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新興国株投資について、現時点の考えをまとめてみる

新興国株への投資の難易度が、現在爆上がり中です。
しかし、色んなリスクがある投資、というのは、長期で見ると報われる可能性が高いことも事実。
今のところ、日本株、先進国株、新興国株の3種類にざっくり分けると、一番PERが低いのは新興国株になります。
新興国株への投資法としては、単純にスリムシリーズの「新興国インデックスファンド」を買い持ちすれば、なんだかんだでそれなりにリターンがあると思うので、とりあえずはこれが第一候補でしょう。
しかし、やっぱり中国も入っているし、台湾、韓国も入っているので、チャイナで終わっちゃいなになってしまう可能性もあります。
仮にそうなっても、インドやアセアンなど、他の部分が伸びてくるだろうから、案外そこまで問題がないのかもしれません。
これが「まとめ買い」の強さですね。
これで終わっちゃうとあれなので、とりあえず「新興国でも何かいい投資先はないか?」ということで、いくつかの候補を考えてみました。

1.インド

まず真っ先に名前が上がりますよね。
その優良性は、民主主義国である、人口ボーナス、内需主導型、などなど、ここで改めて言うまでもないことでしょう。
問題は、現時点でPERが20倍を超えており、すでに上記のポジティブ要素を織り込んでいる状況だと考えるべきでしょう。
周辺国とも仲が悪く、パキスタン、バングラディシュ、中国など、近隣諸国全部敵対してるんじゃないのかレベルです。
ロシアがウクライナに侵攻しましたが、同じような事をインドがやらかさない、とは到底言い切れません。
とはいえ、それはまだまだ先のリスクでしょう。
狙い目としては、バブル化する可能性に賭けて、ワンチャン狙ってもいいかな、とみております。

2.ベトナム

22年に暴落し、かなり割安に。
PER的にもちょうど投資しやすいし、経済成長率も申し分ありません。
ただし、中国と同じ共産主義なので、共産主義のリスクも考えないといけません。ここの政治だけは、外国なのでいきなり新しい制度ができたりするので、油断できないですね。
ここも人口ボーナスと、安い労働力を狙った外国企業の投資が加速しています。
また、ここは新興国ではなく、フロンティア市場という、さらに一個下のマーケットになります。
ベトナムが新興国に格上げされれば、それだけで新興国インデックスによる買い支えもあるので、株価のさらなる上昇を狙いやすいでしょう。
やはり割安であることを考えると、個人的にはベトナム株がいいのではないか、と思います。
共産主義は気になるところですが、中国も共産主義体制のまま発展していったことを考えると、そこまで懸念しなくていいのかもしれません。とはいえ、リスクを把握しておく必要があるため、「ベトナムの政治体制」は要チェック事項として、調査をしていきたいと思います。
ちなみに22年に暴落しましたが、原因は不動産市況のようです。中国や韓国、そして米国も不動産市況が崩壊しかかっており、今度はコロナショックからの疑似ハイテクバブル、そして最後は不動産バブルの崩壊、という、00年の二つのバブルと崩壊を、早回しで見せられているかのようですね。
ベトナムの不動産市況についても、足元は落ち着きが見られるようです。もし、これ以上酷くならないなら、投資時期としてはちょうどいいと思います。
不動産は、中国だと政府しか所有できないなど規制もありますし、政治や税金ともかかわりが深いので、調査事項として「不動産の制度や財産所有権の法整備」も追加しておきます。
また、通貨ですが、ベトナムドンという通貨が使われています。これはドルペッグ制なので、今から日本円で投資すると、円高になったときの影響が大きくなります。為替の影響が大きいのは、外国株に投資する時のデメリットの一つですね。
ただ、米ドルに連動するなら、米ドルだけ見ていればいいので、他の新興国通貨よりは、分かりやすいのではないか、という気もします。
ただ、このドルペッグ制は、かつて東南アジアで多くの国が採用しておりましたが、90年代末期のアジア通貨危機で崩壊していきました。理由としては、「米国の金融政策の影響が強すぎて、その国独自の金融政策を取れなくなるから」ということでした。
なので、「ドルペッグ制だから、米ドルが担保になって安心!」というわけでは全くない、というところは注意が必要ですね。
また、ベトナムに投資する手法の問題があります。
これは前にも記事にしたので、そちらを読んでいただくとして・・・
現実的には、ほぼ投資信託を買うしかないのですが、今のところ、一番安いベトナム株投信は「大和ーベトナム株ファンド」です。しかし、これでも信託報酬1.8%程度ですね。さらに償還日が26年5月22日となっています。
償還日に関しては、延長される可能性が高いとみておりますが、確定していないことを期待しすぎるのも禁物であり、ちゃんと償還期限が延長されたことを確認してから買い始めてもいいでしょう。
リスクを考えれば、ベトナム株もそこまで必勝できる投資対象でもないと思うので、焦る必要はないと考えます。
ちなみに、ベトナム株のPERは10倍程度で、成長率を考えれば、長期で見ると勝率はかなり高いと考えています。
信託報酬の高い投信でも、一気に伸びるところを取れれば、全く問題ないと思います。投機にはなりますが、そんなものは新興国の個別国に投資する時点で覚悟してください(笑)
投資対象としては、インドより期待しており、チャンスがあれば優先して投資していきたいですね。

