見出し画像

足が攣ったとは?


つるとは?

何もしてないのに足がつることありませんか?足以外にも手がつることもありますよね?つるとは何なんでしょう?
まず、つるとは漢字では「攣る」と書きます。この字どこかで見覚えありませんか?「痙攣」けいれんの「れん」で使われていますよね。ということは、攣るとは、痙攣の意味を指すことは示唆されると思います。

攣る=筋肉の痙攣です。

筋肉の痙攣とは、突然に生じる強い痛みを伴う非自発的な筋収縮のことです。非自発的な筋収縮とは、自分では意識しない筋収縮です。そのため、突然に起こってしまうのです。
筋肉の収縮では、反射が最も単純な筋肉の収縮形態となります。


図1:反射経路

上の図のように、刺激入力があることでループを介して筋肉が収縮をする。刺激が入力された時に上位中枢を介さずに反射中枢で処理され、筋肉の収縮が生じる。
ループは反射弓と言われています。例として、膝かっけテストとか言われたりしますが、正式には膝蓋腱反射と呼ばれるものがあります。


図2.膝蓋腱反射(引用:imok Academy)

その反射の感度が高い状態ですと収縮しやすい状態、いわゆる敏感な状態となっています。それを抑制するもの自体が上手く調節できずに、刺激するものが高まってしまっている状態を「攣る」と言います。

サッカーなどで足が攣った選手に対して、トレーナーがストレッチをしている場面をよく見かけます。

例:ふくらはぎが攣った選手に対して膝関節を伸ばした(伸展)した状態で足首をゆっくりそらして(背屈)います。

ここで重要なのが、攣った時は「ゆっくりストレッチを行う」ことが重要です。それが、過敏になっている反射自体を抑制することになります。

医学的に説明すると:筋肉の張力を感知したα運動ニューロンを刺激する筋紡錘の感度が上昇し、腱の張力を感知しα運動ニューロンを抑制する腱紡錘の感度低下が起こっているのが、いわゆる筋肉の痙攣状態と考えられます。そのため、反対に筋紡錘の興奮性を抑えて、腱紡錘の刺激・感度を高めるというのが「ゆっくり」としたストレッチ方法になります。


運動以外でも熱中症での熱痙攣、夜間睡眠時の筋肉痙攣、脱水時の痙攣、疲労時の痙攣、緊張時の痙攣もあるようです。筋肉が攣る原因というのは色々と言われています。
例えば:脱水、代謝、電解質。他にも脊椎疾患(ヘルニアなど)、神経疾患により脳、脊髄からの指令(抑制)が機能しにくい状態しかし、明確な答えが出ていないのも実際らしいです。

筋肉の収縮には色々な物質が必要になります。それを電解質などと言われます。その他にもありますが...
筋肉の収縮に必要な物質としては【ATP、Ca2+、Na-K、乳酸(アシドーシス)、ビタミンE、タウリン、Mg2+】などがあります。

脱水痙攣:脱水とは、水分と塩分(電解質)などが体内に不足していることです。それにより、筋収縮の異常が起こり筋肉の痙攣が生じます。また、風邪による発熱により体温上昇しているときにも汗が出やすい状況になります。汗が口に入った時や汗を舐めてみた方は分かると思いますが、汗はしょっぱいと思います。それは、Na(ナトリウム)塩分を含んでいるからです。胃腸風邪などの下痢の時も食べる、飲むことを抑えてしまうことで、無意識的に水分摂取などが減ります。それにより、痙攣が生じます。

夜間睡眠時の痙攣:夜間に生じる原因としては、2つ考えられます。1つ目は、アルコール・コーヒーなどによる利尿作用による脱水症状が原因と考えられます。2つ目は、就寝前の飲水量の不足です。就寝時には寝汗が多いと聞いたことはありませんか?寝汗をかく理由としては、寝汗をかくことで体温調節を行い良質な睡眠を得るためだと考えられています。また、汗の量としては、健康な大人で一晩に約コップ1杯の寝汗をかくと言われています。

疲労痙攣:疲労そのもので痙攣が生じるのであれば、全ての人が追い込むことで筋肉の痙攣を生じてしまいます。しかし、実際は違います。そのため、体の使い方が悪くフォームが崩れている場合には片側の筋肉など一箇所の筋肉が速く疲労してしまいます。それにより、動作異常が起きてしまうことで痙攣が生じると考えられています。

緊張痙攣:緊張時はアドレナリンが凄く出ている時になります。そのアドレナリンが上位中枢に刺激を与えてしまい、筋収縮に関与する物質も同時に影響を受けることで痙攣が生じると考えられています。

また、最後に妊婦さんも足が攣る場合があります。その原因は、血流障害ではないかと言われています。妊婦さんの場合、妊娠後期によく筋痙攣が生じる場合があります。それは、お腹が張ってくることで血管の圧迫が生じます。それにより、足の血管も圧迫され血流障害となり、血液によって運ばれる電解質などの成分も行き届かないために痙攣が生じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?