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働き手と共に創る「働きがい」が新たなブランディング要素に。

こんにちは!
ブランディングテクノロジーの公式noteに寄稿をさせていただいております、山崎です!

企業の経営課題の解決に必要なコンテンツ制作業務を行い始めてから、様々なお悩みを経営者から伺います。伺うお悩みの中でもっとも多いキーワードの一つが、「採用」。もっと言うと、採用ブランディング。

この売り手市場の中で、いかにして自社らしさを伝えていくか…自社に興味を持ってもらうか…と、各社試行錯誤を繰り返しておられます。そうした企業の中には、社内や従業員向けに様々な取り組みを行っている一方で、それらの価値をうまくブランディングに繋げることができていない企業を見かけることがあります。

そこでご提案したいのが、自社の“らしさ”に合ったランキングやコンテストプログラムへの参加です。これらに参加し、上位入賞・受賞することができれば、公平な第三者評価価値と新たなブランド価値を獲得することができます。

今回ご紹介するのは、株式会社働きがいのある会社研究所が運営する『日本における「働きがいのある会社」ランキング』。

「働きがいのある会社」ランキングとは?

まず、「働きがいのある会社」とはどのようなものなのか。

“Great Place to Work® Institute Japan(GPTWジャパン)はランキング参加企業のアンケート結果を点数化し、一定レベルを超えた会社を「働きがいのある会社」として発表しています。アンケートは従業員向けと企業向けの2種類で構成されており、GPTWジャパンと外部有識者からなる委員会が精読し点数をつけ、ランキングを決定しています。アンケート項目と評価基準はグローバル共通です。”
(2019年版日本における「働きがいのある会社」ランキングとは?)

また、ここで挙げられる「働きがい」についても、同社は次のように定義しています。

“Great Place to Work®(GPTW)は、「働きがいのある会社」とは「働きやすさ」と「やりがい」の両方がかね備わった組織であると考えています。”

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(「働きがい」とは?)

・就労条件
・報酬条件
・仕事内容とモチベーション
・変化、成長の機会

上記で定義されている「働きがい」を構成する要素は、株式会社 マイナビが公開している「2019年卒マイナビ大学生就職意識調査」でも次のような結果が。

◼︎企業選択のポイント 
3)あなたが企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか。自分のやりたい仕事(職種)ができる会社  |38.1%
安定している会社            |33.0%
給料の良い会社             |15.4%
社風が良い会社             |14.1%
勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社  |13.7% 

“らしさ”を体現する中規模企業3社

企業、従業員、求職者にとって「働きがい」が大切だということはわかるが、あまりに抽象的な言葉であるため、働きがいを創出するために取り組んでいる具体的な施策とセットでなければ、その魅力が伝わりにくいものです。

そうした際、もっとも有効な手段の一つとして自社の“らしさ”に合った(第三者が主催する)ランキングやコンテストプログラムへの参加が有効。中でも、具体的な施策を取り上げてランキングに掲載をしてくれる同ランキングがオススメです。

ランキングページからは受賞企業の具体的な取り組みを見ることができ、中には真似できそうな取り組みも多数見受けられます。

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「No Feedback, No Concur」
覚えやすい合言葉とそれを浸透させる具体的な取り組みがいくつか紹介されています。

・フィードバックを習慣化させるための言葉や具体的なコツをまとめる。→カード化
・得意分野を他の社員に教える勉強会開催
・感謝の気持ちを伝える手紙

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「新・働き方宣言制度」
それぞれの働き方を知り、尊重し合えるような具体的取り組みが紹介されています。

・全社員が自分の一週間の働き方を宣言
・グループウェア上で公開
・宣言を尊重したチームワークを行う

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「日本一勉強する会社」
取り組んでいる施策の一つに挙げられているのが「未来活動」。就業時間の10%を未来のために使うというもの。具体的には、勉強や改善活動にあてているのだといいます。
(詳しくは、こちら。)

受賞企業のHPを訪れてみると、ニュースリリース欄にて受賞報告を行っています。

2019年版 中規模部門 2位
サイボウズ株式会社

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中規模部門 4位
freee株式会社

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社内や従業員への取り組みは表面的にはわかりづらいですが、こうした第三者評価価値を手にすることで自社のブランドを構築するための大きな要素になっています。

「働きがい」と業績に関連性はあるのか?