3.ヨーロッパ

欧州=先進国、というのは日本人のイメージですが、欧州にも中央や東の方だと、新興国が多いです。ロシアなんかそうですよね。(ロシアがヨーロッパかどうかはさておき・・・)
ここで注目しているのは、「カレラ中欧株式ファンド」で投資する、ポーランド、チェコ、ハンガリーの3か国ですね。
ポーランドPER6.2倍、ハンガリーPER5倍、チェコPER7.3倍。
ハンガリーは少子化対策が強烈だということで、一部でニュースになっていたります。
東欧の国で、民主主義国家であり、周囲もドイツやフランスが近く、EU圏内ということで、恩恵を受けられれば強いですね。
まず、新興国株投資と言ったときに、だいたいの人がアジア地域を思い浮かべるし、なんなら真っ先にインドが思い浮かぶでしょう。次に中国、東南アジアでしょう。東ヨーロッパ、というのは誰も想像しない。
ここが最大の長所だと思っています。
PERもあり得ないほど低いし、ウクライナ戦争があるとはいえ、戦争の直接の被害国ではありません。
朝鮮戦争で日本が後背地として恩恵を受けたのと同じように、これらの国も戦争による直接の被害がこの後も無ければ、朝鮮戦争時の日本のように、恩恵を被るかもしれません。
ウクライナ戦争がいつ終結するのかについては、当然予言者でもないので分かりませんが、「いつか終わる」ということは確実に言えるでしょう。まさか100年戦争みたいに続くとは到底思えないので、今のところは長くて5年以内、早ければ今年か来年あたりを想定しています。
日露戦争や日清戦争は、おおよそ2年くらいで終わっています。
もちろん、アフガン紛争のように10年続く場合もありますが、規模的にはアフガンを遥かに超えており、10年というのは非現実的だと思われます。
もちろん、遥かに大規模な戦争が、もっと長期間、継続して行われた例もありますが、今のロシアの国力と軍事力で、そこまで支え切れるかどうかは、非常に疑問があります。
とはいえ、早期に終わることを想定しているわけではなく、あくまで幅を持って対応したい、ということです。
どういう形での決着になるのかも分かりませんが、ウクライナが国家として残るのはほぼ確実だし、終戦後のウクライナはEUかNATOへの加盟を果たすのも、可能性として高いと思います。
となると、EU諸国で地理的に近いポーランドは、ウクライナの復興において重要なポジションを占めると思います。
ちなみに、「カレラ中欧ファンド」の中身ですが、ポーランドの会社が6割と多いです。しかし、具体的な会社になると、石油や電力や銅の生産など、ちょっと産業としては一次産品ばかりで、弱いかな、と思っています。やはり、PERが低いのには、それなりの理由があるんですね・・・
ただ、一部に製薬企業や保険企業、生活必需品・小売りも入っており、資源一辺倒でもないです。
さらに、先のウクライナ復興需要があるなら、先の一次産品企業も、それなりにおこぼれがある可能性も高いと思います。
業種別でみると、銀行業が27%と多く、銀行を通じて色んな会社にお金を貸しているだろうから、復興需要を取りこぼすようなことはないだろう、とみております。当然、他の産業分野にも、銀行を通じて投資できることにもなります。
ちなみに投信のコストは1.5%程度と、そこまで高くないですが、売るときに0.3%程度の手数料がかかるので、インデックスファンドと比べるとコストが気になる水準ではあります。
また、銘柄数が16銘柄と、個人のポートフォリオかな?と思うくらいに少ないこと、ファンドの資産額も6億円に満たないことから、ファンド自体が早期償還するという、投資家からは受け入れられないリスクもあります。
あまり過信して投資してしまうのは、さすがにリスクが高いと思いますが、少額である程度なら可能かもしれません。
ちなみにパフォーマンスですが、今のところ良好で、特に直近は急上昇しております。
通貨、政治体制、人口動態など、調べるべき点はまだありますが、とりあえずダークホースとして候補に入れておきたい、と個人的に思いました。

最終的には、インドは新興国株インデックスにかなりの割合入っているので、新興国への昇格狙いもできるベトナムが本命で、あとはダークホースで東欧かな、というのが、現時点の個人的見解です。
これはあくまで「新興国株投資におけるサテライト投資枠」であって、別にもっと優位性のある日本の個別株があるなら、そっちでもいいわけです。とらわれる必要性はありません。
というか、目利きができるなら、日本の個別株が一番いいと思います。税金面でも有利で、個別株の値動きに乗ずることもできますし、為替も考えなくていいですし。
これからは、先に挙げた調査事項についてもう一度調べてみて、投資対象として適格かどうか、判断していきたいと思っています。

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