ぼうぼう日誌

荒れ果てたぼうぼうの庭をDIYで再生していく過程の日誌です。

ぼうぼう日誌

荒れ果てたぼうぼうの庭をDIYで再生していく過程の日誌です。

最近の記事

ぼうぼうの庭/定期写真記録12月

 お久しぶりです。ぼうぼうの庭を写真で振り返る定期通信、12月です。 暖冬とはいえ時折寒さの厳しい日があり、雨も少ないので枯れるものも増えてきた季節。今月の庭の様子を写真多めでお届けします。  まずは鉢とプランターなのですが、しばらく前に食べた柑橘類の種を適当に撒いておいたものが発芽し、葉っぱを茂らせました。割と多く芽が出たので間引いて入れ物を分けたりしています。なんの果実だったかは正直忘れました。  柑橘系には貝でしょ。ということで出土したシジミか何かをおひとつ添えて。

    • ぼうぼうの庭/定期写真記録

      タイトル画像は庭ではなく、近所で撮影。昆虫の飛んでいる姿がきれいでした。 今日は最近の庭の様子をサラッと写真で記録していきます。文は少なめ。 夏に挿木から地植えに変えた無花果の苗。なんとか無事に根付いたようです。実がなるまでの期間を想像する楽しみ。 柚子は今年は豊作。もうこんなに黄色く(11月頭に撮影)柚子ジャムとゆずぽんを作る予定。柚子ジャムは喉が痛い時に湯に溶かして飲むと結構楽になるし、冬は温まって美味しい。 かつて救出した植木鉢も元気なものと枯れたものがあります。

      • 第十五話『強いものは強い』

        前回までのあらすじ  紫陽花が咲き誇り、ノラ猫が燕の巣を落とした。 『強いものは強い』  十月の中旬、久しぶりにぼうぼうの庭のことを書く。真夏は体調のこともあり、書くようなことが浮かぶほど手入れもしていなかった。ほんの束の間、草を抜いたり、水やりをする程度。酷暑の中、とてもカメラで何かを写そうとも思えず、蚊の襲撃に早々に退散するだけだった。  十月に入り、数ヶ月ぶりにカメラを持って庭を歩いた。紫陽花が枯れ、花に残っている麻色の繊維が美しい。  当初根本で切り取られ、

        • 第十四話 『さよなら漆喰のお家』

          前回までのあらすじ  豪雨の後でGWにぼうぼうの庭で草刈りをする。紫陽花があちらこちらで開花の準備。燕が駐車場で巣を作る。 『さよなら漆喰のお家』  湿気の中を一人海岸まで出た。日曜日。空はまだ明るいけれど日没も過ぎたし、時折霧のような薄い雨が降るためか人はいない。きっと昼間の早い時間のバーベキュー。名残が人気のない岩がちな海岸に漂っている。無人の浜を歩くと、ところどころに数時間前まで人が活動していた気配がある。残り香だけの誰もいない海辺は、影を置き去りにした人間がいる

        ぼうぼうの庭/定期写真記録12月

          第十三話『未明の豪雨』

          前回までのあらすじ 朝夕に美しい薄紫を見せる花韮が満開。放置されていた蘭も開花し春の真っ只中を感じる。 第十三話『未明の豪雨』  閉じた瞼の向こうで、太い雨音が目を覚ますほど低音を響かせている。水滴の無限と大地を叩くドラム。  昨日はゴールデンウィークの最終日。特に用事もないが七時に起床しカップにコーヒーを注いで庭へ出た。雲の広がるぼうぼうの庭は薄寒く、頻繁にカップを口へ運びながらぷらぷらと庭を見てまわった。  新芽が芽吹き、抜いたはずの草がまた増えている。空いた片手

          第十三話『未明の豪雨』

          第十二話 『しらせ』

          前回までのあらすじ 二月、早く咲いた水仙は枯れながら香気を放ち冷気にメラレウカが弱っていた。蕗の薹を収穫し食した。 第十二話 『しらせ』  長袖や半袖、コートやマフラーが入れ替わり立ち替わりに出入りし、都心のターミナルように慌ただしい春。ぼうぼうの庭にも開花の季節が訪れていた。  自分で植えたわけではないものが多い故に、芽を出しただけではどなたか存じ上げなかった植物があちらこちらで花を咲かせる。ああ君でしたかというものもあれば、いまだに見知らぬ方々もある。  かつて草

          第十二話 『しらせ』

          第十一話 『風の強い日に』

          前回までのあらすじ十二月の終わりに海岸で拾った真っ黒な流木を庭へ植える。隅に生えている葉蘭を一部掘り起こして株分けし、鉢で増やせるか実験した。 第十一話 『風の強い日に』  素早く過ぎていった一月の後を隠れて並走していたように二月がやってきた。その初日に庭を訪れた。日のあたる午後は暖かく、南風が吹いていた。水やりなどをしながら庭を回っていると蕗の薹が生えていることに気がついた。しゃがみ込んで草を分けてみるといくつもある。ポコポコと膨らんだ蕾が様々な大きさで春を告げている。

          第十一話 『風の強い日に』

          第十話『My small Dungeness』

          前回までのあらすじ  12月初頭、庭を訪れる。正面の奥に濃い紅色の花がいくつも開花している。芙蓉(フヨウ)学名はハイビスカス・ミュータブルというらしい。最初の水仙も咲いていた。 第十話『My small Dungesess』    ぼうぼうの庭にマイ・スモール・ダンジネスを作る。ダンジネスとはイギリス南東部にある土地で、砂ころの海岸と原子力発電所と自然公園が融合している。そして、『BLUE』という映画でも知られるデレク・ジャーマンが庭を作った場所。彼が近所の海岸へ足を運

