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「鰻に奈良漬」…、

今日、10日遅れになりますが姉の誕生祝いと母のお機嫌伺いに弁当ランチをしに行きました。母のリクエストで鰻…今回は小金原団地内の「うなぎ亭」さんです。
「今日は、小ぶりですが敷き詰めました。」
「ありがとうございます~🙂」

姉の家に弁当他土産物を広げて
「いただきます。」
昭和10年に浜松で生れた母が発した最初の言葉が 「奈良漬ね…、鰻には奈良漬…。」
「どうしてなのかねぇ…、」
「栄養的に最高の組み合わせとか…、」
「そんなこと、昔の人は分かんないでしょ…、」
「昔…、音別から出てきた頃、お前をおんぶして姉ちゃんの手を引いて亀有の知り合いを訪ねた…亀有は賑わっていてね…惣菜屋さんなんかもポンポンと一口漬物を切って出してた…寄りかかっているような切身ではなくね…。他にもいろいろ売ってたねぇ…。」
「お祖母さんは、芸人が僅かの日銭でちょこちょこって食べるだけのため…みたいに言ってたな…。」
「お前さんが小さい時に通った床屋さんも…、100円床屋さん…。」
「あれ、亀有…?」
「1000円カットのはしり…?」
「お前は、決まった人じゃないと駄目だからね…すると理髪師さんが交代してくれたりして…。」
「学校前のガキが指名ですか…?!」

「『芸能荘』ってアパートが①②とあって…お祖母さんの列だから…。」
「あのアパートは『芸能荘』っていうの…?」
「芸人ばかり住んでるね…。」
「ある芸人が銭湯からシャキっと羽織着て出掛けて行っても、帰りには着てられるかねぇ?…って周りが話すくらいに仕事貰えない時代だったって聞いたね…。」
「あのアパート…覚えているよ…。二階の一番奥の部屋からの帰り際に、廊下伝いに見える造りだったのかなぁ…お母さんの後ろで真似してお辞儀しながら帰ったシーンだけ…、お化粧途中の女性が此方に斜めに向いて会釈してくれたのが頭に残ってるんだな…。」
「普段は、お祖父ちゃん系の話が多いからお元さん話は久しぶりだねぇー。」

お祖母さんは、三味線弾き…お座敷のね…。
叔母さんは、寄席の出囃子…。
叔父さんは、噺家…。

「お祖父ちゃんは活動の弁士だったんでしょ…お元さんと縁はそのあたりで出来て一緒になったのかぁ~?」
「うーん、そこらへんは…、弁士の時代はいくらもなかったから生活は大変だったらしいよ…?」
「とにかく、それで我が家には『亀有時間』があったのかぁ…。」
「本所の家は?」
「本所は、距離的には近所だけどその縁ではないね…。」
まぁ、鰻弁当のお新香が奈良漬だったのを見て亀有が出てきたあたりは、さすがお母さん!
もう、15時過ぎた…。
また、我が家のストーリーの継ぎ接ぎを楽しみに来ますね…。

「鰻重を追加注文してくれる?」
「それは、私が出すから土産に持ち帰えって…。」








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