『自己肯定感の低さ』と『自己評価の高さ』のギャップ 〜双極性障害の頭の中 51
みなさん、こんにちは。
双極性障害2型のフツーの会社員、パピヨンです。
つい先日、部下とのやり取りの中で、『自己肯定感』と『自己評価』のギャップについて考える機会があったので、記します。
◾️部下がトイレで泣いている事件
4日ほど前のこと。
勤務中トイレに向かうと、鏡に向かってとある部下の女の子がひとりシクシクと泣いていました。
入社5年目、頑張り屋で結果も出している優秀な営業ガールです。
私:「どした?」
部下:「いや、何でもないです…」
私:「何でもないなら泣くことないじゃない?どしたん?得意先に怒られた?」
部下:「…いや、違うんです、大丈夫です(目には涙がこぼれそうなほど溢れている)…」
私:「言ってくれなきゃ一緒に解決できないじゃん。どうした〜?」
部下:「…あの、全然大したことじゃないんですけど、なんか自分、役に立ってないなと思って…」
詳細は書けませんが、コトの顛末はこうです。
彼女の担当しているとある地方の得意先が、何度営業を仕掛けても突っぱねられる。
どうやら10年以上前にウチの営業がトラブルを起こしたらしく、それを社長さんが未だに根に持っているようなのです。
いったい何をやらかしたのか、事情がわかる人が自社には誰もいない程昔の話なのですが、
「おたくとは商売する気はない」
その一点張りで突き返されてしまう。
それでも彼女はめげずに何度もアポを取り、訪問をチャレンジしていました。
ところが。
とある新規案件で別の会社と進んでいた話が、急遽クライアント側から“例の会社”に切り替えたいと言ってきました。
まずい。
案件自体が流れるかもしれない。
「まぁ、流れたら流れたでしょうがないよね。何度営業行っても一方的に毛嫌いされてるんだから、打てる手はないじゃん」
みんな、『まぁ、しょうがない』と思っていましたが、彼女だけは納得いっていなかったようです。
『私が関係を修復できていたら、案件は流れなかったのに』
その悔しさから流れた涙だったのです。
◾️『自己肯定感の低さ』に驚く
「関係が悪いのは〇〇のせいじゃないじゃん!それでもめげずに何度も営業行って、エライな〜って感心してるよ!みんな知ってるよ」
自己肯定感の低い上司が、さらに自己肯定感の低い部下を励ますという奇妙な図(笑)
しかし、自己肯定感の低さには自信がある私でさえ驚くほど、彼女の自己肯定感は低かったのです。
『私は役に立ってない』
『私の頑張りが足りなかった』
そう何度も繰り返しながら、ポロポロと涙をこぼすのです。
全然そんなことないのに。
親子(おじいちゃん?)ほど歳の離れたオッサン相手に、むしろスゲー頑張ってんぞ?
“この自己肯定感の低さは何なんだ?”
“ここまで彼女の自己肯定感を低くしているものの正体は何なんだろう?”
私は必死に彼女の背中をさすりながら、どこか不思議な気持ちで考えていました。
「このあとのミーティング、お休みする?」と声をかけると、
部下:「いえ、行けます!少しだけ時間をください」
ときっぱり答えるのです。
なんとも頼もしい限りです。
ここまで自信があるのに、どうしてこうも自己肯定感が低いのか?
益々不思議に思いつつも、「そっか、じゃあ頑張ろう」と背中をポンっと叩きました。
◾️『自己評価の高さ』がギャップを生んでいる
ずっとモヤモヤと疑問を感じながら考え続けていたら、ふと頭に浮かびました。
ひょっとして、めちゃくちゃ『自己評価が高い』んじゃないか?
だからこそ、“できない自分が悔しい”んじゃないだろうか?
初めから設定されているハードルが高い。
このハードルは跳べると信じている。
だからこそ、跳べなかった時に落ち込むんだ。
ハードルの設定がもっと低ければ、
『まぁ、その高さのハードルは跳べなくてもしょうがないよねー』で済む話だ。
彼女だけじゃない。
コレは私も同じだ。
最初の設定値が高過ぎるのだ。
『偏頭痛も無く、胃痛も無く、ぐっすり眠れて、気持ちの落ち込みもない自分』を初期設定していたら、ほとんどの日が“ダメな日”になる。
あぁ、今日もやっぱり調子が悪い。
そりゃ、そうなるわな(笑)
そんなに全快で調子の良い日が続くわけなどハナから無いのだ。
もっと、ググッと“調子のハードル”を下げるべきだ。
『部下の涙』で、思いがけず悟りを得たのでした。
彼女に限らず『最近の若いモン』を見てると、本当に頑張り屋で真面目な子が多いなとつくづく思います。
そして彼女同様、みんな揃って自己肯定感が低い(笑)「いや、私なんか…」と言うのです。
そんなことないぞっ!
めっちゃ頑張ってるの、わかってるぞっ!
本当はゴールデンレトリバーみたいに「よーし!よーし!」とぐりぐり撫で回して褒め倒したいのですが、「ウザい…」と思われそうなのでグッとこらえている昭和な私です(笑)
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