          第十話『My small Dungeness』

          第九話『のびてく』

          前回までのあらすじ  入り口付近が寂しいのでコルディリネを購入して植え、手前にはローズマリーを挿木。まだ他人行儀でのっぺりしているが、少しづつ庭が取り戻されていく。 第九話『のびてく』  日向の電線で暇そうにカラスの鳴く12月初頭、庭を訪れる。正面の奥に濃い紅色の花がいくつも開花しているのが目に入った。調べれば芙蓉(フヨウ)というらしい。夏から十月ごろに開花するとあり、立葵や木槿と混同しそうだが、上へ立ち上がった雌しべと葉で判断できた。    芙蓉は学名をHibisc

          第九話『のびてく』

          第八話 本日の作業

          前回までのあらすじ  片付けと草刈りを並行して進める。使い回しの効きそうな鉢へ移植したり、植物を購入して色を挿し新しい一画を増やしていく。 第八話『本日の作業』  入り口付近に何かはっきりとした印象を植えたいと思い、園芸コーナーに寄る。あるお庭で見た植物を探す。そのお庭では日陰に白い紫陽花と共に植えられ美しい一画を成していた。赤紫と焦茶の混ざった鋭い葉は存在感があり、小林稔侍ばりにそれ一つで雰囲気を作ってくれそうなのだ。小さいものは七百円ほどで売っていたが、入り口は早目

          第八話 本日の作業

          第七話 植える増える

          前回までのあらすじ  生き残っていた鉢を植え替えたり、地植えにし直したりして庭に雰囲気を拵える。ありものではもの足らないので園芸店へ行き植木を購入しようと考える。 第七話 『植える増える』  寒さと気の抜けた暖かさが交互に訪れる11月の初頭に園芸店をぶらついた。うまくいけば一年中美しい緑の葉を揺らすメラレウカを見つけ、二鉢購入(498円x2)。それと、黒い切長の葉が印象的な黒龍も二鉢。何かハーブを買おうかと思ったが、気に入ったものが見つからなかったので、下仁田ネギを購入

          第七話 植える増える

          第六話 救出もしつつ

          前回までのあらすじ  ただならぬ数の散乱している鉢を片付ける。中には土だけになったものや枯れ枝が残ったものなど状態は様々であった。 第六話 『救出もしつつ』  鉢を片付けていると、半ば枯れているもののまだ生きている植木があり、水や栄養があまりいらない品種なのか逆にぼうぼうに増えている鉢もあった。それらを救出を兼ねて入れ替えたり、地植えにしたりしながら片付けていく。サボテン、多肉植物、蘭の一種、果実の苗木、種類の分からない球根など多種多様に出土する。  まだ整ってはいな

          第六話 救出もしつつ

          第五話 ハチダラケ

            前回までのあらすじ  ぼうぼうに草の生え始めた夏の庭を片付けながら、庭再生の日誌を書くことを決めた。タイトルはぼうぼう庭日誌。 第五話『ハチダラケ』  この日誌をつけ始める前に、所々の草刈りは既に初めている。その作業の中で気がついたのはタイトルにある「ハチダラケ」ということ。ハチといっても蜂ではない。鉢である。叔母は次々と鉢の植物を購入しては植え、また放置して枯らせもしたのだろう。尋常ではない鉢が庭の至る所に転がっている。業者が塀に寄せ集めたもの以外にも草むらの中

          第五話 ハチダラケ

          第四話 もっちべーしょん

            前回までのあらすじ  荒れ果てた庭を前に憤然としながらも草を分けいって進むと、足元に見覚えのある葉をみとめた。それは今は亡き人見知りの叔父が食後の種を植えたアボカドだった。根元で切り取られてはいたが、生きていて横から生えた新芽に緑の葉を従え、垂直に伸びようとしていた。よし、まずは雑草抜きからだと鎌を片手に鼻息を荒げた。 第四話 もっちべーしょん        庭を綺麗にすると決めたものの、草が伸び放題になった庭には蚊もたくさんいて作業の腰を折ってくる。ただ片付け

          第四話 もっちべーしょん

          第三話 ぼうぼう庭さんこんにちは

            前回までのあらすじ  夏の盛りに剪定をお願いした植木屋さんが大変酷い仕事をして、庭の木や草が丸刈りにされてしまった。岩肌と土、刈り取られた切り株や草ばかりになってしまった庭を前に呆然とするが、怒りを落ち着けると、この庭への別の気持ちが芽生えてきたのだった。   第三話『ぼうぼう庭さんこんにちは』    誰が見ても酷い仕様にされてしまった庭。花が好きでもない庭師による丸刈り作戦から庭をどうにかしなければいけない。そう思ってはいたもののしばらく庭を訪れることができず

          第三話 ぼうぼう庭さんこんにちは

          第二話 残酷庭師とぼうぼうの草

            前回のあらすじ  病気のために引っ越した叔母。かつての住まいへは、庭を見に時々訪れていた。夫亡き後、老齢の叔母は手に余る庭木の剪定を植木職人に頼んだのだが。 第二話 『残酷庭師とぼうぼうの庭』  その庭は万人の眼を引く美しさに溢れたというわけではなかったものの、花好きの夫婦が二十年近く暮らしたのだった。植えたり鉢を並べたり放置したりして草木が増えた。それぞれの季節に花や実をつけた植物たちは、依然として個々の魅力には溢れていた。綺麗好きの叔父が亡くなってからは片付けら

          第二話 残酷庭師とぼうぼうの草