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波打ち際でダンス

青いラインか、橙と緑のラインの電車を下車したら、人通りの少ない方の改札を降りて、向かって左側にある長い商店街をてくてくと歩く。

商店街を入ってすぐの小道を右に曲がれば、畳敷きの昭和な佇まいが懐かしいお好み焼き屋さんがある。 

そして、商店街の左側には、たまごサンドとカスタードプリンがおいしい昔ながらの喫茶店が・・。

幸先がいいというか何というか、いつも立ち寄るわけじゃないけれど、こういうお店があるという事実だけで、すでに僕の気分はあげぽよになる。

そして、なんだかんだ新陳代謝している駅前の商店街の店構えは訪れるたびに微妙に変化してはいるけれど、僕みたいなよそ者にもウェルカムな雰囲気はずっと変わらないままなのが何気に嬉しい。

その商店街のドン付きには、車道と歩道がちゃんと分かれた大通りがドーンと待ち構えていて、今度はその道を長谷寺方面に向かってひたすら歩く。

六地蔵、わらびもち屋、おしゃれな絵本屋、老舗の鰻屋さん、渋い洋館の牛乳屋さん、まめ蔵系のおいしいカレー屋さん、ドイツパン屋さん

などなど

あの頃とほとんど変わらぬ風景を楽しみながら、そのまま長谷寺まで抜けることもあるけれど、大概は途中で辛抱たまらんようになって寄り道をしてしまう。

大通りを右に曲がって鎌倉文学館やコケーシカ(コケシとマトリョーシカの専門店)に行くこともあるけれど、一番多い寄り道先は、

やっぱり

海を望む

ビーチク

ならぬ

ビーチ

だよね!

静かな住宅街の何となくぐねっとした歩道をぐらぐらしながら歩いて、海沿いの大きな幹線道路を横切れば、そこには

母なる海が

デーン!

と待ち構えている。

まあ、ぶっちゃけ毎回、海なんかたいして見ちゃいないけれど・・・。

その代わりに、

寄せては返す波を前に、これまで何度はしゃいできたか分からない。

そして、一緒にはしゃいだ相手は、その時々で違ったはずだけれど、

目をつむったときに思い浮かぶ映像はどれもおんなじだ。

そう、

お互いにキャッキャ笑い合いながら、波を避けようと何度も小さくジャンプする

そんな波打ち際のダンス

さて、今年はいったい誰と踊ろうか・・・。

なんてカッコよさげに言っとりますが、

まぁ、要するに妻と息子なんだけどね(笑)







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