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心理系大学院受験〜心理アセスメントの記述問題〜

こんにちは。心理系大学院受験予備校 KoKoRo UP Academy(ココロアップアカデミー)です。

これまでに事例問題や専門的な問題についてお話ししました。

今回は、同じく事例問題ですが、法律と心理検査の知識が問われている問題をみてみましょう。

以下に示すのは、臨床心理の専門家を目指して精神科クリニックで実習を受けている学生AとBの会話である。これを踏まえて、設問い答えなさい。
A この間、実習先の先生(医師)から心理検査を依頼されたんだ。自閉スペクトラム症が疑われる40歳代の男性で、知能検査(WAIS)とエゴグラムをやってほしいって。
B  初めてだったよね。すごいね。
A でも、この人をみていたら、「もっと検査をやったほうが理解が深まる」と思ったんだ。それで、予定していた検査を終えた後、「もっと調べてみませんか?」と提案したら、「ぜひお願いします」と言われたので、質問紙と、風景構成法もやったんだ。おかげで、理解が深まって、見立てがしっかりできそうだよ。
B えっ・・・・。

大学院入試問題を改変し、作成

問題では、「BさんはAさんの対応に問題があると感じている。Aさんの問題とは何か、そして本来ならどうすべきだったかについて説明しなさい」という内容でした。

当然、Bさんの認識は正しいわけですが、
こんなふうになったのも、Aさんが実習で初めての検査だったということもあるのでしょう。

Aさんの問題は主に2点挙げられます。

①心理検査のオーダー(2つの検査)は医師からの指示通りに施行したが、もう2つの検査は独自で判断し、施行したこと。
②施行時間として、WAISは90分程度、エゴグラムは10分程度かかる。患者の了承を得てはいるが、患者の負担を考えると、追加検査は望ましくない。

①については、公認心理師法42条、第2項に「心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」とあります。
Bさんは、この時は公認心理師ではありませんが、取得見込みの扱いとして実習させてもらっているわけですから、当然知らなければなりません。よって、追加検査をしたいのであれば、主治医と相談することが必要であったでしょう。

②については、テストバッテリー(2種類以上の検査の組み合わせ)の注意点として、『被検者への負担を軽減し必要最低限の組合せで最大限の情報を得る』とあります。
よって、実施した検査を分析し、解釈した上で、足りないとあらば、次回以降に主治医に相談し、患者の了承を取って、実施することが望ましいといえます。

この問題は、アセスメントの実施場面の事例問題として、法律と実施の注意点が問われていました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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