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トヨタのブランドパーパスを勝手につくってみる

気になる企業のブランドパーパス(Brand Purpose)を勝手につくってみる「勝手にブランドパーパス」シリーズ。記念すべき第一回目は、トヨタです。

最近は時価総額でテスラに抜かれてしまったものの、日本が世界に誇るグローバルカンパニーであり、世界中で尊敬される企業であることにはかわりありません。

そんなトヨタのブランドパーパスを考えてみたいと思います。

トヨタが創業から一貫するのは「動力で機械を動かして人の役に立てる」こと

まずブランドパーパスを考える上で大切なのは、その企業の原点。

トヨタの起源ば、創業者の豊田佐吉が自動織機を発明し、綿製品の製造を始めたところにあります。自動織機から自動車に主力事業は移りましたが、創業時から変わらないのは、「動力で機械を人のために動かす」ことです。初期の自動織機は、蒸気機関や石油を使った発動機で動いていました。

そして自動車は現在主流のガソリンを使った内燃機関、さらに将来は EV、燃料電池にシフトしています。動力のエネルギー源とテクノロジーは変わり続けますが、変わらないのは、動力で機械を動かし人の役に立てる、という点ではないでしょうか。これがトヨタの創業から一貫する精神であるように思われます。

強みは、コスト効率よく高い品質で、大量に生産できること

次にトヨタの強みについて。

トヨタ車と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

品質がよい、安全性が高い、環境にも配慮している、といったあたりでしょうか。トヨタブランドは決して「セクシー」ではありませんが、絶対的な信頼感があります。実際、海外の中古車市場でトヨタは一番値下がり率が低いブランドの一つです。製品に対する信頼の高さがわかります。

そして、トヨタの強みは、品質の高い自動車を、多くの人が手に入れやすい価格で大量に製造できることです。

品質への信頼を武器に、その販路は世界中にひろがっています。あらゆる国を対象にするそのスケールの大きさ、これもトヨタの強みでしょう。

こうしたことからトヨタの強みを抽出すると、「世界中を相手にするスケール」、「品質」、「安心」といったキーワードが浮かび上がってきます。

社会価値は、あらゆる人とモノを安全に、自由に移動し、世の中をつなげること

そしてブランドパーパスを考えるうえで大切なのが、その会社が世の中に提供する価値です。

自動車で移動する、とはどういうことでしょうか。大切な家族と旅にでかける。一人気ままにドライブを楽しむ。大切なモノを誰かに届ける。車に移動手段があることによって、人とモノが自由に地上を移動し、つながることができます。

電車や飛行機と車が違うのは、車は、自宅から目的地までドンピシャで移動できること。そして、気が向いたら寄り道をしたり、車内でおしゃべりしたり、音楽を聴いたり、自分の思うままに移動を楽しめます。

「自由」が自動車のブランドパーパスでは重要なキーワードになりそうです。

トヨタならではの価値

ではトヨタならではの社会的価値はなにか?

トヨタは高い製造技術によって、品質と安全性の高い製品を、手に入りやすい価格で大量につくることができます。つまり、世界中のあらゆる人を対象に、移動手段を提供していくことがまずあげられます。

そして、地球環境にやさしい自動車の開発もトヨタが世界をリードすべき領域です。プリウスに代表されるハイブリッド車の技術、これからの主流になるかはまだわからないものの、究極のエコカーとして期待される水素を燃料とする燃料電池車など、自動車の環境技術でも世界をリードする存在です。

テスラに先行を許してしまいましたが、電気自動車の分野でも、潜在的な力ではトヨタが逆転する可能性はまだ充分にあります。

まとめると、世界中の人を相手に、車という移動手段を通じて生活の質を向上させながら、地球環境と車がサステナブルに共存する未来を実現する。これがトヨタならではの社会的貢献と言えそうです。

トヨタのブランドパーパスを勝手につくってみた -「地球と、走る」

現在のトヨタのビジョンはこうなっています。

モビリティを社会の可能性に変える。   
不確実で多様化する世界において、トヨタは人とモノの「可能性」=移動の量と質を上げ、人、企業、自治体、コミュニティができることをふやすそして、人類と地球の持続可能な共生を実現する。(トヨタHPより抜粋)

このビジョンで特筆すべきなのは自社の事業ドメインを「モビリティ」と定めたことです。

自動車メーカーから、モビリティのサービスを提供する企業に変革していこう、という強い意思を感じます。これは素晴らしいビジョンですね。

が、これを褒めて終わってしまってはこのノートの意味がありません(笑)。

キーワードは、「動力」、「移動」、「自由」、「世界中のあらゆる人」、「地球との共生、サステナビリティ」などです。これらを統合すると、トヨタのあるべきブランドパーパスは、

地球と、走る
トヨタは、全ての人がいきいきと暮らせる社会をつくるために、人とモノの移動を自由にします。そして、住みよい地球を未来に残すため、人と自然が共生する社会を目指します。私たちは、地球とともに走り続けます。

と考えてみました。どうでしょうか。

ブランドパーパスを考える上で大切なのは、その会社ならではの存在意義です。では、トヨタならでは存在意義とはなんでしょうか?

世界中のあらゆる人に移動手段を提供し、そして地球規模での環境問題の解決に貢献する。そんなスケールのゴールを掲げられる会社は多くありません。トヨタはそんなスケールで語ることが許される数少ない企業です。よって、「すべての人」を対象に、「地球」規模で、「自由に移動」する。そんなメッセージがトヨタのブランドパーパスにふさわしいのではないでしょうか。

こうしてブランドパーパスをつくってみると、あらためてトヨタの持つ事業ドメインの広がりの可能性に気づかされます。

自動車マーケットというのは、運転免許証を持って自分で運転する人に限られてしまいますが、「全ての人に自由な移動手段を提供する」と考えるとどうなるか?

車を運転できない、子供、学生、お年寄り、障がい者もターゲットにすると新たな市場が見えてきます。また免許を持っていても車を保有していない人にUberのようなタクシーサービスをトヨタ自ら提供してもいいでしょう。

「すべての人」のためにという使命感を持ちながら、「地球を自由に移動する方法を提供する」会社って、かっこいいし、ワクワクしませんか?

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「勝手にブランドパーパスをつくってみる」シリーズとして、今回はトヨタを考えてみました。関係者の皆様からすれば「勝手に考えるな!」と思われる内容かもしれませんが、いちトヨタファンの戯言としてご容赦いただければ幸いです <(_ _)>

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