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【観劇レポ】ジャンヌ・ダルク




演出:白井晃さん
脚本:中島かずきさん
再再演となる本作品

初演のジャンヌダルクは堀北真希さん
2回目は有村架純さん
そして今回は清原果耶さん

過去のジャンヌダルクは風の噂に聞いており、次に公演されることになれば行ってみようと思っていた作品でした


結果、観に行って良かった!


私の中で今年最後の作品となったのですが、それに相応わしい素晴らしい舞台でした

感想


舞台が始まり音楽が流れ出した瞬間ゾワっと鳥肌が立ちました
なんとも言えない感覚
厳粛?神聖?
何かもっと他に合う単語があるような…

兎にも角にも
あの瞬間で一気にジャンヌ・ダルクの世界に連れて行かれました


物語は「神の声が聞こえ、フランス軍を勝利に導き最終的に火刑に処せられた少女」の話

神の声に従いまっすぐ生きたジャンヌの強さ
ただただジャンヌを守ろうとしてくれた人
まっすぐなジャンヌの姿を見て変わっていく人
自分の野心のために利用する人 など

ジャンヌと周りの人々の関係などがきちんと描かれており、全体的に見やすい内容だったと思います

清原さん演じるジャンヌの生きる姿があまりにも鮮烈で、ジャンヌが19歳で火刑となったのは分かっているのに、どうか違う結末をと願わずにはいられなかった…


また、登場人物の事情や心の動きが俳優さんたちの演技により繊細に表現されており、ジャンヌの最後には涙が出てきました
自分でも悲しいのか悔しいのか切ないのか…
何の涙なのかいまだにわかりません


出演者


ジャンヌ・ダルク:清原果耶さん

落ち着いていながら凛とした素敵な声
小柄ながらも堂々としていて
本当に「神の声が聞こえる少女」のよう
何か(それこそジャンヌダルク?)が憑依してる感じでした

清原さんは『線は、僕を描く』という映画で見たことがあり、透明感があって着物も似合って素敵な女優さんだなという印象でした
(ちなみに『線は、僕を描く』もオススメです)

今回は「神の声が聞こえる少女」という神聖さと、最後まで意志を貫く強さを感じて、可愛らしいイメージから芯のある素晴らしい女優さんなのだと感じました

清原さんのジャンヌダルク本当にオススメです



シャルル7世:小関裕太さん


最初は疑心暗鬼に陥って頼りない王太子だったのに、最後はしっかりと自分の意見を通すことが出来るようになったシャルル
小関さんはマイナスな感情の表現の仕方が上手いなぁと思いました

小関さんが出る舞台『四月は君の嘘』とか『キングダム』とか、見たいと思いながら見に行けなくて、やっぱり見ておけば良かったなぁと後悔
次は『ロミオとジュリエット』らしいので見てみたいな
まひろくんのロミオとは違った感じだろうな

そういえばパンフレットに初演の「幻影の少年」役が高杉真宙と書いてあったな
あの役をまひろくんがやっていたとは…
見たかったなぁ


レイモン:坪倉さん/ケヴィン:島村さん

坪倉さん良い役だった
最初はお金で雇われただけだったのに最後までジャンヌを守り抜こうとした姿カッコよかったです
飄々として本心は見せないけどやる時はやる男レイモン素敵
私の中で坪倉さんは良い俳優さんです
(『アンナチュラル』の第4話泣ける)

島村さんは初めましてでした
レイモンを慕う好青年で最後まで重要な役でしたね
最後ジャンヌを無理矢理にでも連れってほしかった(話変わってくる)



タルボット:福士誠治さん
ベッドフォード公:岡田浩暉さん
ヨランダ:りょうさん
ラ・トレムイユ卿:神保悟志さん


もうこの4人は流石です
意外にも良い人だった岡田さんとりょうさん
ちゃんと悪役の福士さんと神保さん

ベッドフォード公がジャンヌに火刑を言い渡す時は苦渋の選択という感じで、この人はジャンヌを殺したくはないんだなと伝わってきた
ヨランダもずっとジャンヌを守ってたし…
一方でラ・トレムイユ卿は曲者
タルボットは敵国の軍人だから仕方ない

この4人の配役は適所適材という感じだったので全体的にストレスなく見られました


舞台の作り


※ここはメモ書きみたいな感じです

舞台の作りが面白い
奥が高くて手前が低い結構な傾斜
立って歩くだけで足が鍛えられそう

そして舞台手前は客席に向かって全面階段
4〜5段くらい?
もう舞台と客席の境はほぼない
1列目の方は緊張の連続だったのでは?汗

舞台中央には奈落というか「口」がずっと開いてる状態
そこから舞台下へと階段が付いており、舞台袖だけではなく中央からも相当な人数が出入り出来る
階段の向きも中で変えられるようで、下がどうなってるのかめちゃくちゃ気になる

袖・中央・客席通路まで使い、もの凄い人数を登場させて行われた戦闘シーンは圧巻
過去イチ人口密度が高かったかも!
人が多すぎて一人一人のアクションが見られないのが難点…
あんだけ人数がいれば動くだけで圧倒されるし、加えて剣を掲げ声を上げる姿は迫力満点
エキストラの方が80人くらいいらっしゃったとのこと
メインキャスト含めると100人くらい?
本当に凄かった

座席が1階後列だったけどそれが良かった
客席も一つのステージかなってくらい演者さんたちが通るから、舞台+客席で起きてること全てを見ようと思ったら1階後列がベストだった


最後に


今年の最後に良い作品に巡り会えました
全体が一つになって客席巻き込んで大きな作品を作るのが良かった
コロナ禍では出来なかった作品ですね
こういう作品待ってました
生のお芝居で、実際の会場でしか味わえない演出ってやっぱり楽しい

でもね私が入った12/25
平日のお昼だったからかポツポツ空席があって本当に勿体なかったです…

ただ、こちらの作品、配信でも観られるので是非多くの方に見て頂きたい!
あの迫力が映像でどう感じられるのか気になるので、配信見てみようかなと思っています

関係者の皆様、2023年の最後にとても素晴らしい作品を見させて頂きありがとうございました!

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