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炎上したKIMONOプロジェクトをTABLOはどう報じたか

まず初めに、私は個人を批判するつもりでこの記事を書いていないし、誰かを嘘つき呼ばわりするつもりもない。ただ自分が知り得てしまったことを、メモ程度に書いておきたい。


破綻した国際プロジェクト

東京オリンピックに関連して、KIMONOプロジェクトというものがあった、らしい。世界各国の文化と技術を落とし込み、着物を製作するという非営利プロジェクトだ。福岡にある呉服屋の三代目が2014年に始めた。結果的にこのプロジェクトはオリンピックの出し物として採用されなかったが、そもそもオリンピックを目標にした企画ではなかったとも聞く。ともかく、数百着の着物が製作されながら、計画は宙に浮いた。

KIMONOプロジェクトを運営していたのが一般社団法人イマジンワンワールドだ。当初は創設者が代表理事を務めていた。しかし、手嶋信道という人物が参加してのち、創設者は代表理事の地位を追われることになる・・・プロジェクトの金を「3700万円不正出金した」という罪で。


ちなみに、公式サイトのアーカイブを見るかぎり、2016年11月時点では手嶋信道氏の名前は見当たらない。そこから翌12月末までのどこかの時点で記載されたようだが、あくまで法人理事として名前があるだけだ。当初はKIMONOプロジェクトのメンバーではなかったように見える。

さらに余談だが、手嶋氏は2017年1月にヨコハマ・シャッフル合同会社の執行社員となっている。同社は同年6月に神奈川でライブを主催したようだが、その協賛としてイマジンワンワールドの名前があるのが何とも不思議である。

代表の不正、新代表の就任

この件について手嶋氏は乗っ取りの首謀者だと囁かれもしたが、最終的には、創設者及び数名の社員が不正を行ったということで話は片付いた。手嶋氏が代表理事となり、定款が書き換えられ、理事は総入れ替えされたという。

そこで新・監事となったのが野島という人物だ。
元は週刊誌の記者らしいが、実業家や法律家の側面も持つ。それも芸能事務所の経営やコンサルタント会社の顧問、シンクタンクの理事など幅広い。芸能プロデューサーや詐欺研究家の肩書でメディアから取材を受けることも多く、最近では出所後の羽賀研二の窓口をやっているという。

この野島という人物と手嶋氏、そして数名の新・理事には共通項がある。とあるスポーツ関連のNPO法人の役員をやっている、あるいはやっていたということだ・・・が、それについては割愛する。

ニュースサイトTABLOの報道

さて、2021年7月28日、TABLOにこんな記事が掲載された。

前・代表理事とその周辺人物を糾弾する内容の記事である。文末には、文@神田川涼香、とある。
端的に言ってしまえば、これは野島氏の変名であった

ライター本人による盛んなシェア

野島氏はペンネームの多い人物だ。たとえば霜月潤一郎(朗)だとか、九頭龍腐流腐流なんてものもある。そしてSNSのアカウントも多い。X(旧Twitter)のアカウントも、確認できただけで20個近くあった。そのうち10個のアカウントで、野島氏は当のTABLO記事をシェアしていた。
Twitterでは、この記事をシェアするツイートが14件見つけられた。内10件が野島氏のアカウントによるものである。そして残り4件のうち、2件はTABLO公式とTABLO編集長・久田将義氏によるものだった。

利害関係者によるネガキャン記事はアリか?

私は当の記事の内容についてどうこう言う気はない。TABLOは反フェイクニュースを掲げるメディアである。きっと記事に書かれていることも真実なのだろう。
だとしても。役員をやっている人間が、ライターという立場を使って(しかも変名で)敵対者を不利にするような記事を書くのって、アリなのだろうか?
報道の姿勢として、そういうのっていいのだろうか?
個人を批判するつもりはない、と冒頭に書いたのはそういう意味だ。私はTABLOというメディアに、ちょっと落胆している。

おわりに

この記事は粗い。偉そうなことを長々と書いたが、私は関係者ではないし、経営に関してもズブの素人だ。着物にもオリンピックにも関心が薄く、KIMONOプロジェクトについては今年知った。
この件について詳しく知りたい方は、各自で調べてみてほしい。

追記:とても参考になる記事があったので、リンクを貼らせていただく。

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