こうした「働きがい」を向上させる取り組みは、業績にも好影響を与えているといいます。

“分析の結果、「ベストカンパニー[※1]」の方が「ノンベストカンパニー」より売上の対前年伸び率が21.9%高い結果となり、かつ、統計的に有意な差があることが確認できました。”
[※1]…同ランキングにランクインしている企業のこと。

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“ある時期に「ベストカンパニー」に投資した場合に、7年後にどうなったかを分析したデータ(参照図④)があります。業績がそのまま株価に反映されるわけではありませんが、1つのご参考として紹介いたします。”

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「働き方改革」で業績は向上するのか? ~"働きやすさ"、"やりがい"と業績の関係~」

「働きがい」を生む企業と個人の関係性

*以下、上記を受けての個人的な考察・意見です。

ここまで「働きがいのある会社」ランキングと「働きがい」に関わる考察を拝見していて、同社が提唱する「働きがい」の定義については私も同意見です。

“Great Place to Work®(GPTW)は、「働きがいのある会社」とは「働きやすさ」と「やりがい」の両方がかね備わった組織であると考えています。”
(「働きがい」とは?)

その上で、「働きがい」は個人と企業が共創していくものであり、それぞれに共創できる個人・企業として求められることがあると考えています。

▼個人編

「働きがい」を共創できる個人であるためには、2つのことが求められると考えています。

①自分が大切にしたいものを明確にする。
②①の想いを実現するために、環境・機会を活かす。

まず働く個人は、「いくつかの自分」を持っています。会社員としての自分、プライベートな自分、将来の会社員・プライベートな自分、理想の自分…など。

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上記の図を踏まえた上で、冒頭で触れた「働きがい」を構成する要素、個人が就職先へ求める要素をもう一度振り返ってみます。

・就労条件
・報酬条件
・仕事内容とモチベーション
・変化、成長の機会
・社風

こうしてみると、働き手が上記のようなものを大切にしたいと考える背景が見えてきます。

例えば…

ⅰ)仕事内容やモチベーションを大切にされる方は、①会社にいる自分を大切にしている。
ⅱ)変化、成長の機会を大切にされる方は、②将来の会社にいる自分を大切にしている。
ⅲ)報酬条件やワークライフバランスを大切にされる方は、③プライベートな自分 ④将来のプライベートな自分を大切にしている。など…

もっともシンプルな例をいくつかあげましたが、個人が大切にしたいものを大切にできる環境にいる時に「働きがい」を感じるというのが「働きがい」が生まれる瞬間の一つ。これは、つまり個人と企業がそれぞれ大切にしたいことが合致している状態であると言えるでしょう。

この場合、企業が提供している環境・機会を個人がうまく活用することができれば、企業に勤めながら自己実現を目指すことができる個人とそれをサポートする企業の関係性が生まれます。

一方、「どんな自分を大切にしたいのか」が明確でない方の中には「働きがい」を感じられず悩んでいる方もいらっしゃると思います。そのような方にとっては、企業が個人をリードするような関係性が必要になるでしょう。

企業が理念やビジョンを掲げ、それらを体現する具体的な取り組みを実施し、会社と個人をより良い方向へ導くような形です。“らしさ”を体現する中規模企業3社で触れた各社の取り組みは、まさにその事例。

取り組みに参加している社員の中には個人として大切にしたいことと企業の取り組みが合致すると感じて参加している方もいるかと思いますが、その一方で取り組みに参加して初めて自分が大切にしたいことに気づいた方や改めて大切にしたいことを思い出した方もいらっしゃると思います。

前者の対等な関係性も後者の企業がリードするような関係性もそれぞれに大切にしたいことが合致、あるいは共有できているため、「働きがい」を共創している関係性と言えます。

