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デイライトセービングタイムが始まるとどうなるの?

10日(日)アメリカでデイライトセービングタイムが始まった。ハワイ州とアリゾナ州は例外。いつも思うのは『困るんだよな〜。』

まるで『モモ』に出てくる時間泥棒に一時間持って行かれた気分。以前は「夏時間」と言われていた。でも今は春から始まって秋まである。つまり冬だけが通常時間って感じ。全然サマータイムちゃうやん。

先日、日本の友人に質問された。「なんでそんなんあるの?」と。至極真っ当な質問だ。「うん、お日様が出ている時間を長くして、出来るだけ長い時間仕事をしたり遊んだり、活動時間を長くしようぜってな感じかなあ。」と答えた。

これは私のとても主観的で勝手な憶測ですが、そもそもDLSTを実施しているのは欧州・北米・オセアニアの国々。つまり白人が多い地域だ。そして、白人の方はお日様が大好きだ。世界のお金持ちリゾート地とそこで過ごす人々の人種と格好を見れば一目瞭然。半袖・短パン・サンダルやフワッとしたワンピース姿で帽子とサングラス。格好良く見えるけれど、そこにはシビアな実情がある。

白人の人は肌が白くメラニン色素が少ない。お日様を浴びて人体に必須のビタミンDを吸収しようとしても肌がピンク色に軽く火傷するだけで日光を弾いてしまうのだ。だから一生懸命サプリメントでビタミンD を補うよう医者からも指導される。アメリカのスーパーにはビタミンD の添加された牛乳が普通に売っている。

その点、アジア人や中南米人はお日様の恩恵を嫌という程知っている。ビタミンD の恩恵よりも紫外線による弊害の方を重要視するから夏のキツい太陽の元でも長袖・長ズボン・帽子でカバーが必須。標高が高い所は寒くても太陽が距離的に近いので日光がキツイ。服の下に日焼け止めもたっぷり塗る。視覚からのキツい日光量によって脳の日焼けを指令を出すのでサングラスもかけるがそれでも焼ける。日本で日照時間の少ない東北地方や北海道には色白美人さんが多い。(アシリパちゃん、可愛い。)

気を付けなければならないのは、介護中の老人だ。病室のベッドに寝たきりだと日光に当たる機会がほぼ無い。寝たりきでも骨や筋肉を出来るだけ動かして刺激を与えないと衰える一方だし、薬の影響や特に女性は骨粗鬆症で骨が脆くなっている。我が家の隣のおばあちゃんは今でも晴れの日には必ずベランダで30分車椅子で日向ぼっこをしている。時々ウチの猫とベランダ越しに仲良くおしゃべり(スペイン語)して、とても楽しそうだ。そう、気分も明るくなり脳への刺激も大変よろしい。

たったの一時間。されど様々な影響がある。

社会的影響
慣れている人は慣れている。土曜日の夜、寝る前に家中の時計を一時間進めておくだけだ。デジタル化の恩恵で今ではスマホが寝ている間に勝手に進めてくれるし、メールチェックにパソコンを開いたらその時間に設定が変わっている。アメリカ全体のデジタル時間がパシッと勝手に切り替わるので手間暇が掛からなくなった分、時間変更にかけるエネルギーが減ったように思う。日曜日の朝の礼拝に遅刻してくる人もほぼいなくなった。

身体的影響
それでも体は正直だ。朝の一時間を返せ〜!もっと寝かせろ〜!っと思う。とても損した気分なのだ。そして、よく海外旅行に行く人程「時差ボケになった感覚」になるらしい。

これはあくまで私個人的の持論ですが、人の体は8時間で割り切れるようになっているのでは?と思っている。朝の8時間、午後の8時間、眠りの8時間。海を渡って昼夜が逆転しても、お日様に当たる時間と、この8時間ペースを乱さなければ行動力や思考力、判断力において比較的過ごしやすい。

ところが、DLSTによって一時間のズレが生じる。割り切れないのだ。本来なら眠くなる時間にまだ明るい。体が「あれ?こんなに体が疲れて眠いのに、まだ働く時間なの?」と戸惑い眠れない。かと言って朝、遅起き出来るわけでもなく、いつも通りお日様は早朝から元気に顔を出す。また働く。時計を進めているから時間がビュンビュン過ぎる。要するにもの凄く日々時間に追い立てられて働いている感じなのだ。

日本への影響
日本の交通機関の利便性、安全性、清潔感そして正確さはもっともっと世界に誇ってアピールするべき日本の良さだと思っている。電車が”致し方無い理由”で5分遅れただけで、「お急ぎの所電車の到着が遅れました事、心よりお詫びいたします。」なんてアナウンスが流れるなんて!

DLSTによって北米西海岸との時差は広がる。日本時間午後1〜5時のビジネス会議が西部時間(PST)だと夜20〜0時だったのが、夜21〜翌日1時となる。反対にPSTのトップスピードのビジネスタイムが日本の夜中〜早朝だったりするから寝て起きたら世の中ひっくりかえっていた、なんて事が起こり得る。東部時間(EST)なら尚更だ。

一番影響が出るのが飛行機の発着時刻や旅行日程だ。3月までのそれとはズレが大きくなっている事を肝に銘じておかなければならない。

アメリカから日本へ行く旅行者は恵まれている。日本の交通機関や日程は強固なまでに正確だし、夜中まで起きてて変な時間にお腹が空いてもコンビニや自販機、カラオケ屋さんはあるし、早朝に起きてしまっても市場ツアーに嬉々として参加できる。日本の都会は夜更かし&早起き万歳Cityなのだ。

逆に日本から特に北米の田舎に行く旅行者や留学生は大変だ。時差が広がったおかげで特に午前中は眠くて眠くて仕方がない。そもそも起きれない。渡米初日の午前中ツアーなんて絶対に入れるべきではない。絶対遅刻するから寝ない方がベター。せっかく素敵な観光地に行っても現実なんだか、夢の中なんだか、で初日が終わって勿体無い。

夜は夜であまり出歩くのは治安上よろしく無い上に、レストランやお店はさっさと閉まる。公共の乗り物はさらに危ないし、いつ来るのかも分からない。そして、日本に帰ったら帰ったで平日丸一日損をしている(失っている)事に気づいて愕然とする。げっ、仕事が、、、と。

ま、そんなこんなでDLSTなんて不都合なこと、体にキツいこと、早く止めて欲しいなあ〜、と思っている人は案外多い、、、ハズ、多分。

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