2度目の出産

37週。

いつ赤ちゃんが産まれても
大丈夫な時期に入った。


一度目の出産の時より
赤ちゃんは2.5倍の大きさなので

" 痛みも2.5倍・・・!? ”

と出産の痛みが怖かった私は
早めに産みたいと思い、
お腹をさすりながら

「37週に入ったから
もういつ出てきてもいいよ。
なるべく早めに出てきてね。」

と声をかけた。



37週と1日。


満月の日。


満月の日は出産が多いと言われているので
予定日より20日も早いけど、

「もしかしたら今日産まれるかも?」

と雲くんに話していた。



寝る時間になっても陣痛はこず、
いつもの時間、先に寝床に入った。



途中、目が覚めて、
トイレに行った。



” 今日じゃないのか・・・。 "

と思いながらまた寝ようとした時、
子宮の辺りで
コンコン!とノックされたような感覚があり、
破水した。



まるで
「今から出ますよ~。」
の合図のようだった。



羊水は量が少なかったし、
二度目なので
パニックになる事もなく、

冷静に病院に電話を入れ、
雲くんに破水した事を伝え、
二人で病院に向かった。



車の中で陣痛が始まり、
病院に着いて受付した。



待っている間も痛みが増してくる。


もう既に結構痛い・・・。


分娩室に入ると
だんだん陣痛の間隔が短くなってきた。



痛みを紛らわす為に
音楽を聴けるようにしたり、
雲くんに肩を押してもらったり
したのだけど
全く無意味だった。



1度目の出産の時とは
比べ物にならない位、
陣痛がめちゃくちゃ痛い!!!



1度目の出産は赤ちゃんが小さかったから
あれでも楽な方だったんだ。



本当の出産はこんなに時間もかかるし
こんなにも痛いものなのか・・・。


この痛みは何だろう。


経験した事がない。


例えるなら
巨人に捕まって骨盤辺りを

バキバキバキッ・・・!

と握り潰される感じだろうか。


それも何度も。


陣痛が一旦、収まっても

” また巨人が来る・・・"

と思うと気が休まらない。



” もうすぐ来る・・・・・・
来る・・・来る・・・来る・・・ギャーーー!”

いきむ。

をくり返しながら耐える事
4時間弱。(なんやかんやで安産)


やっと出てきた男の子。


雲くんに異常はないか、
確認してもらう。

五体満足だと聞き、

”良かった・・・”

と心底ホッとした。



私の胸に赤ちゃんを抱く。

赤ちゃんの温かい体温を感じる。

” やっと会えた・・・。”

「 ありがとう・・・。」とつぶやく。


無事に産まれてきてくれて。

私の元に来てくれて。

この気持ちを生涯忘れないでいよう。



しばらくしてから
両家の両親も赤ちゃんと対面。



無事に元気な赤ちゃんが産まれ、
皆、笑っている。



ずっと叶えたいと願い、
思い描いていた光景が
現実となった。



ようやく私は
一番の望みを叶える事ができた。

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