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出会い / 吉祥寺



2023.11.23 (木)  勤労感謝の日




前のアカウントでnoteを書いていたときから、ずっと憧れ続けている方がいる。私が紹介するまでもないが、🚢さんだ。あたたかみのある素敵な写真と、どちらかというと理性的な印象だけど決して単調ではない文体で、唯一無二の魅力的な記事を書かれる方だ。そんな方と、私の高校生活を間違いなく一番共有している貴重な友人である渡嘉敷さん(以下、伶)との3人で、吉祥寺を散歩して写真を撮るという最高の祝日だった。


まずは、景色を眺めながら井の頭公園をゆっくり歩く。🚢さんは写真のコースを受講されていて、そこの先生がブランコをこぐ被写体に合わせて自分も動きながら撮影していた、ということだったり、街を歩くとき建物が最も良く見える角度を探している、ということだったり、写真を撮るときのヒントになるようなお話をたくさんしてくださった。なんだか気分の彩度が上がってきて、「ここを切り取りたい」という景色をいつもよりたくさん見つけられた。

やるべき事を後回しにする悪癖のせいで私は基本的にギリギリを生きていて、歩くのも速いほうなのだけど、カメラを手に持ってのんびりと散歩すると普段よりも思考が創造的になった……ような気がした。気のせいかもしれない。けど、たまにはゆっくり歩いてみようと思う。その方が、思いもよらぬ被写体と出会える可能性も高くなるだろうし。



どんな動物に喩えられることが多いか、とか、いつかZINEを作りたい、みたいな話をして歩いていたらあっという間に12時を過ぎていて、お昼は「茶房 武蔵野文庫」でカレー。前に伶と来たハンバーグのお店の隣にあったのに、当時は全く気づかず素通りしていたみたいだ。スパイシーで深みがあって、チキンがやわらかくて美味しかったです。



その後、すぐ近くの「百年」という古本屋さん(新書もある)を案内していただいた。木の扉を開くと、たくさんの本がぎっしりと、でも整然と並んでいた。本棚を眺めていたら、ずいぶん前に図書室で借りて読んだな〜結末が衝撃的すぎたけど良い話だったなという小説を見つけたりして、楽しかった。

『プールサイド』という、写真家の新田君彦さんと編集者の藤本和剛さんによる写真と文章の交換日記を買った。背表紙のレタリングになんとなく惹かれて手に取ってみたら、写真も文章もとても心地良かったので即決した。素敵な出会いでした。今、途中まで読んでいるのだけど、私も写真と文章のコラボレーションみたいなことをしてみたいという欲が出しゃばってきて困る。写真でも文章でも、自分の思うままに作品を創ることはかなり難しいのだなと最近よく感じるので、試行錯誤を重ねていきたいと思います。あ〜無理だけど本作りたい!利益出なくていいから!いつか!






最後は吉祥寺駅の近くにある、「ゆりあぺむぺる」でウィンナーコーヒーとプリンをいただいた。どちらも、甘さの加減がとてもとても好みなうえ、見た目が美しすぎた。お皿もカップも可愛いし、テーブルクロスも壁も、水の入ったグラスも、要はお店の全てが好きだった。

この喫茶店、実は私が🚢さんのnoteと出会ったきっかけでもある。あまりに美しい喫茶店の写真がサムネイルで、タイトルは数字だけ、というその記事がおすすめに流れてきて、タップせずにはいられなかった。その記事から🚢さんをフォローして、その後、私が高円寺の「旅する喫茶」に行こうとしたけど予約の開始時間に間に合わなくて……と嘆いて書いた記事に、素敵なところなので是非リベンジしてくださいというコメントとフォロバをいただいた。スマホひとつで見知らぬ素敵な方と言葉を交わせる現代はやっぱり素晴らしいなと感激したのを、今でも鮮明に覚えている。


Paper Shootというカメラを持って行ったのですが途中で電池切れ(迂闊すぎた)、写ルンですはまだ現像していない、という状態なのでスマホ写真です……




クリームソーダ、大きい




念願のゆりあぺむぺるデビューに興奮しながら、いろいろな、ざっくり言うなら文化的な話をした。🚢さんも伶も「私を構成する42枚」をやっていて、ちゃんと選べるか心配だけど私もやってみようと思った。ちなみに帰宅後トライしたのですが、42枚はすぐに埋まってしまって、だけど絶対に欠けている何かがある気がするし並び順にもこだわりたいので、もう少し考えてから公開します。

そしてもちろん、noteの話をした。お互いの文章のイメージとか、普段どんなことを考えて書いているか、とか。「書きたいことがあるときも、一回眠ってしまうと翌朝には書けなくなることが多い」という話で共感し合っていたのに、愚かな私がこの記事を書いているのは翌日の放課後。寝落ちてしまった昨夜の自分がとても憎い。感情と言葉は鮮度が大事なのに。でも意外と昨日のテンションをなぞるように書けている気がします、たぶん。





こんなかんじで、いろいろな「出会い」に恵まれた人生最高の勤労感謝の日でした。前のアカウントと同じ侑という名前でnoteを再開したのは、大好きなnoterのお二人と、いろいろな文化が共生する吉祥寺の雰囲気に感化されたから、といったところです。

実生活で接点のなかった🚢さんとはもちろん、同級生である伶とも、noteがなければこうやって思考を共有する機会はなかったかもしれない。noteが素敵な人や作品や考えとの出会いのきっかけになると実感したら、猛烈に戻りたくなってしまった。元・侑のアカウントは、エゴイズムと自己憐憫の塊みたいな気持ち悪い文章が定着してしまった気がして、黒歴史として抹殺したのだけど、黒歴史なんて言っていたら一生文章が書けないだろうし……。

ゆりあぺむぺるでの会話と帰宅後の伶とのLINEで、文章や写真といった作品を誰かのために創るというより、まずは自分が好きになれるものを創れるようになりたいと思ったので、自己満足noteをもう一度始めることにしました。またすこしずつ、小さなことでも、人生のスパイスになるような「出会い」を見つけていけたらな、そして願わくば、いつか自分も誰かのスパイスになれたらな、という淡い願望とともに、気ままに書いていきたいです。




帰りしに寄った道の駅で、圧倒的な色彩の花卉が考えられない安値でバケツに投げ込まれて売られていた。じっと見ていたら、理論物理学者の佐治晴夫先生の言葉が浮かんだ。「これから」が、「これまで」を決める。未来が過去を決めるのです――。

『プールサイド』 37頁より


孫引きみたいになってしまったけど、最後に、前述の『プールサイド』から好きな部分を引用させていただく。佐治先生の言葉も、この言葉を花を買うか迷っているときに思い出す藤本さんの感性も素敵だと思った。未来が過去を決める、というのは、救いにも戒めにもなるような気がする。いつか「これまで」を抱きしめられるように、「これから」を頑張りたいですね。なんとか。







🚢さん(23abced8)

(🚢さんのnoteと出会ったきっかけの記事です、やっぱりサムネイル素敵すぎる……)




伶改め渡嘉敷さん(tear_me)

(ちゃんと言葉が新鮮な当日中に書き上げた伶さん、さすがすぎる。これからもたくさん写真見せてください)





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