見出し画像

よちよちある記#353『風に立つ』

師匠が読んでみなって
草津での再会時に
プレゼントしてくれた本
『風に立つ』柚月裕子

読みやすくてスラスラといける
スキル本やらノウハウ本は
もう読まない
小説から色んなことを学べる
って言ってた言葉の意味

この本を通じて
何を受け取るのか?
今の自分には何が
受け止められるのか?

随所に胸を打つ言葉が
散りばめられている

―――以下引用―――

親方を名乗るには、腕だけではないことも知っている。優れた技術だけではなく、仕事に対するぶれない信念が必要だ。その頑なさはときに人の反感を買い、疎まれることもあるけれど、それでも貫く強い意志が客との確固たる信頼関係に繋がる。

―――

確固たる自分の意志があるから、頑固とか偏屈と言われるんです。職人に限らず、なにかを作り出すものはそれがないといけません。刺激や影響を受けつつも、己を貫きとおす芯がないと、中途半端なものしかできない。

―――

「物事には風というものがありましてね。仕事、人生、時代にいろんな風が吹く。穏やかなそよ風もあれば、激しい暴風もある。ほかにも追い風、逆風などがありますが、人はそれらに翻弄されるんです。いい風に乗ったと思ったら、一転して嵐のような風に見舞われ転落したりする。それが世の理だから致し方ないのですが、それらに立ち向かうために必要なものはなんだかわかりますか」
「なんですか」
訊ねると、直之助はポツリと答えた。
「強さです」
念を押すように、繰り返す。
「どんな風にも動じない、強さが必要なんです」

―――引用終わり―――

『職人』とか『親方』とかいう
言葉の持っているイメージ
良くも悪くもそこに無意識の内に
縛られていることが多い
何かにつけて“かくあるべし”
の像に己を近づけようとし
ときに自尊心を傷つけられ
やがて事なかれ主義に流されていく

ホントの自分はもっともっともっと!
違う環境であれば…
大きな仕事を任されれば…
そうやって周りに責任を押し付けて
自分と向き合うことを回避して
いたずらに時だけが過ぎてゆく

ホントの自分なんてねーのさ
今の自分が等身大の自分
その自分自身の成長を疎かにして
“ホントの自分は…”
なんていう都合のいい言葉は
金輪際使うのをやめよう

 
そして
物語が終わりに向かう中
ある子どものことを
その子の母親と話すときに
職人の親方である主人公の父が
発する言葉に震える熱いものを感じる

―――引用始め―――

「そうです。あの子には、ちゃんと生きていけるようになってほしい。いまは辛いかもしれないけれど、きっとわかってくれる。立ち止まりそうになる子供の手を引いて、正しい道に導くのは親の役目です」

(中略)

「私が思うに、ちゃんと、とは、人の道に背くようなことをせず、人に迷惑をかけず、なにかに怒ったり、誰かを憎んだり、深い悲しみに暮れるときがあっても、自分の力で少しでも健やかに生きようとすること、だと思うのですが、お母さんはどう思われますか」

―――引用終わり―――

一朝一夕に身につけられはしない
人としての強さや正しさ
今の自分にとって
アンテナに引っかかって
反応する事柄なんだろうな

自分の力ーー
一人でできることを増やして
いくこともさることながら
あれやこれやの能力だけでなく
人とのつながりや人に頼ること
それもまた自分の力を強くすること
なんだろうな

ちっぽけなプライドを捨て
弱さを見せられること
それこそ強さ

グッと食いしばり
足を踏ん張り
肚に力を入れて
ケツの穴を締めて
胸を張って
にこやかな笑顔で
日々を送る

 
本とのご縁
作家さんとのご縁はいいね
自分自身と向き合うことに繋がる
小説は学ぶための素材として最幸だ
師匠のいう通りだったわ

ぐるぐると言葉が駆けめぐってる
いつかどこかで何かと出会い
パーンっと回路が繋がるのだろう

伏線として回収するときが必ずくる
惰性で進むな
自分の人生航路の舵をとれ!

今日もいい1日✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?