25位 Hoang Thi My Ngoc, Finland — 2021 World Brewers Cup
2021年10月、イタリアのミラノで開催されたワールドブリュワーズカップ(WBrC)において、25位に入賞したフィンランド代表Hoang Thi My Ngocさんのオープンサービスを紹介します。
プレゼン動画
World Coffee ChampionshipsのYoutube で視聴できます。
プレゼン概要
プロセスによって多様化しているコーヒー。研究によって新たに開発されたプロセスと品種の掛け合わせをカップで表現するプレゼンテーションです。
使用コーヒー
PRODUCER :Jamison Savage
COUNTRY :Panama
TERROIR : Volcán, Chiriquí
FARM : Finca Deborah
ALTITUDE : 2000m
PROCESS : Enzymatic process
VARIETY : Geisha
プロセス
2021年4月に収穫されたこのコーヒーは実験的な酵素プロセスを経ています。このプロセスでは、酵素反応を利用し、コーヒーに含まれる複雑な糖分、デンプン、タンパク質を分解することでコーヒーチェリーに含まれるほぼすべての糖分を味わうことができます。
このプロセスは、コーヒーの甘み、風味、そして特にボディを最大限に引き出します。50時間の発酵の後、アフリカンベッドで乾燥させ、フレーバーをしっかりと蓄えていきます。
焙煎
大会10日前にStrongholdを用いてトータル9分、DTR16.5%で焙煎したものを使用します。このコーヒーのフレーバー・アロマを際立たせると同時に、最終的なカップのバランスを保つため、焙煎の早い段階でかなりの量のハロゲン照射を行っています。
抽出方法
レシピ
Coffee:12g
Water temperature : 98℃
0:00 - 0:15 50g
1:10 - 1:25 150g(+100g)
2:25 -2:40 200g(+50g)
3:15 抽出完了
抽出理論
ドリッパーの中央から外側に螺旋状に注ぎます。コーヒーの粒子を撹拌しながら注湯することで均一な抽出が可能になります。三投に分けることでテイストバランスを保ちながら、このコーヒーの繊細な風味を捉え、高めることができます。
抽出器具
W60 Dripper
フィルターが二層になっています。一層目はフラットベッド層でコーヒーを平らにすることで均一な抽出を促し、二層目は円錐型で最終的なカップの甘みやフレーバー、透明感を高めることができます。
水
65ppm
湯温を高くすることで、風味を十分に引き出して抽出することができます。ppmの低い水を使用することでコーヒーの硬度を調整し、過抽出を抑えています。
粒度
2つのタイプの粒度を使用します。一つ目は非常に粗くグラインドしました。そして、最終的なカップの透明感を高めるために微分とシルバースキンを取り除いています。二つ目は中粗挽きにしています。この粒度設定と粉量を組み合わせることで、ドリッパーの中に2センチほどのコーヒー豆の層ができ、カップのバランスを保つと同時に、流量と抽出率をコントロールすることができます。
カッププロファイル
Aroma
Hot : White floral, Jasmine, Mixture of stone fruit, Peach
Cold : Shortcakes, Marzipan, Hint of lemongrass
Flavor
Hot : White peach, White floral
Worm : Vivid white floral, Jasmine, White peach, Sparkling wine
Cold : Black tea, Light marzipan
Aftertaste
Velvet, Tactile
Acidity
Hot : Milky medium lactic acidity,
Cold : Light lactic acidity
Body
Clean, Complex
感想
W60 Dripperを使用していました。使ったことのないドリッパーですのでどのような抽出傾向があるのか気になります。発酵系プロセスのコーヒーを粒度とドリッパーでコントロールするようなイメージの抽出でしょうか。フィルターが二層になるため、タイムが伸びそうな印象を受けましたが、注湯の仕方や水で過抽出を抑ているようです。
Harioさんのドリッパーの多様性にも驚きです、、
品種やプロセスはもちろん抽出器具のアップデートも本当に早いので置いていかれないよう、抽出のアップデートも頑張ります。
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