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ちょっくらシルクロード横断してきます 〜中東・アジア旅行記⑪〜

第二章 パムッカレからカッパドキア、そしてシリア入国
三十路センチメンタルジャーニー

ep11,時間の概念 2006/11⑪

 翌朝、乗客の少々大きな声とともに目を覚ました。目をこすりながら窓から表を見てみると朝日は昇っているようだが、一面のもの凄い霧で3メートルも視界がない状態だった。朝ごはん用に買っていた果物を口に放り込みながら、しばらく放心。やっと頭が冴え始めてくると、列車が止まっていることに気がついた。

 最初は霧のために止まっているのかとも思っていたが、霧が晴れても列車は動かなかった。列車のドアも開放されていて、乗客たちは列車の表に歯を磨きにいったり、体操をしに言ったり、中には絨毯を広げてチャイを入れている人たちもいた。「すごいのんびりだな〜」なんて思いつつ、日本の新幹線が数分遅れたらお詫びの放送が入ることを考えると、その違いには本当に驚かされる。ていうか日本の駅員さん結構無茶なクレーマーの相手から一部の行儀の悪い鉄くんなどまで、本当にご苦労様としか言いようがない。

 まあ自分もとにかく急ぐ旅ではないと考え直し、表の空気を吸いに出た。列車の表に出てみると、線路とこの列車以外は「無」。見渡す限り、荒涼とした大地が広がっている。「おお〜すげ〜」なんて最初は感心していたが、そのまま3時間その場から列車が動くことはなかった。流石に焦る。しかし、誰も鉄道乗務員を攻めるわけでもなく、のんびりしているところを見ると、あらためて日本の駅のホームで数分間の遅れで詰められている駅員が不憫でならないなと心で小笑していた。
 
 もう列車の中で持っていた文庫本も読み終り、いよいよやることのない状態になり始めた頃、再び列車は動き出した。その後はパムッカレ村の最直近であるデニズリまで斜め向かいに乗っていた4歳の女の子が暴れ倒していたので、その相手をしている内に駅に到着した。なんと表現したらいいだろうか、強いていうならケミカルブラザーズのPV状態。お母さん、笑ってないでもう少し注意してください( ´Д`)y━・~~。結局朝列車が止まっていた原因はわからなかったが、到着時刻も3時間遅れだったので、なんらかのトラブルだったのだろう。

 とりあえずバックパックを担いでデニズリ駅から表に出ると、ミニバスが並んでいる。美味しそうな食堂や屋台も並んでいたが、涎を飲み込み、心に刺さる香りを振り切り、パムッカレ村行きの乗り合いミニバスを見つけ出す。出発までの時間がもう少しあったら、屋台で舌鼓を打ちたかったのだが、残念ながら直ぐに出発。こうしてミニバスに揺られ目的地のパムッカレ村に到着した。

デニズリ


読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったらよってみてください(^^)


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