見出し画像

モヤモヤの残る運動会。/おやこで通う小学校㉕

今日は、モヤモヤの残る運動会となってしまった…。
わたしの中で、勝手に。

参加したくない、という意志を最大限尊重してもらう形で
珍獣は普段着のまま、ずっと児童席の最後列に座っていた。
彼の自立を促す意図で、わたしはその数メートル後ろ、児童席と観覧スペースを隔てるロープ付近で見物。
わたしと、忙しく立ち回る先生たちに代わって
支援員さんがずっと彼の側に付き添ってくれた。

学校は珍獣だけでなく、支援級に在籍するほかの1年生たちにも、それぞれに応じた態勢を取っていた。
公立の小学校で、多様なニーズを持った児童一人ひとりに、ここまで寄り添ってくれるなんて。
わたしが小学生だった30年前は考えられなかった光景だし、親としてはもう感謝しかない。

でも。
各種目に、皆が一体感を持って参加し
高揚と充実感いっぱいの表情で席に戻ってくる、その様子をずっと見ているうちに
珍獣は孤独感や疎外感を募らせた模様。
終盤、わたしのところにやって来て

「運動会、最低最悪」

と悪態をつき、わたしを叩いたり押したりし始めた。
歯を食いしばってどこかを睨みつける目には、涙が浮かんでいた。

そこからは児童席を離れ、2人で種目を見物することにした。

もう帰るという選択肢もあったけれど、それは選ばなかった。
なぜなら


わたしが、全種目を見たかったから。ドーン
祭り好きの血が騒ぐのだ。ヽ(゜∀゜)メ(゜∀゜)メ(゜∀゜)ワッショイ 

…いや、それもあるけど アルンカイΣ┗|゚д゚* | 
すべて見届けた上で、運動会というものに対する印象を決めてほしい…と思ったからだ。
そのため珍獣をなだめながら、何とか最後までやり過ごした。

先生たちは、珍獣に

「皆を応援してくれてありがとう」
「最後までいられて、本当によくがんばったね」

と口々に声をかけてくれた。
わたしにも、「本当にがんばりました。たくさんほめてあげてくださいね」と、言ってくれた。

けれども、半日経った今もわたしは、珍獣を褒めることが出来ずにいる。
「全然、がんばってなんかいなかった!」と怒っているのではない。

あんなに、怖い顔をしていたのに
その奥には、辛さと悲しさを隠しているような顔をしていたのに
「よくがんばった」「えらかった」と、わたしは喜んでいいのだろうか。
ほめていいのだろうか。

がんばった…何を、どうしてがんばったのだろう。
どの辺が、偉かったのだろう。

今こうして書いているのは、誰かや何かを批判したいわけでも
主張したいことがあるわけでも、本当にない。
ただモヤモヤして、書き綴っているだけ。
自分の中で、どうにも消化できずにいるのだ。

今日の出来事は、一体、何だったのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?