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また恋するの?もうしないの? - 教えて!マッキー!! -

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・エッセイスト として、
自らを定義しています。

特段 失恋したわけじゃないけど、
私は哀しい恋や切ない想いを歌った
失恋ソングが大好き。

ちなみに私の中での一番のお気に入りは
「小松未歩」さんです。
もう活動休止してから二十年近く経つけど、
私の中では今でも一番の歌姫でございます。
( Love gone は特に至高の名曲だと思う)

...なんて言っておきながら、
今回の主題は彼女じゃない。
表題でお分かりの方もいると思うけど、
槇原敬之 氏(以下、マッキー)の名曲
「もう恋なんてしない」について。

長年の疑問について、
この場で問題提起してみたい。


もう恋なんてしない - 槇原敬之 -

リリース当時
私はランドセルすら背負ってなかったし、
そういう意味では
俗にいうところの「世代」ではないのだが、
時々口ずさむくらいには好きな曲である。

平成初期の曲なので、今の価値観で考えれば
違和感を覚える方もいるのかもしれないが、
彼女と別れた男性の寂しさや
未練タラタラな感情を見事に表現している。

「今さら 懐メロの話?」なんて言わないでほしい。
今回 私が話題にしたいのは、
この曲のサビの終わりの
「ある歌詞の解釈」についての疑問なのだ。

もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対


もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

もう恋なんてしない
作詞:槇原敬之

この曲の一番のサビの終わりは、
上記のようになっている。
この歌詞について、私の疑問はずばり
「また恋するの?もうしないの?」
というものだ。

一般的(?)な解釈

二重否定

先に抜き出した部分は二重否定になっている。
国語(文法)が苦手な人の中には、
この時点で頭が混乱する方もいるかもしれない。

せっかくなので、簡単な例で
この文章の構造を確認してみよう。

ある子供が
「信号なんて守らない方が早いじゃん!」
と言って、車に跳ねられたとする
(幸い命に別状はなかった)。

子供は痛い経験をしたことで、
こんなことを言った。

「信号なんて守らない」なんて 言わないよ絶対

信号を無視して車に跳ねられた子供

「」の中は否定文になっている。
「信号を守る」という肯定文に対しての否定だ。

ところが「」の後に『なんて言わないよ』と
更に否定を重ねている。
(しかも「絶対」と強調して)

マイナスにマイナスを掛けてプラスになるように、
敵の敵が味方であるように(?)、
「否定の否定」だから『肯定』になる。

つまり、この子供の本意は
「」内の否定文を肯定文に転換した
「(これからは)信号を守るよ」ということになる。

マッキーの曲に戻って


もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

もう恋なんてしない
作詞:槇原敬之

マッキーの歌も、本質的にこれと同様である。
つまり、上記の一文は
「もう恋なんてしない」という否定文を
肯定文に転換した
「また恋をする」と言っていることになる。

元カノ相手に、失恋のショックがありながら
「また新しい恋をしてやるからな!」
と言っているのだ。

...というのが、たぶん一般的な解釈。
それというのも、私が自分の疑問について
ネットで調べてみると、
同じように解説している記事が多かった。
(あまりに同じ答えが並ぶので、
 そこまで深く調べてはないが)

どこまでが強がり??

一行前の解釈が問題

もし君に一つだけ 強がりを言えるのなら
もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

もう恋なんてしない
作詞:槇原敬之

さて、ここからが(やっと)本題である。
件の歌詞の一行前は、上記のようになっている。

私はどうもこの「強がり」の解釈が
世間一般とはズレているのかもしれない。

強がりって、だいたい反対の意味

ライバルにテストの点数で負けたときに、
「テストで負けたって、悔しくないもんね!」
と強がりを言うとき、
だいたい本心では悔しがっている。

「強がり」は虚勢を張るから、
だいたい心にないことを言う。
だから「強がり」の発言は、ほとんどの場合
反対の意味に捉えていいだろう。

だが、ここで考えてほしい。

もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

「また新しい恋をしてやるからな!」

 

これが元カノに対する「強がり」だとするなら、

もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対
(※ 強がり)

「また新しい恋をしてやるからな!」
(※ 強がり)

「新しい恋なんてしない…」
「もう恋なんてしない」

 

ということになりはしないだろうか?

すなわち、三重否定の構造である。

後の歌詞もあるからややこしい

もし君に一つだけ 強がりを言えるのなら
もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

2人で出せなかった答えは 今度出会える
君の知らない誰かと 見つけてみせるから

本当に 本当に 君が大好きだったから
もう恋なんてしないなんて 言わないよ絶対

もう恋なんてしない
作詞:槇原敬之

二番のサビの終わり以降も抜粋してみた。

二番の歌詞を含めて解釈すると、やはり
「新しい恋をして、幸せになってみせる」
という元カノへの宣言に感じられる。

だが、その直後
「本当に 本当に 君が大好きだったから」
とこれ以上ないほどの元カノへの想いが続く。

個人的にはこの
「本当に 本当に 君が大好きだったから」
も含めて、
「やはり君以外の相手への恋なんて考えられない」
という想いを歌った曲に思えるのだ。

まとめ

結局のところ
「もし君に一つだけ 強がりを言えるのなら」
が、どこまで係っているのかの問題である。

直下の一行のみに作用しているのか、
それ以降の歌詞にも作用しているのか…

解釈の仕方は人それぞれだろうし、
人によっては自身の経験も重ねて
歌詞以上の想いが刻まれている方もいるだろう。

学校のテストではないのだから、
私はそれで大いに結構だと思う。

ただ、

もしマッキーに一つだけ質問を言えるのなら
「また恋するの?もうしないの?」
と訊きたいよ絶対。

お読みいただき、ありがとうございました。

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