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ネグレクトの恐怖

私は、元々小学校教諭だが、ネグレクトで育った子に対して、過剰なまでの悲しさと、今後の成長をどのように支えられるかを考えてしまう。

小学校入学時点で、既にネグレクトによって心を壊してしまった子どもは、なかなか難しい。
家庭が安心できる場所でも、愛して愛されて安心できる場所でもない。
家に帰ったら温かいご飯が用意されているわけでもない。
もちろん、私自身家族の話は、その子の前ではタブーだ。
教員という立場で必死で、学校が安全で安心できる場にするけど、いざお家に帰ったら、その子にとってはだれにも愛されない無関心の空間なのだ。
それが悔しくて悲しくて、何度も泣いた。
何が出来るのか。教員だけではない。保護者がネグレクトを認めなくても、行政も入って支援が必要な段階なのではないか。

でも、実際は、ご家庭の事情でしょうからと、行政からも匙を投げられた。

子どもの心は傷ついてるのに、家庭は既に養育力を失ってるのに、それでも尚、救いの手はないのか。
公教育で関われる時間も限られてて、どれだけ学校で頑張ってても、家に帰ると次の日の朝にはまた不機嫌な顔で登校してくる。

ネグレクトですねとは、なかなか言えないし、行政も認めない。でも、その子に温かい愛情を注いで認められる場を作ってあげないとと思う。

本来なら、家庭で存分に受ける愛情を受けずに育った子は、やはり悲しい子だ。愛情や興味をひこうと人の嫌なことや悪さばかりする。

そんなことしなくても愛される存在であることをどのように伝えていくのか、学級の中でその子自身を認めていくための支援や方策。色々な手立て。今は教員を離れてしまった。でも、悩みながらだが、また復帰したら、一人一人に向き合って頑張っていこうと思う。

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