季節は12月です。交配してから受精して種ができるまで、とても時間がかかります。せっかく大量の花粉を飛ばしたのに、種ができる前に木が切り倒されてしまったら元も子もありません。

この時間の問題を解決するために生み出されたのが"被子植物"というグループです。彼らは、種のもとになる"胚珠"という部分をゆりかごの中であらかじめ育てておき、花粉と出会ったらすぐに受精して種を作れるような仕組みを作りました。

こうして植物は、格段に短い期間で種を作り、環境の変化に適応してさらにテリトリーを拡大できるようになりました。

世代交代のサイクルが早くなると、その分進化のスピードは早くなります。植物間の生存競争も激しくなります。花粉を運ぶため、虫などの他の生物を利用する植物も現れました。他と区別されてより目立つように、また、大切な雄しべや雌しべを守るために作られたのが花びら(花弁)でした。

地球上で最初に生まれた花弁のある花は、大きさ1cmほどの白いモクレンのような形だったそうです※。様々な植物が様々に試行錯誤し、それぞれの生存に適した花の形を進化させていきました。

そういう進化の産物である花を、私たち人間は今も身近に見ることができます。

次回もよろしくお願いいたします。

#キングプロテア
#Protea cynaroides

※参考
The ancestral flower of angiosperms and its early diversification
https://www.nature.com/articles/ncomms16047

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