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3月、寒の戻り、あるかないか

天気予報士が、
「今日は5月上旬頃の気温」と言っていた。


若干空はかすみがかっているけれど、
快晴で、風はなく、
絶好のサイクリング(ママチャリですが)日和。

デニム調のスエットが隠れるよう、
デニムのタイトなロングコートをはおって、
キャップにサングラスにスニーカー。

らくちんで、ユニセックスな、
またはジェンダー的なファッションで自転車を軽快に飛ばす。
(ママチャリですが)


途中、海の前で
若いカップルとすれちがった。


女性は黒いフリルの日傘をさし、なんと足は生足。
真っ白い細くて長い足を、にょっきりさらしている。

寒くないの?
冷えないの?
ああ、今日は5月上旬の陽気だった。

わたしは「女子やなぁ」とうんうんと感心していたが、

いや、そういえばわたしだって若い頃、そんなことあった。

真っ白い足をにょっきり出して、
えらい失敗したことあるわー
と、
若かりし頃の、3月の記憶がひさしぶりにやってきた。

20歳。
あの頃わたしは陸上自衛隊員とつきあっていた、、、

彼の勤務地は高松、京都と異動となり、
つきあいはじめから遠距離恋愛だった。

京都に配属になってから、
わたしは神戸の友達のうちにお邪魔し、
一日だけ京都でデートをすることになった。

そりゃもう、ひさしぶりの再会なもんで、
気合の入れ方がはんぱない。

おしゃれ先取りでBEAMSで買った春夏のワンピース。
絶対これを京都で着るんだと楽しみにしていたワンピース。

白とオレンジのギンガムチェックで、
V首ラインの前ボタン、ウエストは紐でゆるくむすび、
丈は膝あたり。
ひらひらひらひらひら、
確か組成はポリエステルメインだったような?
今思えば、それは初夏着るやつですね。

当日、
空は曇り空で寒の戻りかのような寒さ。

でも、わたしのおしゃれ予定に変更はなく、
ギンガムチェックのワンピースに、生足で京都まで行った。

ひさしぶりの再会がうれしかったはずなのに、
時間がたつごとにおたがい不機嫌になっていった。

京都の観光地を巡りながら、
どんどんどんどん不機嫌になっていった。

もう、手すらつながなかった。

なぜなら、
寒くて、凍えるように寒くて、
雪が降ってきた。

3月って春ちゃうんか!?

と、心の中で毒づいていたつもりが、
感情ダダ洩れで相手にも不愉快が伝染してしまい、、、

きちんとなぜ不機嫌なのか話すこともせず、
気まずいまま京都駅で早い時間にわかれ、
神戸行きの電車の中で、わたしは泣きそうになった。

神戸の、
友達のマンションに着いたとき、安堵でわんわん泣いて、

友達が「どないした!?」と聞いたら
「ひやかったー!(寒かった)」と再び号泣。


友達が宅配ピザを注文してくれ、
わたしは暖かい格好に着替えて、こたつに入って、
泣きながらピザを食べた記憶がある。笑



そして、
あれ以降、
寒いのが何よりも苦手になってしまったわたしは、
「3月は寒い」という前提で、
昨日灯油を新たに18L購入してしまった。

予報では、
今年は寒の戻りがなさそうで、戸惑っている。

と、言いながら、根っこのところで
わたしは3月を信用していないし、
むしろ、
寒くなってほしい、と密かに祈っている。





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