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進学校男子の性格の悪さ


高校生にもなって陰口を言う男子

高校は県で一番の進学校だった。進学校はいじめがないというが、そんなことはない。意地悪な女子はいるし、一番びっくりしたのは、一部の男子の言動があまりに子供っぽいことであった。

高校1年のクラスはまだ文理に分かれていなかった。クラスの中で一番遊んでいそうな男子のグループの連中は、クラスの女子の中でターゲットを決め、あだ名をつけて聞えよがしの悪口を言っていた。
休み時間になると、彼らはそのうち一人の席にたまっていた。私はあるとき、運悪く、そのたまり場の後ろの席になってしまった。他の女子がその席になれば、休み時間は席を離れるのであろうが、私は気にせずに宿題や読書をしていた。クラスの女子からは、
「あんずさんは相手にしてないんだね、すごいね」
と言われていたらしい。

このとき、私はターゲットに入っていなかったのであろう。自分の席にいても、彼らの視線を感じたり、自分のことを言われていると感じたことはなかった。まあ、そんな堂々とした態度をとられたら、ターゲットにする面白味もないであろう。


ターゲットになってしまった2、3年

2年になって文系クラスになると、さらに子供っぽい男子ばかりになった。大人っぽい男子はみんな理系にいったのであろう。1年のクラスでは、悪口を言うような子供っぽい男子は5人くらいであったが、2年のクラスではそういうヤツが過半数を占めていた。
その分、ターゲットになる女子の数も増えたのかもしれない。どういうきっかけかわからないが、私もターゲットの1人になってしまった。といっても、2年のうちは、冷やかすような視線や陰口をときどき感じる程度だった。

さらに、3年では、私をターゲットにした男子・よねだ(仮名)とまた同じクラスになった。運の悪いことに、このクラスには、女子の悪口を言いまくることで有名な3人組「KOS」(3人の苗字のイニシャル)のうち2人、OとSがいた。
ある日、ディベートの授業があったのだが、ディベートに参加しないメンバーは教室の後部に机を並べて見学していた。しかし、成績の悪いよねだやOとSが真面目に見学するはずがない。雑談を始め、そのうち、近くの席にいた私の悪口を言い始めた。
OとSは新しい獲物を見つけて大喜びである。その日から、クラスの違うKも一緒になり、廊下ですれ違うたびにニヤニヤしながら耳打ちをするようになった。


陰口男子のその後

KOSのうち、Oだけは地元の同窓会に積極的に参加しているが、いまの彼は「いいヤツ」である。
東京にいてあまり地元の同窓会に参加しない私と初めて再会したとき、自分がターゲットにしていた女子であることを咄嗟に思い出せなかったのか、
「初めて会うよね?」
みたいなことを言われたが、曖昧に答えておいた。Oも顔つきが高校時代と全然違ったので、私もすぐにOだとはわからなかった。
地元に住んでいる常連メンバーばかりの飲み会だったので、私が入りにくいと思ったのか、こちらに話を振ってくれたりもした。そのことには素直に感謝したいと思う。
O以外で、私をターゲットにしていた男子とは再会していないので、いまどうしているのかも知らない。

ターゲットにされた本人は許せるはずもないが、いつまでも根に持つのもバカバカしい気もする。
私の友人の中には、自分の悪口を言っていた男子のことをいまだに「嫌い」と言う人がいる。この男子は同窓会の中心人物で、司会をやったりしているので、完全に視界に入れないことは難しいであろう。この友人は、同窓会に出会いを期待していたが、嫌いな男子が中心人物にいたら、身動きも取りにくいであろう。つくづくもったいない。

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