「食堂み」の女たち24

光恵は夫からの暴力に耐えられず、小さな俊一を抱きかかえて逃げた。しかし逃げても逃げても見つけられ、引き戻され「もう二度と叩いたり蹴ったりはせえへん」と謝るのだが、変わらないばかりか次第に暴力は過激になっていった。ついに二歳の俊一にも手を出すようになり、わが子を守るために、光恵は夫をバットで殴った。刑を終えた後、店を再開させ、これまで必死で生きてきた。
(この女を助けなければ)「うちでよかったら話聞くで。うちも多分あんたと同じような辛い経験がある…」則子という女の肩を抱き寄せ、カウンターに座らせた。


続く

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