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恋は一回きりの春夏秋冬

付き合う前、もしくは、付き合いたての、まだ互いに、はみかみがちな頃は、

まるでうららかな春の陽気みたいな

ぽかぽかしたアトモスフィアがふたりを優しく包み込む。

そして、何度か会っているうちにお互いリラックスし始めて、自然に自分が出せるようになった頃には、まるで真夏の灼熱の太陽みたいに今度は熱く、そして、汗だくになりながらふたりはお互いの気持ちを確かめ合うだろう。

でも、その熱は、本当にふとしたきっかけで冷めていき、ふたりの間に秋風が吹き始める。でも、熱さにほてった頬には、ひんやりとしてむしろ気持ちよいね、なんてそのときのふたりは互いに微笑み合う。

でも、その風はどんどん冷たくなっていき、ふたりの吐く息が白くなる頃には、つららのように凍ってしまった言葉でお互いを、そんなつもりはないのに、と思いながら、どうしようもなく傷つけて合ってしまう。

そして、あらかじめ決められたみたいに恋は当たり前のように終わりを告げて、ふたりは泡沫の夢から覚めるのだ。

その後、ふたりは結婚するかもしれないし、別れるかもしれない。

でも、もうあのまぶしく輝いていた季節は二度と訪れないことをふたりは知っている。

なあんて、これまでせいぜい数人の人としか付きあったことがない恋愛弱者な僕(ブサイク)が書いても、なんら説得力はないだろうけど(でも百人斬りとか言っているようなその辺のミトコンドリア(単細胞)よりはちゃんと恋愛してきたような気もする)、そんなふうに

恋って年を越せない一回こっきりの春夏秋冬

みたいだな

などと歴女たち(歴代の彼女)のことを思い出しながら、ふと思ってしまった、ある長い秋の夜。

でも、だからこそ、終わったあとも、こんなふうにキラキラと輝き続けているわけだから、

まあ悪くないよな!

とも正直、思ってはいるよ。

きっと僕の歴女はすでにいっさいのふたりの記憶を抹消しているだろうけど(苦笑)


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