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バンクシーと分断の壁と世界で一番眺めの悪いホテル

パレスチナ自治区ベツレヘム妄想旅行計画 3

 バンクシーは未だにその正体がわかっていないアーティストだ。イギリスブリストル出身ということまではわかっているそうだが、それ以外はわからない。もしかしたら一人ではなくチームなのかもしれない。そんなバンクシーだが、有力な説として音楽ユニットの「マッシブ・アタック」の3Dではないかという。そんなバンクシーは、もともとイギリス国内でグラフィカルライターとして非合法に公共の壁などを使い社会批判をしてきた人物である。通称アートテロリストともいわれている。

 バンクシーが初めて国際的な問題を取り上げたのがベツレヘムにある「花束を投げる青年」だと言われている。これは強力な武器を使うイスラエル軍に対し、パレスチナの青年たちは投石で立ち向かった「インティファーダ(民族決起)」を背景に描かれたものだ。彼の作品はこのベツレヘムに複数描かれている。

 また「分断の壁(イスラエルがパレスチナ自治区との間に建設し、自由に行き来出来ないようにした壁)」にもバンクシーはアートを描いているが、それだけではなく分断の壁のすぐ目の前にホテル「世界一眺めの悪いホテル」を建設し、ホテルの趣旨を通して痛烈な批判をしている。バンクシーはこの分断の壁を「この壁は国際法に違反しており、パレスチナを世界で最大の野外刑務所と変えてしまうものだ。」と評している。残念なことに彼がイスラエル兵に銃口を向けられながら分断の壁に描いた9点の作品は、現在は「分離壁をこじ開けようとする2人の天使」一点しか残っていない。バンクシーの作品をどのように感じ、考えるかは人それぞれだと思うが、このような問題にかつては関心を持たなかった世界の人たちに、問題を知らしめるきっかけになったことは事実だろう。

 ベツレヘムに入ればこのバンクシーのストリートアートを直に見る事ができる。そして、美術館で飾られた近現代アートとは違い、そこでこれが意味するところは何かと頭を抱える事もない。描かれている場所で全て理解する事ができる。このベツレヘムにある彼のアートは目で見て頭で考えるアートではなく、その場所で感じる5感で全てを理解できる画期的なアートと考えて良い。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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