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人にやさしくする方法は、人にやさしくされる方法でもあったんだな・・・

僕は労働者になりたい。

それもあのフーテンの寅さんが故郷の葛飾柴又にふらっと帰ってきたときに、タコ社長たちに向かって放つ

「よっ!労働者諸君。今日も一日ご苦労さん!」

の台詞に出てくるような

労働者にね。

よーするに、職場でもお家でも、一日汗まみれになって働いた後、首からぶら下げたタオルで汚れた顔をぬぐいながら夕陽を眺めて幸せを実感しているような

そんな労働者

に僕はなりたいのだ。

ちなみに、僕の今の仕事はいわゆるデスクワークで、肉体を酷使しているわけじゃないから汗なんかほとんどかかないけど、脳みそはめちゃくちゃ酷使はしていて、そのせいで毎日、1日が終わるころには本当にへとへとになっている(そのたびに脳みそも紛れもなく肉体だってことを痛感している)。

だから、今の僕は割とあの理想の労働者に近づいているような気もしている。

一方で、実は今の僕と彼らとの間には大きな違いがあることにも気づいている。

それは寅さんから労われていたあの憧れの労働者は、「諸君」と言われているとおり、集団なのに対して、僕はまだまだ一人で労働者の感動を味わっているに過ぎないからだ。

だから、今の僕の目下の目標は、職場の中に僕と同じ労働者仲間を作って、いつの日か、フーテンの寅さんが慰問でうちの会社を訪れたときにちゃんと

「労働者諸君!」と言ってもらえるような職場にすることである。

しかし、ローマは1日にして成らず。

この1年間で出来た僕の労働者仲間はわずか3人に過ぎない。

でも、それだけでも仕事がずいぶんやりやすくなったし、何よりストレスも減ってきたのは事実だ。

ちなみに僕が労働者仲間を増やすために心がけていることがいくつかある。それは以下の通りだ。

1.とにかくお客様のために毎日、真面目に誠実に目の前の仕事に取り組む

2.おはようございます。お疲れ様です。ありがとう。お先に失礼します。は必ず大きな声で言う

3.自分が持っている知識やスキルは出し惜しみせずにみんなに伝える

4.その人のよいところはかならず褒める(ただし、おべんちゃらは絶対に言わない)

5.足りないところは怒らずにやんわりと指摘する(このとき、自分もできないことたくさんあるけどさあ、と付け加える)

6.ある程度、信頼関係が築けたと思った段階で、その人とちょっとプライベートな話をする。そうすると、面白いもので、自然とお互いの意外な共通点が見つかったりなんかしちゃって、その瞬間、急にお互いの心理的距離がグッと近づいて、相手の素顔がフッと見えたりする

7.自分の足りないところを指摘してくれたヒトに感謝を伝える

ちなみに、これはひとつだけやればいいという類のものではなくて、全部出来ないと全く意味がないと僕は考えている(ちなみに7は、香坂兼人さんからご提案いただいて追加しました。確かに大事な心がけですよね。香坂さん、ありがとう!)

で、この一連の行動をあえて一言で表すとすると、

人にやさしく

になるのかもしれない。

そして、不思議なことにこれを実践するとほぼ100%、

人にやさしくされる

というビッグなおまけもついてくる。

そんな僕らは気づいたら、お互いの個性を尊重し協力、補完し合いながら共通の目標に向かって頑張ることができる

あの労働諸君

になっているだろう。

ちなみに僕自身、まだこの考えが他の人の参考になるような普遍的なアイデアかどうかは正直、分からない。というか、めちゃくちゃ頓珍漢なことを言っている可能性すらある。

でも、本当にまだようやくその端緒に取り掛かったばかりの試みだけど、時々、グッ!と利き手の左こぶしを握るくらいには手ごたえは感じている。

それは、頭でこねくり回して無理やり捻り出した考えではなくて、ちゃんと地に足を付けて生きてきた自分の経験則から導き出したアイデアだからかもしれない。

そして、これまでの自分の苦労が決して無駄じゃなかったと思うのは、今まで一人で孤独に培ってきた諸々はおそらくそんな僕ら労働者の足元を支える土壌をしっかり耕すことにつながったと思うからだ。

正直、これまで何度気が狂いそうになったか分からない。

でも、今はこのままもしかしたら気が狂わずに一生を全う出来るかもしれないって思い始めている。

それはなぜかと言うと、あの「やさしい歌」に涙したのは何も僕だけじゃなくて、

この地上に立っている人たちみんななんだ

って確かにそう思える自分がいるからだ。

だから、僕ら人間の悩みのほとんどは対人関係だって言うのであれば、そんな僕たちがちゃんと幸せになるためには、本当にどっしりと地に足付けながら愚直に自分の目の前の一人一人に対して真摯に対話を重ねていく他ないんだろうなと考えている。

そして、そのときの僕は必ず心の中で20代の頃によく聞いていたあるロックバンドのあの歌詞の一節を呟いているだろう。

うまく笑えなくたっていいよ

泣きたい時は泣いていいよ

こっそり弱音吐いてもいいよ

偽りのない世界まで

確かめに行こう





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