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スマブラステージ【AD.1957.ラッコ】

ラッコが貝を石に叩きつけるギミックを楽しめるスマブラステージです。

スイッチをオンにすると貝が動きます

ラッコは「食肉目イタチ科カワウソ亜科ラッコ属」の動物です。
 カワウソ亜科の動物は、水中の活動に適応した哺乳類で、ほとんどは淡水域で活動します。ラッコは海での暮らしに適応していて、陸にほとんど上がらず、仰向けになって泳ぐのが特徴です。

 ラッコの生息地は北アメリカ大陸西部からロシア東部にかけて。高緯度の寒い海に暮らすラッコは、高密度の毛皮に空気の層を蓄えることで、海水が直接皮膚に触れることを防いで、体温の低下を防いでいます。この毛皮には1平方cmに10万本以上、体全体では8億本もの毛が生えていて、動物の中でも最も高密度の毛皮となっています。

 毛に汚れがあったり、毛の間の空気が抜けると、体温を保持できなくなるので、ラッコは一日の大半を毛づくろいに費やして、毛の状態を保ちます。この際、自分で顔をマッサージするような動きをよくします。手の先には毛が生えていないので、手を水につけて冷やさないために、浮かんでいる時には顔の近くに手を置いているという事情もあります。

背景のラッコは左右にゆらゆら動きます

 ラッコは頑丈な顎を持った肉食動物で、特にカリフォルニアのラッコは貝、ウニ、カニなど硬い殻を持つ動物を噛み砕いて捕食します。
 脇腹のたるんだ部分が、物をしまうポケットになっていて、食べ残しや、石を持ち運んでいます。

 石に貝を叩きつけて殻をこじ開けたり、水に潜る時の重りにしたりと、石を器用に活用し、寝る時には潮に流されないように海藻(ケルプ)を体に巻きつけるなど、道具を活用する高い知能をラッコは持っています。



 ラッコの毛皮は防寒効果が高いために、19世紀以降に毛皮を目的とした乱獲が起こり、ラッコの数は激減、20世紀初頭には総数が2000頭を下回ったと言われています。
 ラッコが減ったことで、ラッコに食べられていたウニが増加し、草食性のウニによって海藻が食べつくされることで、海の砂漠化が起こり、漁獲量が減少する事態となります。

 各国はラッコの保護に乗り出し、日本では1878年(明治11年)の「臘虎(らっこ)猟仮条例」を皮切りに、ラッコとオットセイの猟獲に制限が設けられ、1911年(明治44年)にはロシア、日本、アメリカ、カナダの4ヶ国間で「膃肭獣(おっとせい)保護条約」(ラッコも対象に含まれる)が締結されます。これは動物保護条約としては最初期のもので、保護活動によって20世紀半ばには、ラッコの個体数を回復させることができました。

 その後、タンカーや海底油田からの石油流出(石油はラッコの毛の保温効果を奪う)や、寄生虫による病気の流行などで、ラッコの数は減少傾向にあり、2024年現在ラッコは絶滅危惧種に指定されています。
 ともあれ20世紀のラッコ保護は、動物及び自然環境保護活動の先駆けとなった活動でした。



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