ゴリさん

岐路に立たされた時、何度も本に助けられました。不遇時の乗り越え方、それらを表に出さない…

ゴリさん

岐路に立たされた時、何度も本に助けられました。不遇時の乗り越え方、それらを表に出さない社交性、他人の気持ちを慮ること、生きてく上で大切なことを教わりました。いいなと思った本がどなたかの琴線に触れたり、刺激になったり、興味縁になったり、癒しになれば嬉しいです。よろしく。

最近の記事

南海トラフ地震  山岡耕春

阪神淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震、次の大きな地震としてずっと言われてる南海トラフ地震が注目されてる。 この本は8年前の出版ですが現在でも十分に参考になり、分かりやすく詳らかに書かれてます。 著者は山岡耕春さん、経歴も素晴らしく信頼して読ませて頂きました。 およそ100年~150年サイクルで繰り返される南海トラフ地震、次は21世紀前半にも発生すると予想されており確率は70%と高い。 日本は歴史的に大地震や大津波に何度も襲われきた歴史がある。 地震や津波の被害

    • きみのお金は誰のため  田内学

      お金の価値を改めて考えさせらます。 大富豪がお金の本質を若い2人の男女を相手に、真摯に丁寧に語り合いながら教えてくれる愛に溢れた物語。 会社に勤めてる人、商売されてる人も利益の追求という現代の通貨制度では普遍的なことに埋没してるのが大半ではなかろうか。 そこで儲かった利益を皆で分け合って、己が食べてく為に、愛する人達を養ってくためってのが通常モード、なのにあまり深く考えずにいたりして、一歩踏み込んで考える良いきっかけになる一冊だと思う。 経済教養小説。 中学2年生の佐

      • 介護退職 楡周平

        10年以上前の作品ですが今もこの問題に直面している同年代の同志は多いのでは。 自分の年齢、状況から必ずくるテーマとしてとても他人事とは思えない作品でした。 こうなった時に己の家族、仕事、大切な絆を守れるのか? 夢中で読み進むも途中は息苦しくなるほど、介護と仕事の両立の過酷さが主人公に追い討ちをかける。 大手電機メーカーで部長を務める唐木は50歳、油の乗り切ったやり手のサラリーマンで都内で妻子3人で暮らす。 マンションのローンもまだ残り、子供の進学によって生活コストがあがる

        • 国士  楡周平

          カレー専門店「イカリ屋」はフランチャイズ店と一致団結した経営で日本一のカレーチェーンに。 日本の問題点の1つ、人口減少による需要減を見越しアメリカ進出を決断。 一代で成功を収めた創業者の篠原と糟糠の妻というよき設定だが子供がいない。 己の残り時間から取り組むのが難しいと判断、海外進出を目指し新社長を外部招聘する。 新社長の相葉、株主優先、利益優先に舵を切る。 彼の真の目的は己のプロ経営者としてのキャリアアップ。 フランチャイジーや共に働く人の気持ちを無視した考え方、中長

        南海トラフ地震  山岡耕春

          ランチ酒 原田ひ香

          登場してくる食事、酒の描写が素晴らしい。 グルメを楽しみたくなる物語。 大都会、東京の喧騒や臨場感も溢れ、今やまっ昼間から飲めるお店も増えて、タイトルから休日のお洒落なランチを楽しむストーリーかと思いきや、切なさや哀しさが漂い、読後はガッツが湧き、生きてくことに貪欲になれる、とても読みやすくて面白かったです。 深夜の見守りを生業とする主人公の祥子。 見守りと聞いて看護や介護を想像したが全く予想を外れた。 何か怪しいカウンセラーのような仕事でもなく、一定の距離感を保ちつつも

          ランチ酒 原田ひ香

          獣眼  大沢在昌

          久々にハードボイルドが読みたくなり手にしたのは大沢在昌さんの獣眼。 腕利きで孤高のボデイガード、キリが主人公。 古武術、合気道、拳法を習得し、達人として1対1の闘いなら無敵で超一流のプロフェッショナル。 河田早苗と名乗る女性から17歳の女子高生さやかを1週間警護してほしいと依頼が舞い込む。 さやかは未来を予測できる超能力を持つ至高会会長、河田俊也の愛人の子であり早苗がその母であった。 さやかには人の心象を見抜ける特殊能力「神眼」が備わってる要素があり、1週間以内に開眼する

          獣眼  大沢在昌

          稲荷山誠造 明日は晴れか 香住泰

          面白いです、本当に楽しませて頂けました、感謝します。 この稲荷山誠造 明日は晴れか 全国の書店員さんが世に出したい、読書好きなファンに読んで貰いたいと投票する「サナギ賞」受賞作品だそうです。 第一回優秀作、流石に本のプロの方々が選ぶだけありますね、香住さん最高です。 一代で金融会社を築き上げた昭和のゴリゴリ経営者稲荷山誠造が主人公。 ある日、五反田翔という若い男が渡したいものがあるとやってくる。 その青年は20数年前に結婚に反対し、疎遠になった実の娘桃代の息子だった。

