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ヨーヴィルタウンの新監督にマーク・クーパーが就任

解任、そして後任は突然に

10月27日、”クリス・ハーグリーブス監督解任”が発表された。
リーグは16試合を終えて2勝6敗7分。
総得点はわずかに13。
チームは降格圏の21位に沈んでいた。
経営状態などからスカッドに限界があるとはいえ、この状況に対するサポーターから不満が噴出することは避けられなかった。
そんな中、クラブは決断した。

それはリリースの直後のこと。
監督解任を告げる地元紙サマセット・ライブの記事中にひとりの名前が挙がった。

マーク・クーパー Mark Cooper

フォレストグリーンなどを率いた彼を地元紙は”後任”として紹介し、サポーターは様々な反応を見せた。
記事が出た段階では、クラブは後任について週末の試合までに発表するとしていた。

様々な反応・憶測が出る中、リリースから数時間後、クラブから新監督についての発表があった。
そこにあった名は、マーク・クーパー。

新監督マーク・クーパー Mark Cooper

クラブは新監督を「豊かな経験と昇格の実績」を持つ監督と紹介している。
彼は現在53歳。
契約期間は2年半となっている。

彼はクラブのリリースを通じてコメントを発表している。

このチームに来れて喜んでいる。
既に見知った顔が何人かいるので、ここで働けることに興奮しているし、本当に楽しみだ。

クラブ公式リリースより

またサポーターにもチームへの協力・声援を求めている。

歴史的に見れば、ヨーヴィルタウンはビッククラブになることが出来るだろう。
そのためにサポーターも選手も共に団結しなければならない。
共に歩むことで、我々は大きな役割を果たすことが出来るのだ。

クラブ公式リリースより

このコメントはクラブの首脳陣とサポーターの間の壁を示唆しているとも読み取れる。

新監督就任に際し、クラブオーナーのスコット・プリーストナル氏もコメントを出している。

マークをクラブに迎えられて、とても喜んでいる。
彼は私が長い間尊敬してきた監督だ。

クラブ公式リリースより

新監督マーク・クーパーのキャリア

選手キャリア

現役時代のポジションはミッドフィルダー。
ユース時代はブリストルシティで過ごした。
プロキャリアも同チームでスタートさせたものの出場機会は無く、エクセターシティに移籍した。
当時エクセターシティは彼の父親で元イングランド代表のテリー・クーパー Terry Cooper が率いていた。

父親のテリー・クーパー

エクセターシティでは2年間で50試合に出場し12得点を挙げた。
その後はバーミンガムやフラムでプレイし、1994年に再びエクセターシティへ。
この時は88試合に出場、20得点だった。

バーミンガム時代のマーク・クーパー

エクセターシティ退団後はフォレスト・グリーン・ローヴァーズやタムワースなどを渡り歩き、ケタリングタウンでプレイしていた2009年に引退した。

指導者キャリア

指導者としてのキャリアは、古巣タムワースでアシスタントマネージャーとしてスタートした。
2009年にはチャンピオンシップのピーターバラの監督に就任するも13試合で解任された。
その後は当時EFL1のスウィンドンタウンやEFL2のノッツカウンティを率いた。
フォレスト・グリーンを率いた時はチームをナショナルリーグからEFL2に昇格させ、さらにはEFL1の昇格プレーオフまで導いた。

昨季はEFL2のバローを率いるも平均勝ち点1.09で降格の危機に。
3月には昨季開幕直後のリーグ戦で女性副審に侮辱的な発言を行ったとして8試合の出場停止が決定。
これを受けてシーズン終了を待たずに退団した。

予想される布陣と戦術

3-4-2-1の場合(予想)

フォーメーション

昨季のバローでは3-4-1-2 / 3-4-2-1のパターンが多かった。
しかしこれらに固執しているわけではなく、相手やチーム状況によって変更している。
上記の他には5-3-2や4バックも採用している。

先日のメイデンヘッド戦とウォキング戦を見ると、最終ラインの3人とウィングバックは画像の面々がファーストチョイスと思われる。

ボランチは、ウォキング戦ではWorthingtonの代わりにJamie Andrewsが選ばれていたが、これまでの実績から考えてもStauntonとWorthingtonのペアが有力か。

前線はハーグリーブス体制同様の3人になりそうだ。
しかしPearsonは現在一時的にローン元のブリストルシティに戻っているためにメンバー入りしていないだけで、戻ってくればスタメン入りは十分に考えられる。
その場合はLintonを中央に据えて、ToureとPearsonが左右を固める形になるだろう。

戦術

※以下の内容はクーパー就任後の2試合を見ての記述である。今後追記をしていく予定。

ディフェンスラインは高めに設定し、マンマークではなく、オフサイドトラップを狙っているようだ。
コーナーキックの際にはキーパー前に2,3人がゾーンで守り、その他のディフェンスはマンマーク。
プレスは比較的激しくいっている。

攻撃についてはロングボールを使うが、その出所は中盤から。
ディフェンダーからサイドに展開し、中盤のパスワークの中で前線に中距離のパスを送り、チャンスメイクをしているようだ。
(今後、攻撃戦術について追記する予定)

今後期待されること

クーパーがチームを率いるにあたり要求されることは様々あるが、まずは何より降格争いから脱することだ。
十数試合を戦い、未だたったの2勝という成績を改善し、順位を上げることが求められる。
これは現時点での至上命題だ。

内容に関しては、得点力の向上だろう。
守備については下位に沈みながらも、リーグで高い水準を保っている。
あとは得点力さえ上がれば、順位を上げていくことは難しい仕事ではないはずだ。

最後に

現在ヨーヴィルタウンは財政的に難しい局面に立たされている。
チームの不調とハーグリーブスの解任はこれに起因しているとも言えるため気の毒なところではある。

クーパーは難しい時期に率いることとなった。
もしかしたら彼にとってスカッドは十分ではなく、フロントからのサポートも十分に得られないかもしれない。
だが、何とか頑張ってほしい。
サポーターは彼の求めに応じて、大きな声援を送ってくれるはずだ。
もちろん日本からも。

我々は彼の経験を信じるしかない。
彼が若いチームをまとめあげ、永遠に続くように思えるこの下降を食い止めてくれることを。

このチームは、これ以上降格してはいけないのだ。


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