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[詩]命綱~生の記憶~

産まれたときの記憶なんてさ

全く覚えていないでしょ?

だけど、自分は覚えていなくても

誰かが絶対に覚えている

その証拠に母が幼き私の小ささを手で表現したり

産まれて最初に喋った言葉を記録していたりする。

僕が産んだ詩や

僕が産んだ音楽だってそうだ

その始まりの産声は

未だに僕の中にあるんだ。

だから、僕の産声も誰かの耳に届いているはずさ

自分は覚えていなくても

誰かが忘れてなければいい

そう思って生きる喜びに

最近、気付いたんだよ

始まりなんて

無限大にあるんだ

終わりも無限大にあるように。

でも、始まりという小さな点を

誰かが育てていかなければ

それは終わりの始まりになってしまう。

だからこそ

僕を育ててくれてありがとう

今まで会ってきた人に言いたい

僕を育ててくれてありがとう

美しきこの時代に

僕を産んでくれてありがとう

今も握っている

あなたたちと繋がれる

小さな一本の綱を。

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