          稲荷山誠造 明日は晴れか 香住泰

          幸せジャンクション  香住 泰

          kindleunrimedで見つけた本、なかなか面白かったです。 初読み作家さんで香住泰さんの幸せジャンクション。 主人公は還暦になる浜浦。 勤め先の運送会社では配車業務を担当、里帰りで数日休みを貰い久々に出社すると会社は突然の倒産。何が起こったのが全く分からず、会社には人相の悪い連中が金になりそうなものを物色にきていた。 何とか社長と連絡を取り事情を聞いてその人柄を知る浜浦は仕方がないと納得。 己の不遇な時に雇ってもらった恩義もあり、力になれなかったことを詫びる。

          幸せジャンクション  香住 泰

          リセットの習慣 小林弘幸

          こんにちは、約一月振りの投稿となります。 丁度一か月前ですね、コロナに罹って妻に移してとなかなかのしんどさでした。 幸いなことに妻は後遺症も早く消えました。 ただ私の方が味覚が戻らないのと微熱が約3週間続いてすっくり治るのに約1か月要しました。 コーヒー好きで1日3杯は頂くのが通常モードなのに欲しいとも思わないのね、それとチョコレート、味がしなかったのは寂しかったですね。 微熱の方はこの時期特有の季節の変わり目によるものとか、花粉症の影響も多少あるのかなと思ってはいました

          リセットの習慣 小林弘幸

          恋文の技術  森見登美彦

          面白かった、抱腹絶倒です。 京都の大学院から能登半島の実験所に行かされ研究に勤しむ守田一郎が主人公。 この守田、今まで交流のあった者たちへ手紙を書くのですが、これが書簡形式でこちらの読み手の想像力、人生に対するセンスが問われてるような気になりました。 あらすじ 京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への

          恋文の技術  森見登美彦

          うつくしい人  西加奈子

          西加奈子さん、初読みです。 先日、テレビに出てらして感じの良い方だなと。 セレクトしたのはこの作品です。 あらすじ 他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書館で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた-。 Amazonより 己は病んでいるので

          うつくしい人  西加奈子

          滅茶苦茶 染井為人

          染井さんは安定の面白さですね、今回も飛ばして頂きました。 最初から不穏の雰囲気満載、コロナ禍になったばかりの閉塞感、得体の知れない空気感、不安感、それらと対峙する人間の弱さ、社会の厳しさを描かれてます。 今井美世子は東京でシングルライフを謳歌するアラフォー女性。 37歳でバリキャリが仇となりやたらとプライドが高い。 コロナ禍の中、今まで通りの人付き合いが遮断され鬱屈とした日々を過ごす。 そんな中、友達に勧められたマッチングアプリで出逢いを求めるが。 現れたのはイケメンの外

          滅茶苦茶 染井為人

          爆弾 呉勝浩

          面白かった、凄まじくクオリティーの高い社会派ミステリー。 安酒に酔っ払い軽犯罪で逮捕された、見るからにだらしない中年男のスズキタゴサク。 間抜け面は表面的なもので得体、正体の分からないとんでもないモンスターだった。 こいつが東京都内に爆弾を仕掛けたと・・・これが現実に・・ 何としても爆破を食い止めようと有能な警視庁捜査一課、清宮が取り調べるが。 会話で揺さぶりをかけようと試み、ゲームと名を借りた心理戦で相手の隙を探ろうとする緊張感が堪らない。 人間が持つ動物の血が静かにあ

          爆弾 呉勝浩

          おいしくて泣くとき  森沢明夫

          森沢ワールド炸裂、掴みから涙腺崩壊しっぱなしでした。 装丁も魅力的。 メンタルデトックスには最適よ。 主人公心也の家は食堂、店主の父耕平は子供飯もやり、事情のある子どもたちに無償でごはんを提供している。 心也の幼いころに母は病気で帰らぬ人となった。 物語は母の入院中の描写から始まる。 母と心也の互いの優しさの交換には涙が溢れてくる。 母は息子を、息子は母を事態を察してる幼い心也への愛は不変的なもので、これ以上に上に来るものなんてあるのか。 やがて中学性になった心也、好

          おいしくて泣くとき  森沢明夫

          最高の飲み方 葉石かおり

          クリスマスに年末年始、酒を嗜むものにとっては楽しくまた酒量が増える時期だ。 自制心に甘くなり易いこの時期の己を、少しでも肯定してくれる内容と期待を込めて読み始めたが、開いてみて良かったと思いきや閉じようかとしたり、ページめくるたびに惹き込まれていった。 酒は面白いもので家族や心安い友人と交わすと本当に進むものだ。 美味しい料理とともに味わい尽くすのは、まさに口のこえたミドルエイジには至高の一時でもある。 既知であるものもあったが本書は酒好き医師の著者が、医学的見地から

          最高の飲み方 葉石かおり

          2030年の世界の地図帳 落合陽一

          日本の現状と方向 4年前の本、SDGSについてよく目にするが、できた背景、世界がどのようにアプローチしているのかなどデータ、地政学を元に分かりやすく解説されている。 人口が減り続け環境や文化、技術の伝統を維持し,継承していくことが難しくなってきた日本、この国の立ち位置、各国との連携など序文から惹き込まれる。 2030年、日本は国民の3分の1近くを65歳以上の高齢者が占める国で、団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり全人口の占める割合は約2割に達する。 社会保障制度を支える生産

          2030年の世界の地図帳 落合陽一