ノンアルコールビールの愛好家がいるらしい。断酒するためにノンアルに代えて、それにはまってしまった人たちや、酒は飲めないが、あの爽快感は味わいたいという人たちだ。
　正直言って僕はあまり好きではない。どう表現したらいいかわからないが、最初の1杯は確かに爽快感は感じる。しかし本物のビールと比べると、ガツンとくるものがない。それがアルコールなのだろうけれども、ノンアルは後味も悪い。だからあまり好きではない。
　そうはいっても医者から酒は控えるように言われている身なので、本当はノンアルに代えないといけないのだろうけれども、上記の理由で手は出さない。ノンアルの方が安いのだが、やっぱり高くてもビール、キリン一番搾りである。1週間に1度か2度、一番搾りの500mℓを1本だけ買う。6本入りとか箱入りでは決して買わない。絶対に毎日何本も飲んでしまうのが目に見えているからだ。
　息子がそんな父親に否定的である。医者に止められているのに飲んではいけない、と主張する。真面目な息子だ。妻は僕が可哀想なのか、1週間に1本くらいならと妥協してくれているが、肝臓を悪くして、早死にしないようにと僕を責める。
　人の寿命なんてわかったものではない。健康に注意してサプリなんか飲んで、運動もして、毎日スマートウオッチで自分の体調を管理している人が必ずしも長生きするとは限らない。
　それなら楽しい事をして死んだ方がマシではないか。そうはいっても血液検査で肝臓の値が悪ければ、即ビールは飲まなくなるだろう。周りも多分うるさいし、僕も結構なビビリなので、酒はやめるだろうと思う。実際今年に入る前まではずっと断酒していたのだから。