メンヘラホイホイ-52 婚活

世の中にはいつの日か「婚活」という言葉が生まれていた。俺からすると訳の分からない言葉だ。
例えば「大人女子」とか
「イクメン」とか
許せるのは「デブ活」。実に清々しい。

それはそうと、これは真面目に結婚しようと考えた結果、某婚活に登録した時の話だ。この婚活を取り仕切りるのはクレジットカード、携帯キャリア、野球チームに至るまで展開をしている某企業のものだ。


最初に入会金15万を納め、月額15,000円。
年収、趣味、性格、職業、顔写真を登録する。
いいねを押し、相手もいいねを押すとweb上でのやり取りが可能になる。



それとは別にパーティーを企画されて、男性が女性より若干高い金額を支払い、クソみたいな食事を提供され、空腹すら満たされない環境で席を隣に移動する。

正面にいる女性に、予め女性側に配布された男性の自己紹介シートを見てもらいながら自己アピールをしていく。

例えるなら男性は商品の陳列棚に配置された商品。顧客である女性がその取捨選択をする訳だ。

一度、パーティー参加者が全員仲良くなった時に思った。
こんな金を使わずに、LINEグループを作る。
パーティーに参加したら参加者をLINEグループに引き入れて、それを元に合コンをする。プロフィールは婚活で登録された内容を見ればいい。

そしたらくだらないパーティー費用を払わずに済むし、婚活の月額費用すらもいらなくなる。

なんて事は御法度らしいが。


出会う事に金をかけないといけないなんて、人生で初めての屈辱だと思ったんだ。カモられてる。



年収は詐称した。
実際に稼ぐ金額の60%で記入。
年収500万を超えると需要が高まると担当アドバイザーが言っていたが。

現代において恋愛も結婚も仕事も生活も
一部の人間においては見栄の張り合いに思えてくる。

ブランド物の所有量
年収
車のメーカーや車種
顔やスタイル

まぁ何でもいいんだが、金があれば手に入れられる。

でも、莫大なお金を手に入れると失ってしまう物がある。

本当に欲しい物と、本質的な自分の性格の長所、売られている物の価値と本質的な価値だ。

高い物=良い物

俺は物作りを初めてそれに気付いた。
高い物=良い物 では無いって事に。
ブランド名が付くだけで、クソみたいなもんに多額のあなたの努力によって生み出されたお金を支払っている。

それって実際、〜円くらいで作れてしまう。

雰囲気に翻弄されてそれを手にしてしまう人が何て多いんだろう。

たくさんの人と会って、1番多いのは顔と年収重視型だった。
あと、結婚する事が目的で100%自分の願望を実現できる・または100%自分の要望を理解できる相手を探している人達。


自分には特殊能力みたいなもんがあって、その人の顔が老化した時にある程度その姿を想像できてしまう。

やっぱ心が綺麗な人がいいなと思った。
もし大災害が起きて全てを失っても、魅力がある人。そんな人がいい。



2人だけ会った人がいた。
1人は真面目そうな人だった。
年収にこだわりは無いけど、休みについては異常なほどこだわりがあった。

相手がこちらに求める条件は
毎週土日休み。
土曜日は私はたまに友人と遊ぶけど、男性はそれをしてはいけない。
男性は私の為に必ず土日は私の為に休日を取り、いつ私が会いに行っても対応できる様にしなくてはいけない。

掟を破ってみたらどうなるかやってみた。
その子が土曜日に友人と一緒に出かけて、夜に帰ってくる。だから帰宅したら電話するねと言われた。
金曜日から土曜日にかけて、友人とバイクでキャンプに行き、土曜日の夜には帰宅した。

その子から電話が来て、今日は何をしてたかを聞かれた。

正直に話すと、その子はため息をついた。
「約束と違うよね?もし私が早めに友達との約束を切り上げて、会いに行った時にツーリングから帰っていなかったらどうするの?そんな人とは付き合ってあげられないよ。」


付き合ってあげられないそうだ。

そして2人目は
30歳で可愛らしい子だった。
今まで男性経験も恋愛経験も無い。
お互いマッチングしたタイミングで、その子の中では既に俺と付き合っている事になっている。


次回:推し活

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