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[書評] 世界一流エンジニアの思考法

みなさん、こんにちは。Naseka です。
職場では監督者として、
日々チームをまとめることに四苦八苦しています。

「読書」「思索(考えること)」
私の趣味のツートップです。

今回は読んで面白かった本の紹介と感想です。
これまで「書評を書く」ということに
漠然とした憧れを抱いていたものの、
ブログや SNS の類をしていなかったこともあり、
なかなか実現してきませんでした。

note をはじめて約2か月、
徐々に投稿することにも慣れてきたので
これからは書評にもトライしてみたいと思います。

さて、今回取り上げた本は
「世界一流エンジニアの思考法」です。


”テクニック” よりも ”思考法”

表題にある「世界一流エンジニア」とは、
著者がマイクロソフト社で共に働く
ソフトウェアエンジニアたちを指しています。

また「~の思考法」とあるように、
内容は具体的なテクニックや技術的手法よりも、
彼らの「思考法(マインドセット・考え方)」
にフォーカスされています。
(もちろん手法的な内容もありますが)

そのため、ソフトウェアエンジニアに限らず
少なくとも工学系の分野で働くエンジニア一般に
通ずるエッセンスが詰まった本だと思いました。

”Be Lazy (怠惰であれ)”という考え方

この本の中で特に私が印象に残ったのが
「Be Lazy (怠惰であれ)」
というマインドセットについてでした。

より高いレベルの仕事になるほど、
要求される課題の解決は困難になります。
それは質的な問題かもしれませんし、
量的な問題かもしれません。
或いはその両面を持つ場合もあるでしょう。

そのような課題と向き合うときに、
あなたは いったいどうするでしょうか。

たくさん勉強して、知識やスキルを高める?
寝る間を惜しんで仕事を頑張る?
四六時中、仕事のことを考える?

仕事である以上、
成果が出せれば それはひとつの正解でしょう。
ある程度は、時間を費やすことで成果につながるかもしれません。

しかし、残念ながら
「時間をかければ解決する」問題というのは、
実は大した問題ではないことがほとんどです。

本当に困難な課題というものは、えてして
時間をかけたからといって(それだけで)
解決できるものではありません。

これに対して、世界一流エンジニアたちは
次のように考えます。

・望んでいる結果を達成するために、最低限の努力をする。
・不必要なものや付加価値のない仕事(過剰準備含む)をなくす。
・簡潔さを目指す。
・優先順位をつける。
・時間や費やした努力より、アウトプットと生産性に重点を置く。
・長時間労働しないように推奨する。
・会議は会議の時間内で効率的かつ生産的に価値を提供する。

「世界一流エンジニアの思考法」第2章より

端的に言うと「より少ない時間で価値を最大化するという考え方」だ。

「世界一流エンジニアの思考法」第2章より

一見すると当たり前のことにも感じられますが、
これを徹底的にブラッシュアップしていくことが大切です。

優先順位をつけるなら、余計な仕事は
「徹底的に」やらないことにする。
1つのことだけにフォーカスする。

努力にしても、あれこれ考えて準備するより
トライアルアンドエラーで早めに失敗を経験し、
そのフィードバックから正解にアプローチしていく。

また、自分ひとりで頑張ることにこだわらずに
チームメイトの力を頼ることも厭わない。
(周りも同様に考えるから、協力することにも抵抗がない)

往々にして、周囲から「まじめ」と言われる人ほど
ひとりで根を詰めて頑張りがちですよね。
成果が出ているときは 充実しているし、
それで構わないのですが、
思うように成果が表れないと しんどくなってしまいます。

「プロ」と言われる人種は、
「どれだけ頑張ったか」ではなく
「どれだけ成果をあげたか」で評価されます。
(スポーツの世界などは残酷なまでに分かりやすいですね)

前述の「まじめ」なタイプの人は、
時として「頑張ったけど報われない(頑張り損)」
に陥ります。

そうならないためにも、世界一流エンジニアのように
「いかに努力しないで成果をあげるか」
という発想が必要になると思います。

最近よく言われる
「コスパ(コストパフォーマンス)」
「タイパ(タイムパフォーマンス)」
の考え方にも通ずるところがありますね。

かの発明王も ”怠惰” であった

ここからは 本書にはない内容になりますが、
この「Be Lazy (怠惰であれ)」の項を読んで、
私は 個人的に大好きな偉人のエピソードを思い出しました。

それは
「 ” 発明王 ” トーマス・エジソンの最初の発明」のエピソード です。

エジソンは カナダの駅で夜間の電信係という仕事に着きます。
(詳細は Wikipedia にも記述があります。)
その仕事の内容は
「一晩中、異常がなければ1時間おきに電信(信号)を送る」
という退屈なもの。

Wikipedia 中には記載がありませんが、
設備保全をしている私からすると
電信の動作確認も兼ねていたのかな…などと推測します。
(いざというときに通信不良だと、連絡不可になってしまうので)
もちろん、「ちゃんと勤務していますよ」の
確認も兼ねていたのかもしれませんが。

仕事の理由はさておき、
この退屈な仕事に着いていて
エジソンは きっとこう思ったのではないでしょうか?
「…これって、俺がやる意味あるん??」

賢いエジソンは、この
「1時間おきに電信を送る」作業を
自働化してしまいます。
(& それをいいことに、本人はサボって寝ていたらしい)

あまりにエジソンが勤務している時間帯の連絡が時刻ぴったりなので、
不思議に思った職員が様子を見に来て
「お前が寝とったら、この仕事の意味ないじゃないか!!」
とエラく怒られたそうな
(ちなみにその後、通信ミスによる列車事故を起こしかけたらしい)

私は このエピソードを知ってから、常に
「この仕事、自分が(あるいは人が)やる必要あるの?」
「仕事自体をなくすか、せめて自働化できないの?」

という発想を忘れないように仕事をしています。

話は書評に戻って、
「Be Lazy (怠惰であれ)」
エジソンのエピソードは
どことなく通ずるところがあると思いませんか?

私は、ここに気付いて 非常に大きな共感を得ました。

まとめ

エンジニア(技術者)の世界は、
「頑張ることが全て」ではない。
むしろ「いかに頑張らずに成果をあげるか」が大切である。

それがこの本の根幹であり、
それを実践するうえでのエッセンスがまとめてある
…そのように感じました。

エンジニアとして働く方々にとって、一読に値する本であると
自信を持ってオススメします。

お読みいただき、ありがとうございました。


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