弁護士 三浦悠佑

ブランディング弁護士。「正々堂々と胸を張って働ける会社をつくる企業法務」を展開。企業法…

弁護士 三浦悠佑

ブランディング弁護士。「正々堂々と胸を張って働ける会社をつくる企業法務」を展開。企業法務、特に法務コンプラ体制づくりを得意としています。渥美坂井法律事務所パートナー、日本ブランド経営学会監事。元日本郵船法務FTPG(出向)※noteの記事内容と所属団体等の公式見解とは無関係です。

最近の記事

はじめてのブランディング~仲間を集める方法

「コンプライアンス×ブランディング」を進める中で一つだけ心配だったのが、ブランディングに当事者として関与した経験に乏しいということだった。 「コンプライアンス×ブランディング」は、法務機能の一部とみなされてきたコンプライアンスを企業のブランド戦略の一部として再構成する試みで、どちらかといえば、ブランディングの営みの中にコンプライアンスを要素として盛り込むものだ。 だから、提唱者である僕自身が肝心のブランディングについて「大学の頃勉強しました」「本を読んでいます」というわけ

    • JCXAS:モノクロに沈んだコンプライアンスにカラフルな未来への芽吹きを

      僕が2019年からやっているコンプライアンス担当者の勉強会にRe:houmuというものがある。Re:houmuはもともと僕がやっていたセミナー受講者たちの同窓会組織。当時は珍しかった(今でも珍しいかもしれない)ワークショップ型のコンプライアンス研修で盛り上がった受講者たちの「もっとこの人たちと話をしていたい!」という要望に応える形で始まったものだ。 このRe:houmuを2024年に法人化し、JCXAS(日本コンプライアンストランスフォーメーション協会)として新しくスタート

      • 注目のあの企業のブランド価値はどうなった?Best Japan Brands 2024に見るブランド価値とコンプライアンス

        先日、Interbrand Japanが毎年作成・公表しているBest Japan Brands 2024が公開されました。Best Japan BrandsはInterbrand Japanが財務情報などを基にした独自の評価基準で算出したブランドの経済的価値をランキング形式で発表しているものです。 2023年は大手企業を中心に大きな企業不祥事が相次いだ年でした。2023年不祥事を起こした企業のブランド価値はどう変わったのか、また過去に不祥事を起こした企業のブランド価値の回

        • 【図解】企業不祥事の原因「4分類」

          こんにちは。ブランド×弁護士の三浦です。「コンセプトドリヴン・コンプライアンス」が発売から1年を迎えました。本を通じてたくさんの人たちとの出会いがあり、中には書籍を使って自社のコンプライアンスをリニューアルを進めている、という嬉しすぎる報告もありました。本の力は偉大ですね。 さて、今日は企業不祥事の原因の基本の4パターンを図解していきます。私がクライアントに説明する際によく使うのは下記のマトリクスです。 縦軸は法律ー非法律軸。原因が法律やルールに直接関係するものなのか、そう

        はじめてのブランディング~仲間を集める方法

          新人弁護士、ロースクール生に伝えたい危機管理業務の魅力

          こんにちは。ブランド×弁護士の三浦です。先日、事務所の新人弁護士たちに「危機管理業務」について研修を行う機会がありました。今日は研修の中から特に「危機管理業務」の中身と魅力ついてピックアップしてお話ししたいと思います。 危機管理業務とは?危機管理業務は新しい分野 危機管理業務と聞いて、皆さんはどんなイメージを持ちますか?ちなみに事務所の新人たちのイメージは、 不祥事起こした企業の記者会見で社長の横に座る。 ヒアリングをたくさんやる。 何だかめちゃくちゃ忙しそう。

          新人弁護士、ロースクール生に伝えたい危機管理業務の魅力

          少数派が多数派の心を動かすための「3か条」

          こんにちは。ブランド×弁護士の三浦です。今日は少数派が多数派の考え方に影響を与えれる方法について考えてみます。私が「コンセプトドリヴン・コンプライアンス」で掲げているブランディングと融合した前向きで楽しいコンプライアンスもまだまだ少数派。ブランディングを始めるのも、コンプライアンスを前向きにするのも最初はたった一人という究極の少数派から始まります。 多数決の前では少数派は多数派を動かすことはできないのか?少数派であっても多数派の考え方を変えるべき方法とは?なお、本日の記事は

          少数派が多数派の心を動かすための「3か条」

          人的資本経営の未来:エンゲージメントとコンプライアンスの調和

          こんにちは、ブランド×弁護士の三浦です。今日は最近のバズワードの一つである人的資本経営について考えていきたいと思います。人事部門、コンプライアンス部門双方の人にとって何かヒントになれば幸いです。 人的資本経営についておさらい人的資本経営とは、従業員の能力やモチベーション、健康などを重視し、組織の競争力や成長力を高める経営手法です。人的資本経営を実践することで、従業員の満足度や生産性が向上し、離職率が低下するというメリットがあります。また、人的資本経営は、社会的責任やブランド

          人的資本経営の未来:エンゲージメントとコンプライアンスの調和

          エシカル・マーケティングにおいて、コンプライアンス活動を積極的に発信するというアイデア

          ブランディング×弁護士の三浦です。最近別々の企業の担当者から「企業理念・パーパスとの連携」「参加型ルールメイキング」の実施例を立て続けに耳にしました。これらは「コンセプトドリヴン・コンプライアンス」でも提唱している新しいコンプライアンスのメソッドです。私と同じ考えを現場で実践している企業が増えていることをとても嬉しく思います。 さて、今日はエシカル・マーケティングにおけるコンプライアンスの活用ついて考えてみたいと思います。今回の記事もBing AIとChatGPTのアシスト

