やさしい風が吹いた(日々の切取りエッセイ)
GW前半、
十年に一度の、と言われためちゃくちゃ暑かった晴天の日、
わたしはライブのため、朝から京都にいました。
その日は大橋トリオのファンクラブミーティングで、
15時からの昼の部(整理番号27番!去年47番!)。
14時くらいまで京都府立植物園で、
ぼうっとする予定です。
わたしは十数年前、騒音が引きがねとなって、
パニック障害になりました。
いまはほとんど完治し、
さらにNESセラピーを定期的に受けていることで、
「苦手だ」、「イヤだ」、という自分に制限をかけるブロックも、
ずいぶんゆるくはなってきました。
(なんと生きやすいことよ)
ただ、まだ、苦手な音が多くて、
外出の際は必ずBluetoothをつけて、
自分に心地よい音楽を聴き、
騒音をブロックすることが当たり前になっています。
この日、植物園はかなり人が多かったけれど、
(なんてったって入場料200円ですもの。老若男女問わず、あの植物園の年齢層の偏りのなさはすごいと思う。ただし一人で来ている人はあまり見かけなかった笑)
バッテリーの心配もあり、Bluetoothを外すことにしました。
しかし、行く先々で人々の話し声が聞こえ、
正直リラックスできませんでした。
少々ゲンナリ気味のわたしの前に、
年若いお母さんと、小さな男の子が歩いていました。
男の子はやや興奮気味で、左の脇道に逸れてはしゃがみこみ植物を観察し、また違う場所に俊敏に移動し、植物を観察している。
わたしは、少し警戒しました。
興奮気味の動作から、大きな声ではしゃぎまくるのではないかと。
Bluetoothを、もう、つけようかな、とうっすら思った瞬間です。
男の子が立ち上がり、お母さんを見つめて、はずむ声で言いました。
「お母さん、ぼく、今日とっても幸せ」
お母さんも、その後ろにいた見ず知らずのおばさん(わたし)も、
ハートを突然ずっきゅん射抜かれました。
ものごっつい破壊力です。
お母さんはメロメロになりながら、
「うん、そうだね、お母さんも今日とっても幸せ!」
とお返ししていました。
わたしも心の中で、
「ついでにわたしもごっつい幸せ!ありがとう!ぼく!」
と、お礼を背後からお見舞いしたのは言うまでもありません。
とてもタイムリーに、
noterで大好きな一人のぷるるさんの記事、
「知らない間に、誰かをそっと助けている」
まさにシンクロしていました。
小さな僕は、お母さんや、その後ろにいたおば、お姉さんのことを、
幸せにしようなんて1mmも思っていない。
でも、結果的に彼はわたしたちに、
幸せなやさしい風を、ふっとそよいでいきました。
意識なく。
涙腺崩壊した素晴らしい記事です。
ぷるるさんに許可を得たのでぜひご覧ください。
その後わたしは思いました。
自分を騒音から守るためのBluetooth。
実はこのように、数々素敵な音も遮断していたのかもしれないと。
他には、
傘にあたるパタパタという雨の音や、
コツコツという軽快な靴音や、
他にもわたしが心地よいと思う素敵な音が。
それは少し残念なこと。
Bluetoothを外す時間を、
もう少し長くしようと思えた出来事でした。
そして、植物園から京阪・出町柳駅まで、
鴨川沿いをてくてく歩く。
「余談です^^」
昨日、「あー散歩」という記事を書きました。
わたしなりに、覚悟を決めてあーちゃんを海に連れて行った記事でした。
今朝、ゴミ捨てをして、コンビニで朝刊をついでに買いました。
すると、、、。
ああ、、、。
リトルよ、
そのはからいは何ですか。
いしいしんじさんの回答を読んで泣きました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺
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