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休息の時間

寒い季節、

インフルエンザにかかったのは、
二十代で一回、三十代で一回。

二十代のときは、
仕事を終え、地下鉄をおりてさんちか方面へ歩いていたとき、

「ひゅっ!」

と、何か喉にはりついた感覚があってびっくりした。

翌日からか、
急激に具合が悪くなり、
とたんに三十八度を超える熱が出て、
とうてい歩くことは困難で、
病院に行かず(行けず)ただただ寝た。

四日目、いよいよ水や食料品が尽きてきて、まだ三十八度超えるふらふらの体で、近所のコンビニに行った。

少しでも体力を使わないよう自転車で行った。


代金を払ったあたりから、
貧血になり、これはまずい!と帰りの道を急いだ。


この貧血バージョンは後にも先にも一回きりの、なかなかのもんだった。

視界が、テトリスのように、
縁からどんどん黒で埋め尽くされていくのだ。

あまり見えてないから、自転車はほとんど感覚で乗っていることになる。
今思えばいろいろぞっとする。

ちょうどマンションに着いたところで力尽き、気を失った。

地面に崩れ落ちる寸前、
冬のかわいた青空が視界をさっと横切った。

「きれい」と言葉にする間もなく意識は遠のいたけれど、
「きれい」に近い気持ちの感覚がふっと浮かんだことを、今も忘れられない。


気を失ったのはものの数秒で、
通りすがりのおばちゃんたちに起こしてもらったという痛い記憶。

二回目のインフルも、
冬の寒い日、会社が経費削減と言って福井まで、
特急を使わず在来線で向かったことがある。

乗客もほとんどいなくて、寒くて寒くて苦痛で、
わたしはその後インフルになった経験がある。
(その後、交通手段をケチる取りくみは消滅した)


先週、遅ればせながらというか、
いよいよというか、コロナに感染して寝込んでいた。

インフルのときと違って、あれが原因だな!と具体的なルートがわからないけれど、二回目の例のとおり、わたしは寒さにめっぽう弱い。

だとすると、

十一月、今年一番の寒さの中、奈良にライブに行った。

当初は遅くなるのでホテルをとって、
翌朝観光する予定だったけれど、
思いがけない出費(車の修理代)が発生して、
ケチって日帰りにしたのだ。

そらもう、寒くて寒くて、ほぼ真夜中に家に着いた。

推測するとするならば、

2023年の目標は「お金と時間をケチらない」だったのに、
真逆のことをしてしまった。

「お金と時間をケチったわたしは、寒さにやられ、抵抗力をそがれ、感染した」

と、いうことかもしれない。やっちまった。


と、言いつつ、この感染病も全体的に弱まってきたのか、
あまりしんどさを感じなかった。
三十八度超えてもふつうに動ける。

冷凍貯金(ストック)もたくさんあって食べるものには困らないし、
当然水もある。

親切な同僚が「持っていくか送る!」とLineをくれたけれど、
現在では便利な宅配ネットもある。


ただ、やはり困ることがある。

体調が悪くて、熱に浮かされているとき、覚醒しきらない思考の隙間に、

「本当の顔に限りなく近い、嘘」


がやってくること。

誰しも長く生きていれば、
いつまでも引きずっている「キズ」のひとつやふたつはあるだろう。

その「キズ」は何度癒してもなだめても、
時に収束しておとなしくなったかと思えば、
今回のように弱って隙間が生まれたとき、
思い出したように猛威をふるってくることがある。

でもわたしは知っている。
それは「嘘」ということを。

体力が戻って、しっかりと目覚めたとき、
「なんであんなに悩んでたんだろう?」
と、思考のトリックに不思議さを感じることだろう。

でも、わかっていながら、
今回の「嘘」は容赦なく、わたしを手放してくれなかった。

いつまでも続くスパイラルに巻き込まれてしんどくなったとき、
思わず、

「リトル、助けて!」

と、声がこぼれていた。

リトル、助けて、抱きしめて。

熱に浮かされながら、リトルに優しく抱きしめられているイメージを繰り返した。

すると、わたしはいつのまにか眠っていて、
翌日熱はさがっていた。

案の定、なぜあんなに苦しんでいたのだろう?と不思議に思った。

体調がすっかり戻ってから、
エネルギーとしてのリトルに抱きしめられているイラストをおこしてみた。

ううむ、、、
リトルのイメージがなんか違う、、、。


夢の中に出てくるリトルは、ここまでふっくらしてないし、
この大人びたお姉さんぽい表情ではない。

ということで描きなおしてみた。

描いている途中は「こっちが近い!」と思ったけれど、
仕上がったら、またしても

「ちゃうねん、、、」

と、納得がいかない。
こんな「へにゃっ」とした表情の子ではない。


でも、表情はともかく、エネルギーにそっと抱きしめられているイメージは、二枚目のほうが近いかな、と思う。

また気が向いたら描きなおしてみよう。

最後にオススメ。たまたま買っていた蜂蜜の生姜漬け。あまり発汗しないわたしが、この生姜をガシガシかんだらすごい発汗しました。コロナのお助けアイテムでした。

さて、
今からが乾燥ともなう冬本番になりますが、
皆さま、体調にお気をつけくださいね。
蜂蜜生姜、常備オススメです👍

最後までお読みいただき、ありがとうございました。






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