          エシカル・マーケティングにおいて、コンプライアンス活動を積極的に発信するというアイデア

          「たった10%の賛同」で組織が変わる?ワークショップの成功法則

          こんにちは。ブランディング×弁護士の三浦です。先日は、Business Lawyersランチタイムセミナーに400名を超えるたくさんの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。 多くの方々に支えられ、イベントは大成功となり、88%を超える方々から内容に満足したとのご回答をいただきました。これも皆さまの熱心なご参加とご意見のおかげです。 近日中にアーカイブの配信も予定されておりますので、イベントの内容を振り返りたい方や参加できなかった方も、ぜひご期待ください。 ワ

          「たった10%の賛同」で組織が変わる?ワークショップの成功法則

          コンプライアンスの戦略的マネジメント: 企業価値向上への鍵

          こんにちは。ブランド×弁護士の三浦です。最近、noteでの投稿がきっかけでご連絡いただくことが増えてとても嬉しいです。「誰もが正々堂々と、胸を張って働ける社会」の実現のため、これからも発信を続けていきます。 今回はコンプライアンスに対する戦略的なマネジメントの重要性についてお話しいたします。コンプライアンスへの積極的な取り組みは、お客様に選ばれるブランドづくりや魅力的な組織づくりに繋がり、企業価値にプラスの影響をもたらすのです。 コンプライアンスのビジネス上の価値コンプラ

          コンプライアンスの戦略的マネジメント: 企業価値向上への鍵

          データが明かす驚愕の真実!情緒的共感無きコンプライアンスは有害?

          データが暴く驚愕の事実――論理的正しさではなく情緒的共感こそがコンプライアンスのカギ?パーソル総研の調査結果は、あなたのビジネスに大きな影響を与えるかもしれません。 皆さんこんにちは。ブランド×弁護士の三浦です。今日は2023年パーソル総合研究所が先日発表した「企業の不正・不祥事に関する定量調査」の一部を紹介しながら、コンプライアンスと情緒的共感との関係について迫っていきます。 データが示すコンプライアンスの「こなし意識」と、情緒的共感の重要性「こなし意識」の危険性 2

          データが明かす驚愕の真実!情緒的共感無きコンプライアンスは有害?

          【3-WHYsモデル】インナーブランディングを促進する社内研修デザイン

          こんにちは。ブランディング×弁護士の三浦です。 コンセプトドリヴン・コンプライアンス: 担当者の9割が見落としている企業コンプライアンスの極意のペーパーバック(紙の書籍)版、現在鋭意作成中です。本の判型や文字の大きさ、フォントなど結構決めることが多く、四苦八苦しています。 さて、今日は「インナーブランディングとコンプライアンス」についてお話しします。 インナーブランディングとは?インナーブランディングとは、社内に「ブランドの体現者」を増やすことを目的としたブランディング

          【3-WHYsモデル】インナーブランディングを促進する社内研修デザイン

          ChatGPTで考える、ブランド戦略としてコンプライアンス

          こんにちは。ブランド×弁護士の三浦です。「コンセプトドリヴン・コンプライアンス: 担当者の9割が見落としている企業コンプライアンスの極意」 を職場や勉強会で回し読みしたい、書籍付きセミナーをお願いしたいというお声をたくさんいただいております(中には「サイン本が欲しい」という方も…笑)。ありがとうございます。 そこで、4月をめどに紙の書籍(ペーパーバック)も読めるようにしたいと思い、現在レイアウト調整などを行っていますので楽しみにお待ちください。 さて、本日は「ブランディン

          ChatGPTで考える、ブランド戦略としてコンプライアンス

          Best Japan Brand 2023に学ぶ、ブランドの「整合性」

          こんばんは。ブランディング×弁護士の三浦です。今回は、先日株式会社インターブランドジャパンが発表したブランドランキング | インターブランドジャパン (interbrandjapan.com)を見ていきたいと思います。 優れたブランドの条件=整合性。Best Japan Brand 2023の報道発表資料によれば、2023年に大きく価値を向上させたブランドには、「Agility(俊敏力)」「Coherence(整合性)」「Distinctiveness(独自性)」の3点が高

          Best Japan Brand 2023に学ぶ、ブランドの「整合性」

          スタートアップ・ブランドがコンプラ対応のまえにやること

          こんにちは。ブランディング×弁護士の三浦です。事務所では「スタートアップ支援グループ」にも所属しています。今回は、前回の記事「スタートアップ・ブランドに、本当にコンプライアンスは必要なのか?|弁護士 三浦悠佑|note」の続きということで、スタートアップ・ブランドに必要なコンプライアンスとは何かについてお話をしたいと思います。 完璧なルール整備は不可能。じゃあどうする?リソースも時間も限られているスタートアップ・ブランドにとって、全ての法律の要請に完璧に対応せよというのは、

          スタートアップ・ブランドがコンプラ対応のまえにやること

          スタートアップ・ブランドに、本当にコンプライアンスは必要なのか?

          こんにちは。ブランディング×弁護士の三浦です。「コンセプトドリヴン・コンプライアンス」、たくさんの人に読んでいただきありがとうございます。Amazonのレビュー含め、温かい言葉を方々から頂き感激しています。読んでないよ!という方は、これを機会にぜひよろしくお願いします(笑)。Kindle Unlimited対象です。 さて、普段は弁護士としてコンプラや企業不祥事を主戦場にしている私ですが、実は事務所の「スタートアップ支援チーム」にも所属しています。そこで、今日は「スタートア

          スタートアップ・ブランドに、本当にコンプライアンスは必要なのか?