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「日本的感性」を読んで

この本の裏帯に次のように書いてます。
「花の好みに現れるように、日本人には西洋人とは違う感じ方がある。『おもかげ』、『なごり』、『なつかしさ』など、日本人にとってそのものに『詩』を感じる言葉がある。〈世界〉が〈われ〉のなかでどのように響き合うのか。それが感性であるならば、その多くは文化的な環境のなかで育まれ、個々の文化に固有の感性が生まれるだろう。本書は、日本的感性を和歌を素材として考察し、その特性である『ずらし』と『触覚性』を明らかにする」

カントが主観的普遍性という言葉を使って美を説明したことが記憶に残っていました。では国民的な好み、センスはどうなのか、アメリカ人の好み、中国人の好み、フランス人の好み、スペイン人の好み、そして日本人の好みとは?そしてその好みというのは、なぜ発生するのか、その要因、ファクターは?ということを考えていたとき、この本を目にして購入しました。もう何十年前のことですが。

日本人の好みについて、日本の建築意匠の教授と、懐石料理を食べながら話しをさせてもらった楽しい記憶があります。
K教授は、中国から日本に入ってきた中国の屋根を例にとり、当初、日本に入ってきたときは、かなり反っていた屋根が時代を経るにしたがって、だんだん反りが少なくなったのは、それが日本人好みだった。と言われていた記憶があります。日本の山はなだらかで、ゴツゴツしていません。日本の山の形、なだらかな形が、日本人好みの一つの要素になったのでは、という話しをさせてもらった記憶があります。育った環境、自然環境、文化的環境、農耕民族、狩猟民族などさまざまなファクターが、その国民の好みとなり、日本人好みとなるのではないかと思う。

この本は、和歌を素材として解説しています。和歌について疎いので、前読んだとき、飛ばし読みしたので、今度はゆっくり読んでみたい。

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