見出し画像

おひとりさまアフターヌーンティーに行ってみた

かねてから憧れだったアフターヌーンティー。おひとりさまで、予約して行ってきました。

ネットでアフターヌーンティーを何度も検索していて、家からほど近くでさほど規模の大きくないホテルにてアフターヌーンティーをやっていることは以前から知っていたのでそこを予約。ホテル内のカフェ。4000円以内でアフターヌーンティーとしてはリーズナブル。

予約メールにドレスコードなし、と書かれているのを見つけてちょっと安心。ほんの少しだけおしゃれして、鞄に読書用の本とノートと万年筆を入れて出かける。

平日の昼間。ホテルはそこそこ人はいるけれど、ゆったりした空気感がある。古い建物、磨き込まれて光っている木の手すりの階段、ちょっと色褪せた絨毯、ゆとりのある空間。クラシカルなインテリアが新しいものにはない歴史を感じさせて素敵だ。

予約している〇〇です、と声をかけると、予約席の札が置かれているソファテーブルへ案内される。一番奥で窓際で、居心地良い。ホテルでお茶する経験がそもそも少ないので、思わずきょろきょろ観察してしまう。近くの席には老紳士が2人、お茶してる。たまに会って昔話に花を咲かせてると言った風情。上品な話し方だ。

席に座ると、紅茶かコーヒーを選ばせてくれて、お代わりもご自由にとのこと。アフターヌーンティーのメニュー(何が出てくるか)が席に置かれている。2時間過ぎて、もし混み合っておりましたら席をお譲りください、みたいなことを書いてる。おお、2時間ゆっくりできるんだ、ゆっくり食べよう。

少し離れた席でマダムが2人、同じくアフターヌーンティーを始めるところだ。やっぱり普通は2人だよね。話が弾んでる。さらにその隣に、老婦人とその息子の組み合わせで、こちらは普通のお茶かな。喋ってる内容までははっきりとはわからないのに、よそ行きでない声の調子や喋り方で親子ってわかるの面白い。

はじめに冷たいセイボリー、次に温かいセイボリー、タイミング見計らってスイーツと紅茶の順番で運ばれてくる。1人だから味に集中できるな。ああ、美味しい。夫には友達と行ったらいいやんとは言われたけど、そうじゃないんだよなぁ〜。誰かと一緒だと、その人に集中してしまう。INFJあるあるかもしれない。今日の私の友は本だわ。

おもむろに読書もする。AsaAsaさんの記事で見つけた、アニー・ディラードの『本を書く』だ。記事の後に再販されたみたい。図書館で借りて、少し読んだだけで、この本好きだ!!となって、綺麗な状態の中古本を見つけて購入した。じっくり読む。

書斎についてのエッセイを読んでいると、書斎いいなぁ、と考えが宙を彷徨いだす。観葉植物置きたいし、コーヒーメーカーはマストでしょ。肩が凝るからたまにストレッチする場所も欲しい。ヨガマットが必要ね。もう読書は止まってる。アイデアを書き留めておきたくて、持ってきてるノートに書き付ける。楽しい。

ときどき食べて、また読書に戻る。セイボリーを食べ終わったら一息ついて、スイーツ。ちょっと紅茶が冷めてしまった。猫舌にはちょうどいい。美味しい。でもお腹が苦しくなってきた。少し量が多いかな。またジョギング始めたらこれくらいはペロリなんだろうな。

斜め前と、同じく窓際の隣の予約席も二人連れがあらわれる。母娘の2人と、定年退職後ぐらいの夫婦連れ。この夫婦、何度もアフターヌーンティーに来ている常連らしき慣れた注文をしてる。コーヒーのあと、お紅茶に変更もできるんでしたかしら? では、はじめに私はコーヒーおねがいします。あなたは何にする? ご主人は物静かで、奥さんよく喋る。やっぱりこの席と思ったの!ここが一番ね! アフターヌーンティーにウキウキしてるの伝わってきてこちらも心浮き立つ。

店員さんも皆感じがいい。ホテルはこのホスピタリティにお金を払う場所だわ。紅茶のおかわりはいかがですか?と聞かれるけど、まだポットに残ってるし、もうお腹に入らない。ありがとう、まだポットにもあるから大丈夫、と答えたら笑顔で去っていく。

読書に戻る。

私は正確に計った用量のコーヒーを飲んだ。それはなかなか微妙な問題だった。腕のいい麻酔専門医顔負けの、用量に関する微妙な判断が必要だった。コーヒーが効果を上げる分量の幅はごく狭い。量が足りないと役立たずで、適量を越えるとまったく逆効果だった。

『本を書く』 アニー・ディラード

私は麻酔科医なので、この一節にちょっとびっくりする。もし麻酔科医らしく用量を判断するとしたら?とリアルに考えたりして。用量か……。麻酔科医が普段使うシリンジ(注射器)の一番大きいのは50mlだから、コーヒーのお湯測るには物足りないよね。熱湯はダメだろうし。どっちかというと、実験っぽくちゃんとスケールでコーヒー豆の重さを測って入れて、沸かす前の水はもしかしたらビーカーで測ってたりして? しょうもない妄想する。私は実験器具の風情は好きだから、ビーカーで珈琲淹れるのは楽しそう、などとまた考えが彷徨う。

だんだん読書への集中力が切れてきたし、いつの間にやら1時間半過ぎた。座ってるのも飽きたし、お会計して帰るかな。最後に残しておいたクッキーを口に放り込んで紅茶を飲み切る。美味しかったし楽しかった。

しかしながら、これ、カフェ風な書斎にして、自分で精密に計量してビーカーで珈琲を淹れて、ちょっと奮発したサンドイッチとミニスイーツを用意すれば、ホテルでアフターヌーンティー並みに、きっとすごい楽しそうだわ。将来の夢としてここに書き留めて覚えておこう。


あら、まだ読み終わってないけど、はからずも読書感想文にもなっているかな。


引用させていただいたAsaAsaさんの記事はこちら
「石に話すことを教える」も図書館で借りられたので読むのが楽しみ

この記事が参加している募集

至福のスイーツ

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?