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読書note-8

「さみしいうさぎ」
飯田雪子
ヴィレッジブックス
249頁

古本屋さんで見慣れないタイプの背表紙。新潮文庫、角川文庫、講談社文庫などなどは背表紙に統一感があるので、書店に通っているうちに区別がつくようになりました。背表紙の下に目を向けるとヴィレッジブックス。初めて出会いました。手に取って登場人物を見ると主人公は19歳の女子大生広川菜月。もう運命じゃないの?と迷わず購入しました。

菜月は読書好きで人と交わることは苦手。そんな彼女には宇佐見峻という彼氏がいます。峻は多くを語らないけれど、いつも菜月を温かく見守り包容力があります。菜月にとってとても居心地の良い峻は、祖父が開業した喫茶店を受け継ぐために地元仙台に帰ります。遠距離恋愛の始まりです。

遠距離恋愛にはすぐには会えない寂しさやもどかしさがつきもの。僕も大学生の頃に経験しました。そんな寂しさの隙間を埋めるように龍生というバンドマンが現れます。一波乱あり物語はクライマックスへと向かいます。

物語の演出に使われている光るペアグラスが良い感じです。

様々なシーンで、来年から女子大生になる我が家の長女を思いながら読みました。彼女も色々な恋をして喜んだり悲しんだり悩んだりするんだろうか。そんな時、父として温かく見守りたいと思いました。

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