▼企業編

企業としては、「働きがい」を共創できる企業であるために2つのことが求められると考えています。

①自社が大切にしたいことの明確化
②①を軸にした個人との関係性作り

まず、個人と企業を大きく分けると以下のようになります。

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そして、これら4者から生み出される関係性は4つ。

ⅰ)大切にしたいことが明確な個人 × 大切にしたいことが明確な企業
ⅱ)大切にしたいことが明確な個人 × 大切にしたいことが明確じゃない企業
ⅲ)大切にしたいことが明確じゃない個人 × 大切にしたいことが明確な企業
ⅳ)大切にしたいことが明確じゃない個人 × 大切にしたいことが明確じゃない企業

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さらに、これまで「働きがい」を共創できる個人と企業について書かせていただいた中で登場したのが、次のパターン。

ⅰ)大切にしたいことが明確な個人 × 大切にしたいことが明確な企業
→企業が提供する環境や機会を個人が活用することができる。個人と企業が大切にしたいことを共有することができ、「働きがい」を生み出しやすい。
ⅲ)大切にしたいことが明確じゃない個人 × 大切にしたいことが明確な企業
→大切にしたいことが明確な企業が個人をリードし、日頃の業務や理念に基づいた取り組みを継続的に行うことで、個人の成長や変化を促す。その結果、リスペクトし合える個人と企業の関係性が生まれ、「働きがい」を生み出しやすい。

「働きがい」を共創できる企業であるために大切にしたいことを明確にすることは、第三者がその企業を探し当てる際のキーワードを創り出すことになり、持続的に関係性を育んでいくにあたっての土台・土壌にもなります。


一方で、登場していないのが次のパターン。

ⅱ)大切にしたいことが明確な個人 × 大切にしたいことが明確じゃない企業
ⅳ)大切にしたいことが明確じゃない個人 × 大切にしたいことが明確じゃない企業

企業側が大切にしたいことを明確にできていない場合は、大切にしたいことが明確な個人と共有できるものがなく、大切にしたいことが明確じゃない個人をリードすることも難しいため、個人との「働きがい」の共創が難しい。

「働きがい」の創出に取り組んでいる企業と同ランキングに掲載している企業は、そのような個人と企業の関係性を理解し、いち早くそれぞれの取り組みに着手しているのかもしれません。

最後に

約420万社もの企業がひしめく中、自社の存在を知ってもらうためにはあらゆる工夫と知恵が必要な時代になりました。

たとえ素晴らしい取り組みを行っていても、それを知ってほしい人に知ったいただくことができなければ「応募」「求職」行動を引き出すことはできません。

自社に合う人材に存在を知ってもらうきっかけとして、今回ご紹介をしたようなランキングやプログラムに参加してみてはいかがでしょうか。

ランキングやコンテストで受賞が叶えば、多くの人が御社の企業価値を知る機会になるだけではなく、既存の従業員のエンゲージメントを高めるきっかけにもなるかもしれません。一方、上位賞の受賞、入賞が叶わなくとも、自社が大切にしていることを改めて省みる機会になり、“らしさ”やブランドを構築するための一歩になることは間違いありません。

参考

◼︎「日本における「働きがいのある会社」ランキング」
https://hatarakigai.info/ranking/japan/2019.html

◼︎「2019年卒マイナビ大学生就職意識調査」
http://mcs.mynavi.jp/enq/ishiki/data/ishiki_2019.pdf


執筆者プロフィール

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「今回は働き手視点に寄せた内容になりましたが、今後企業視点でもこのような話題に触れていきたいと思います。引き続き宜しくお願い致します。」

山崎 貴大
1993年3月生まれ。文教大学 湘南校舎 国際観光学科卒。
旅行会社にて成田空港での訪日旅行業務に従事した後、経営者プラットフォームを運営するベンチャー企業へ転職。現在は、各社の経営課題の解決を目的としたコンテンツ企画・制作事業の立ち上げを経験し、同事業の責任者 兼 同社の編集長を務めている。
複業では、ブランディングテクノロジーの公式noteへの寄稿の他、経営者・起業家取材、採用広報コンテンツ制作等を行っている。